2015年2月21日土曜日

NHKの存在意義

なぜNHKは、視聴者の都合に関係なく、テレビを持っているだけで料金を要求できるのか?
視聴者なら1度は疑問に思うことだろう。なぜこんな高額な受信料を請求されるのかと。 これは一方的に商品を送りつけて金を払えといっている「押し売り」と同じだ。 民間企業では考えられないことだ。
NHKは民間企業なのか、国の機関なのだろうか?
「特殊法人」という分類になっているそうだが、いってみれば国から特別な保護や特権をあたえられた企業ということだ。国から保護されているという意味では銀行に近いかもしれない。

NHKの目的

NHKは放送法に基づき発足したので、その法律の中に目的の記述がある。要約してNHKの目的は次の5つ。
  1. 日本全国において平等に放送の恩恵が教授できるように
  2. 放送及びその受信の進歩発達に
  3. 良い放送番組、公共の福祉のために
  4. 海外に赴任している日本人に対する国際放送
  5. 外国人に対しての国際放送
まず 1) テレビ放送開始当時、広告収入による放送では視聴者の少ない過疎地帯や離島などで番組が視聴できない可能性があった。このような人口密度の低い場所でもテレビを楽しめるように、平等にするという意味があった。
次に 2) 日本がテレビを始めたころは、アメリカと比較しまだ技術が不足していて、民間企業に対して技術の供与(基礎開発的な)や標準化が必要であった。
最後に 3) 広告収入による放送では、おばかな娯楽番組など視聴率が稼げる番組ばかりになってしまう懸念があった。文化の向上という意味では教育・教養・科学技術・芸術などの番組がかかせない。 そのようなコンテンツの偏りを是正する必要があった。
みてわかる通り、現在の状況をかんがみ 1~2 いずれも不要であることがわかる。 BSの普及で、山間部や離島でもまったく同じ番組が楽しめるし、日本の家電メーカーは十分に技術力を身につけた。次世代テレビの標準化はコンソーシアム(民間のメーカーの集まり)でやれば良い。
NHKの存在意義として必要なのは3であるはずだが、実際のところNHKは娯楽番組を増やし、広告ではないかと思われるカットも挿入されている。本当に広告収入はもらっていないのだろうか?
よい放送とは具体的にどんなだろうか? 国営放送にすると国の宣伝活動や国民の洗脳に使われてしまう可能性がある。広告で運営するとスポンサーの都合のよい放送になってしまう。つまり表現の自由のために、国から独立し、視聴者やスポンサーから影響されないで番組を作りたいという考え方がある。でもこれは、NHKだけでなく民放でも必要なことであり、放送以外あらゆるクリエータが望んでいることである。NHKだけが特別扱いされるのはおかしい。
放送における福祉とは何か具体的な記述はないが、たとえば聴力障害者のために字幕放送でセリフがわかるようにするなどの仕事があると思う。 ここは単に法律上で番組のうち何%は字幕放送をいれなければならないととしてしまえば解決するように思える。
4~5は、たしかに民間企業はやりたがらない分野だ。 海外に赴任すると日本が今どうなっているかニュースが少ない。主に短波放送になると思うが、その情報を伝えることも必要であろう。 国によっては日本の悪いところばかりを誇張したり、ウソを放送したりして日本製品をボイコットさせようとしている。 自由競争では勝ち目がないと思っているのだろうか? 正しいことを放送することで日本に対してよい印象を持ってもらうことは輸出の増加に貢献する。 4~5は、必ずしもNHKでなければならないということでもない。入札で民放に仕事を依頼してもよいので、必要最低限の経費で事業をすればよいと思う。
最近はラジオを聴く人が少なくなってそのかわりweb(インターネット)を利用するようになっているから、 できるだけ短波ラジオの番組は削減し、そこかわりwebのコンテンツに工数をかけるとよいだろう。 NHKのwebで日本国内のニュースをそのまま5カ国語に翻訳し公開する。 ありのままの日本を海外の人に知ってもらうことが重要。 それにインターネットの方が運営費がかからない(翻訳代だけ)であろう。
ニュースについても娯楽性の高いものは民放にまかせるべき。 芸能やスポーツなどは娯楽だ。スポーツでも正しいスポーツのやりかたなどは教育にあたる。 見るだけ、聞くだけ、(リード・オンリー)なのは娯楽。 やってみよう、作ってみよう、書いてみよう、創造力が問われる番組は教育である。 海外のニュースは、民放ではやりたがらないのでNHKで積極的に発信するする内容である。

NHKの分割、民営化

視聴者が不満に思うのは、民間企業は不況の中がんばって働いているのに、NHKは広告まがいのことをやり、高額な受信料を要求する。インターネットやケイタイは、きびしい競争をしコストダウンに努めているのに、コスト削減の努力をしていない。 娯楽番組は、民放がやっているのであえてNHKがやる必要はない。無駄なコストである。
けじめが必要だ。
教育・教養の番組を放送する会社と、娯楽番組を主体とする会社と分離する。 前者は、国が放送内容を決め、国営放送、または国から委託を受けた企業が放送する(入札)。 運営資金は税金から出す。必要最小限の事業として税金の負担をかけない。 放送大学の低学年向けみたいな感じが良い。 少子化対策のため、過疎地域の通信教育、幼小中高の教育コンテンツの充実、あるいは社会人の教養を重点とする。 後者は、自由に事業をやらせ、民放の1つとする。広告収入で運用し、受信料は請求しない。
たしかにNHKに就職した人は将来リストラされるのではないかとか、賃金が安くなってしまうのではないかと不安があるので民営化には反対するであろう。民放はスポンサーをとられてしまうのではと心配するだろう。 しかし「特殊法人」という言い訳は、けじめのない放送、事業効率が悪く高額な受信料を請求するなど弊害がある。
NTTは、なれない自由競争で苦慮しているようだが必要なことなのだと思う。 郵政もNTTも民営化したので、次はNHKの分割、民営化なのではないだろうか? これは消費税減税と同じ効果があるかもしれない。

ワークシェアリングを広める

たくさん残業させた方が儲かる思っている経営者があまりに多い。 ワークシェアリングを成功させている企業の取材を行い、どのようにワークシェアリングをすれば成功するのか? ワークシェアリングを実行しても利益率は低下しないということを認識させる。

日本はケイレツの中だけ、自分がいる部署だけと小集団内にこもりがちで外の情報に無頓着だ。 NHKは受信料で運営されているのだから視聴率に執着しないで社会のためになる番組作りが必要であろう。 海外での男女平等の取り組み、残業に頼らない業務の進め方などの情報を発信すると良いだろう。

2014年7月13日日曜日

労働条件の多様化と男女差別、年齢差別

日本では、自分とまわりの人を比較してぐちぐち言う人が多い。面倒だから、経営者は労働条件や金額を全ての人で同じにしようとしたり、年齢や性別で自動的に決めてしまう傾向がある。これらの問題点が最近顕著になってきた。

消費税は増税なのに法人税はなぜ減税?

グローバル化が進み、大手企業は複数の国でビジネスをするのが一般的となった。 そのため法人税の高い国から法人税の低い国に移動する傾向がある。 法人税減税は企業誘致のためということであろう。

企業誘致をすれば、税金収入も増えるし、雇用も改善されるかもしれない。 しかし、ブラック企業ばかりが沢山集まって、人が不幸になる国(あるいは地域)であっては意味がない。人が幸せになることが目的である。

企業の活動内容を行政が評価し、その結果により法人税率を変える必要がある。 たとえば平均残業時間はどうか? 労働の仕方に多様性が実現できているか(従業員の希望で労働時間を選択できるか?)、男女差別はないか、年齢の差別はないか(新規採用で不利益はないか?、給料は年齢で決めるのではなく成果をみているか?)、目先の利益で行動をしないで業界全体に貢献する基礎開発はやっているか? 優良企業には減税、ブラック企業には増税となるようにする。

オランダのワークシェアリングでは、労働時間を従業員が選択できるようにしたことにより、失業率を画期的に改善できた。しかし時給をみんな同じにしてしまったため、IT企業など残業にたよって仕事をしていた企業は外国に逃げてしまった。

労働条件の多様化と成果主義の組み合わせが、経営者(企業)と労働者、双方が幸せになる方法ではないだろうか? 性別や年齢、勤続年数で給料を決めてしまうのではなく、成果で給料を決める。

残業することが目的ではない。経営者や管理職が作業工数を計算できるようになる。 決められた時間内で仕事が終わるようにするにはどうすべきか改革を進める。 法律を決める際には、政治家と経営者だけで決めてしまうのではなく、労働組合の代表、あるいは派遣、アルバイトなどの意見も聞くべきであろう。

すき屋デモについて考える

外食業界など一部では人手不足だという話がある。まだ多くの失業者がいるのに、時給を上げても労働者が集まらない。

一部の企業が過労死などでマスコミからバッシングを受けている。 その影響で「外食業界はブラック企業だ」というイメージが強く敬遠されている。 だから募集しても応募する人間が少ない。

すでに採用した従業員がやめてしまうというのは、お金よりも時間を重視している人が多い、経営者と従業員が本音で話せていない(ワンオペはいやだとか)ということがあるだろう。

従業員が個別に条件を選択できるようにすることが必要。従業員には残業やワンオペをしてもいいが沢山給料がほしい人と、家庭や個人の都合があり時間を大切に考えている人がいてこれらを全て1つにすることはできない。フレックスタイムや男性の短時間労働も積極的に採用。働き方の多様性を実現し、使用者の都合で残業を強制しないようにする(ただし成果主義)。

そのことをwebや求職票で公表し、うちの会社は「ブラック企業ではない」ということがわかれば入社したい人間は増えるであろう。

労働者を「性別や年齢で選り好み」してしまうので働けるはずの人間が、仕事をすることができないというのもあるかもしれない。 履歴書や面接ではその人が本当に使える人間だか判断するのはなかなか困難だ。 日本は終身雇用であるので一度雇用してしまうと解雇できないから、リスクを恐れて性別や年齢で選別してしまう。

実際に働かせてみるのが最も確実な判断方法であろう。紹介予定派遣や試用期間制度があるのだからこれらを積極的に使用し、実際の働きを見て決めるようにすべき。

まだまだ多くの失業者がいるのだから、安易に外国人労働者を増やせばよいということではない。外国人労働者ならば安い給料で長時間労働させることができるという思想は経営者の怠慢である。

2013年12月4日水曜日

半導体業界の憂鬱(ゆううつ)

以前は強い競争力を持っていたが最近は負けている業界に半導体業界がある。 日本の半導体業界の復活のために何が必要か考察してみたい。

なぜ負けているか

大きな原因は、目先の利益ばかり気にして基礎開発をしていないからだろう。 年功序列が人材流動化を妨げ、成果を把握しないことも要因の1つだ。 何が成果なのか分かっていないから個人的な好き嫌いで、成果のために必要な人間に不利な扱いをしたり、会社から与えられた役職で自分自身が利益を得ようとする。そして定年まで同じ会社で勤めるのがえらいとされ、エンジニアを大切にしない。これは「実務を行っている人間のやる気をいちじるしく奪う行為」である。

給料体系の改革

まず初めにやることは給料体系の改革だ。 設計・開発・営業の職種では、個人の成果が売り上げに影響するので成果主義にする。ここでの成果主義とは1年以内で成果が給料に反映するということ。

年齢や勤続年数で「3~4倍もの高給を支払うこと」をやめるのは絶対条件だ。 年功序列は、人材流動化をさまたげ、まじめにスキルアップをしている人のやる気をうばう。年功序列の世界は、いくら技術を極めたところで勤続年数と年齢で給料が決まってしまう。日本では仕事の役割分担があいまいなのでスキルの高い人間の所に、仕事が集中し過剰残業を要求される。勤続年数が長く、ゴマすりのうまい人間が役職と高給を手にする。まじめにスキルアップした人はバカをみる。実務をしている人間がやる気を出すには成果主義が必須である。

成果主義に切り替えると、年だけとっていて成果の出せない人間は給料が大幅に少なくなってしまう。利権を持っている人は反対するであろうが、「給料がほしければふさわしい成果を出せ」ということをはっきり言い、改革を実行する必要がある。年功序列ではこれから先、会社の存続はない。

職種によっては成果主義にし競争させても意味のない仕事もある。総務の仕事では、個人の成果が売り上げに直接関与しないので時給固定方式とする。(年齢や勤続年数で給料は変わらない、正社員/派遣/パートで同じ時給とする、職種で時給が決まる) そのような仕事では積極的に7Hの短時間労働を採用し、長時間労働のできない人、あるいは給料より時間を大切にする人に対して仕事を提供するようにする。そして男女差別、年齢による差別をしないで雇用する。それは社会に対する貢献だ。

いきなり給料が半分になってしまうと感情的になるであろうから、何年かかけて段階的に変えるようにする。もしも高給がほしいと言ったならば成果が求められる職種/部署に転属させる。現在、成果が求められる職種/部署にいて自分の時間がほしいと言ったならば、時給固定方式の部署に転属させる。つまり、個人が生き方を選択し、適性を考えポジションの最適化をする。年功序列では全員が同じにならなければならないとか、適性のない職種で働き続けていても疑問を持たなかった。効率的なビジネスのためには成果を計測し、個性に合わせ最適化が必要だ。

派遣についても成果が出せた人間には高給をだす。長期間会社に縛られた人間に高給を払うという慣例はやめる。会社とは仕事をする環境であり、成果を出せる場所であればどこでも良い。個人はスキルアップして、どこの会社でも仕事ができるようにする。

企業は、仕事のしやすい環境を準備し、成果がだせた人には派遣でも正社員でも高給をだす。それを会社の目標に設定しwebや求人情報で明確に提示する。本当に成果のだせる人の集まる企業、ぶらさがるだけの従業員にはいずらい会社にする。

日本は終身雇用が長かったので「絶対に会社は倒産してはならない」という気持ちが強すぎて思い切った対策ができない。失業率が高くなっているのは、たくさん残業させた方が儲かるという思想の元に派遣切りが行われているためであり、ワークシェアリングを推進し、労働者一人一人がスキルアップしていれば直ぐに次の会社で働ける。縛り/縛られる関係からの脱却こそが重要だ。

経営者、管理職の流動化

人材流動化は、現場の人間だけでなく、経営者や管理職にこそ必要だ。流動化はポストの最適化でもある。経営者や管理職のやっていることがオープンであること(評価を受けること)も必要であろう。

改革を行わない経営者、あるいは「残業時間を増やせば儲かる」といっているとか、会社を私物化してしまい成果を出せない経営者は交代するする必要がある。会社は、そこに勤める従業員(派遣やパートを含む)、株主、協力会社の社員全ての共有財産である。事業全体に関する重大な決定権を持つ経営者が成果の出せない人間であるのは、多くの人間を不幸にする。だから結果の出せる経営者、従業員の幸福を考える人に担当していただく。

最近は、外国人の経営者を迎える企業がニュースになっている。 改革を確実に実行できる人なら日本人でも良いはずなのだが、日本人はどうしても「ことなかれ主義」にどっぷり浸かっているのでなかなか思い切った改革ができないということと、終身雇用が多いのでさまざまな仕事の仕方があるということ知らない(海外での実務経験がない)ということであろう。グローバル化社会で戦っていくためには広い視野、海外での実務経験が必要なのかもしれない。

正社員の流動化、社内FA制度

何も派遣を使うだけが人材流動化ではない。 社内FA制度(Free Agent;社内人材流動化)などが鍵になりそうだ。プロジェクト毎に、やりたいと手を上げた人を、部署の境界をこえ集めてチームを作る。新しい人と仕事をするということは、考え方の相違で苦労することもあるが新しい刺激になる→やる気に効能がある。

法人が別であっても情報の共有、意思の統一ができていれば合併は必要ない。複数の会社の混合でプロジェクトを立ち上げるのも良い。会社が合併しても元xx会社の部署、元△△会社の部署と分かれてしまっていて、意思の統一ができていないのでは意味がない。特にプロジェクト単位でのまとまり、協調性が重要だ。 同じ会社内でも誰と誰がプロジェクトメンバーなのか明確でないと、やじうまや外野が干渉してしまってプロジェクトはスムーズに動かなくなる。

日本人は転属、他の部署の手伝いをいやがる。企業文化が大切だという人が多い。これらは積極的に話すことができないからであろう。 そのことは標準化しなければぐあいが悪い内容なのか?、単に自分と違う仕事の仕方をしている人がいるときもちが悪いだけか? 違っても支障のないことは気にしない。標準化すべきことは初めにプロジェクト・リーダーがはっきり伝えておく。そのようなルールを作る。プロジェクト・リーダーがリーダーシップを発揮すること。本音で話すことのできる文化を作っていくことが大切であろう。

注力すべき技術(基礎開発)

基礎開発をできないのは、日本のエンジニアが劣っているからだろうか? そんなことはない。 世界的な偉業を成し遂げた日本人もいるが、実際に働いている場所はアメリカだったりする。残念ながら日本で基礎研究のできる環境はほとんどない。民間企業は利益に還元されるまでの時間がかかる事業を敬遠している。日本のエンジニアは能力があるはずなのに、目先の利益のみにこだわり「ジリ貧」になっている。

具体的に注力すべき技術を提案したい。

1) CPUコアの開発、その他IPの開発

短い期間でLSIを開発しなければならないので多くのIPがあらかじめ用意されていることが必要であろう。CPUについては上位互換性を考えて開発していくことが重要。CPUの性能は、そのCPU固有の使い方で変わってくる。ベンチマークではアプリ実行時でのパフォーマンスはわからない。CPUの使いこなしのノウハウは社内に蓄えられているわけだから、それらリソースを無駄にしてはいけない。

CPU単体での性能が高くても、新たに開発環境を購入しなければならないとか、新しい開発環境の操作方法を覚えなくてはならないのであれば意味がない。教育/学習にもコストがかかるのでUIの上位互換性も重要。開発環境(ソフトウェアツール)の開発の使い勝手は、開発効率に関わるのでここもおろそかにしてはいけない。

※短い期間でLSIを開発しなければならないので英語のデーターシートしかないCPU/IPは採用することはできない。 (そのへんは外資系半導体メーカーに理解してほしい)

今までは多機能、高集積度を追及し、できるだけ売値を維持しようとしてきた。今デフレの時代に求められるのは低コストのマイコンである。時代が変わったことを認識し、低コストのマイコンに目をむけるべきだろう。低コストを実現するための製造設備、材料、工法など既成概念を捨てて見直す。

2) SoC(ASIC)

SoCは利益を出しづらくなっている。 もしもやるのならば特に大きなシステムに限定して仕事をすべきであろう。 大きなシステムの全体を把握し、システムの分割、全体の検証をするためには、エンジニアの育成が欠かせない。

LSIを開発する際、レイアウトはその性能に大きく関わる。 単に人海戦術でレイアウトをするのではなく、人を育てることも必要であろう。最近はゲート数が極めて大きいので自動配置配線を利用することが多いが、これらのツールも市販のものでは出せる性能に限界がある。独自の開発環境(ソフトウェアツール)の準備も必要かもしれない。

LSIの独自の製造設備なども差別化のため必要だ。日本では人件費が高いのでロボットによる、可能な限りの無人化や同一の製造設備でさまざまなLSIに対応できるような柔軟性のあるロボットによる製造とか。

3)アナログ&パワーや高周波技術

新材料の検討、新しいパッケージ構造の検討などが必要であろう。

4) IT関係 (ソフトウェア)

ソフトウェア関連をみても目先の利益だけにこだわっているのがわかる。 アプリケーション・ソフトの仕事がほとんとでOSやBIOS、データベース・エンジン、プログラミング言語、開発ツールなど多くの企業で共通に使う部分はほとんど仕事がない。これらはアメリカの企業が独占している。

アジアで開発するのは日本語の問題があるので海外への委託はしづらかった。 しかしアジアでも窓口になる人間に日本語の分かる担当者を置くとか、仕様書を日本語で作りますという企業は増えている。 アプリならアジア新興国でもできるようになった。 そうするとソフトウェアは人件費だけ、送付するのもメールで済むので輸送料がほとんど0円だ。 このような仕事はやがてアジアに取られてしまうだろう。 特定の顧客のみで使用する部分ではなく、共通で必要な技術(先端技術)に力をいれるべきだろう。

最近のスマホの動きを見ているとパソコンの二の舞となりそうでならない。初期のパソコンは、各メーカー独自のアーキテクチャーが使用されていて互換性がなかった。やがてアメリカ製のOSになり、ソフトウェアの互換性がとれるようになった。すると製品は単なる価格競争になり、パソコンのビジネスは利益のでないものとなった。、そして撤退する企業が相次ぎ、最終的に儲けたのはご存知ウィンテルだ。

以前ケイタイでは国産のCPU、国産のOSが利用されていた。スマホではほぼアメリカ製のCPUとOSになってきている。今はスマホのビジネスが快調のようだがやがて価格競争の時代になるであろう。

国産のCPUをつかっているとガラパゴスだという人がいる。独自のCPUをつかっていること自体は悪くない。ただ最終的に利益をうるのはコアとなる技術をもった企業である。日本が先端技術で負けていることが問題だ。日本も先端技術に注力すべきではないだろうか?

開発費

大手企業は資金力があるはずだから、業界全体に貢献する基礎開発を積極的に行うべきでだ。 しかし民間企業は目先の利益で動いてしまうので、10年先で勝つことができる技術、あるいは日本の業界全体で役に立つ技術はおろそかになりやすい。

日本とアメリカでの先端技術の行政の支援は1桁ぐらい違うと聞いている。(日本ではベンチャー企業が育ちにくい) 行政の支援も必要であろう。

その他やるべきこと

人の形をしたロボットが人間と共に働く時代が直ぐそこまで来ている。特に介護用ロボットが注目されている。 ロボットの社会への適合性、安全性についての規格は日本がリードして行うべきであろう。 多くのPC関係の規格はアメリカに先を越されてしまい、規格が英語しかない。 そのため日本のエンジニアにとって、開発の際の「非関税障壁」となっている。

ロボットに関する規格はいち早くJISで規格化し、それをISOに持っていく形にする。 ブームが発生してからあわてて開発を始めるのではなく10年先をみて仕事を始めるということだ。

グローバル化が進めば、商品を売るのに言語の壁がある。 マニュアルの翻訳、現地でのサポート強化が必要であろう。 特に電子部品など多くの機能が集積されている場合にはデーターシートの翻訳が必要だ。 ヘルプファイルやデータシートなどを現地(顧客がいる国)の言語に翻訳しないのは、植民地貿易と同じだ。 翻訳は現地の翻訳家にやらせる。翻訳の費用について、メーカーの負担、現地の総代理店の負担その割合を交渉すれば良い。

電子部品関連では、電話サポートは役に立たないことが多い。 サポート担当(FAE)の知識不足ですぐに回答が得られない、定時が終了すると留守番電話に切り替わってしまうなどとても困る。後で回答するといって数日で回答があればまだいい。場合のよっては数週間またされたり、ひどい場合は何回も催促しないと回答がない、忘れていたなんていう場合もある。

最近は海外の半導体を使わなければならないことが多いが、国内にいるFAEはおそらく短期の派遣を教育なしで使用している、あるいは転送電話でアジアの国々の人にやらせているのだろう。サポートは儲からない仕事であるからできるだけ安い人材ですませようということだと思う。

アメリカでは、FAQなどをデーターベース化することが多い。 1人の知識には限りがあるということと、人材流動化があたりまえなので会社にノウハウを残すということが重要だからだ。データーベースならば即時に検索が可能で、定時後のため回答が得られないということもない。日本でもサポート用データーベースの整備が必要だ。(日本語であることが必須)

特に半導体は複雑な機能を持つので十分な知識、早いレスポンスのあるサポートがなければ安心して採用することができない。メーカー側としてもサポートの情報は顧客のニーズを把握し、次の開発にフィードバックするために積極的に利用されるべきだ。

⇒景気対策と生き残りと半導体メーカーの統廃合と

⇒東芝、半導体業界弱者再編・連合を尻目に、ひとり勝ちの兆し?工場売却へも意欲

2013年11月11日月曜日

ブラック企業問題

ブラック企業とは、従業員に非現実的なノルマや過剰残業を課す、いじめや嫌がらせ、残業代の未払いなどを頻繁に行う、あるいは労働基準法を守らない企業。経営者など一部の人間が暴利をむさぼり、従業員を粗末に扱う会社と言い換えてもいい。 最近、なにかとニュースになっているブラック企業問題について考えたい。

残業時間が多くてもブラックではないこともある

残業時間だけでブラックかどうかの判断はできない(もちろん労働法上でのリミットは守る必要がある)。仕事が生きがいで自身の意思で残業している、あるいは経営者のごきげんをとるために残業している人もいるからだ。

たとえば偉い人は、仕事の成果を見ないで残業時間だけで人間の評価をしてしまうことが多い。それは成果を公平に評価するにはとても高いスキルが必要なのだが、日本では年功序列がはびこっているので、そのスキルを持つ管理職/経営者は少ない。 若いうちは成果のわりに少ない給料しかもらえない、つまり経営者はたくさん残業させた方が得だと感じる。「残業時間が多い人はやる気がある。残業をしない人はやる気がない」という言い方をしてしまうのもそれが原因。いってみれば、残業時間を増やすというのは偉い人に高額のお歳暮を贈り、ごきげんをとる行為に等しい。

偉い人の主観で評価、昇進が決まってしまうのだから会社内でよいポストを手に入れたければ「たくさん残業する」という考え方をする人もいる。若い時に「たくさん残業」して良いポストを手に入れようと本人が思っているのであれば、それはその人の生き方だ。

ただし管理職の都合で残業を強制するのは搾取であり、ブラックだ。

私はごきげんとりのため残業する生き方をお勧めしているわけではない。 それは昇進が約束されているわけではなく、偉い人の主観で決まるわけだから、こきげんをそこねれば、左遷ということもありえる。激動の時代では会社がなくなってしまうかもしれないし、突然給料体系が変わるかもしれない。経営者は自分の身が一番大切であるから会社が傾いた時にはたして給料を保証してもらえるか分からない。 やはり労働者自身がスキルアップし、企業は成果に基づき給料を払うというのが健全な状態であろう。

「たくさん残業」するのは新人が成長するために必要だとする説もある。まずたくさん残業すればその人がその分向上するのかというのが疑問だ。過剰残業に頼らなければ業務ができないという体質にこそ問題。

たしかにより良き仕事をするには学習し個人が向上していく必要がある。 ここで注意してほしいのは、会社内でないとできない訓練と教科書とノートで行う学習があるということ。たとえば管理職としてのスキルは「人と人との間の潤滑油としての働き」が重要であるので会社でないと困難。IT関連の仕事(エンジニア)では常に最新技術の習得が必要とされるので書籍などで学習することが多く、自宅での学習が必要(会社では雑用におわれて学習できない、会社で学習していると業務上で必要なことでも上司に嫌な顔をされることがある)。

そして仕事のよろこびの1つには「できなかったことが、できるようになる」ことがある。学習のための時間が必要であろう。商業主義がきびしくなると学習のために会社が残業代を出すのは難しくなるから、残業を削減し、自宅で学習するスタイルが多くなるであろう。

ちなみに残業時間の制限があるのは弱い立場の人間が搾取されるのを防ぐため。 労働時間の制限があるのは係長以下の人だけ。経営者、自営業者、課長以上の管理職は自分で残業時間を決めることができるのでいくらでも残業してよい。

仕事のやり方に自由度がある会社ならば、長時間労働でもあまりストレスは感じない。 仕事のやり方をいちいち細かく規定されてしまう会社ならば、残業なしでもストレスは発生する。 たとえば業務に必要なことを学習しようとすると止められる。それは目先の利益優先だから学習は敬遠し、労働者の技術向上がなされない。いつまでも効率の悪い方法でしか働けない。 効率がわるいので長時間労働が必要、労働者はいつまでもスキルアップできないというストレスがある。

労働者の意思で積極的に学習し、そのために労働時間が長くなっているのであればブラックではない。学習時間を与えないで、目先の利益のために、企業の都合で長時間労働させているのはブラックだ。

若いうちこそ好きなことをしよう

「若いうちは働け!ワーク・ライフ・バランスなんていらない」というのは搾取する側の都合だ。

定年後に好きなことをしようと思っても、衰えてからでは結局なにもできなくなってしまうことが多い。アメリカのように若くても成果にみあう高給を手にいれられるならば、若い頃にがむしゃらに働いて早期退職、定年前に悠々自適生活、そのような生き方もあるだろう。日本ではそのような会社はないので、若いときにこそやりたいことを思う存分するべきだ。それが何かは人によりさまざまで、個人個人が考えることだ。それが人により仕事であったり、趣味であったり、子育てであったりする。

昇進して会社内でみとめられたいという人もあるだろう。→そのときは過剰残業が必要になるかもしれない。役職、昇進が生きがい。家庭や個人の趣味を生きがいにするのもその人の自由。→仕事の成果が出せなければ給料は少なくなるかもしれないが、お金だけが幸福ではない。働き方に多様性が必要。決して会社が強制すべきことではない。日本の男性にも7H労働が可能な会社があるべきであるし、女性に責任のある仕事をまかせる会社があっても良い。

過労死問題

マラソンの統計をみると個人の体力に大きなばらつきがあることが分かる。訓練を続けると成績は向上するが全ての人が同じぐらいの成績になることはない。生まれたときに決まる個性、小学校就業前での生活習慣で体力はほとんど決まってしまい、大人になってから訓練をしても向上する割合は限られる。みんながこのぐらいのペースで走っているのだからお前もがんばれと無責任な強要をしてしまうと死亡事故につながることがある。

過労死もこれと似ている。 「みんなが100H残業、会社のために奉仕しているのに、なぜお前は残業しないんだ!お前は怠け者だ! 」たしかに過剰残業させても元気な人はいる。反面、黒い顔で今にも死にそうな人もいる。

過労死なんてニュースの中だけの話でうちの会社には関係ないと思っている人は多いと思う。 しかし私の知っている会社で過労死が起こった。「まさかあの人が」と思う。みんな同じぐらい残業させているのに他の人は死ななかった。俺には責任ないといっても遺族には通じない。

たしかに本人の健康管理にも問題があったかもしれない。過労死が起こるのはいくつかの悪い条件が重なった時であるので管理職/経営者だけが悪いのではないかもしれない。しかし労働法のリミットを越えて残業させていたのでは「殺人の罪」をのがれることはできない。

経営者は管理職を教育/指導する義務がある。「現場の管理職がかってにやったことだ」という言い訳は通らない。だから業務命令で残業を強制してはならない。そして個人の体力にはばらつきがあり、家庭の事情もさまざまであるので1人1人の都合を聞き全ての人を同じにしようとしないこと。各労働者の労働時間を考え、職種や役割分担、ローテーションを考える(ワークシェアリング)。

みんなよりも早く帰ると「やる気のない人間だ」と言う評価を受けるのが怖くて帰れない人がいるであろう。もしも顔色の悪い労働者がいたならば業務命令で帰宅させるぐらいが良い。場合によっては転属、転職を勧めることもあるかもしれない。本人に合わない仕事を続けているのは本人にも会社にとっても不幸なことだからだ。プロの仕事で必要なのは残業時間ではなく成果だ。

過労死が起こると企業全体に「ブラック企業のレッテル」が貼られる。企業にとって大きな損失であるばかりでなく、周りの人間を不幸にする。事故があってから対策を考えても遅い。全ての企業で真剣に検討すべきであろう。

ブラック特区(雇用特区)

労働時間が週40時間以内という規制の緩和、「ホワイトカラー・エグゼンプション」は見送りになったそうだ。まず残業時間を増やせば儲かるという思想からいいかげん離れるべきだ。

労働法で決まっている労働時間とは、企業が従業員を拘束している時間のこと。 つまり、通勤時間や在宅勤務の時間は含まない。

IT関係の仕事ではほとんどパソコンがあれば仕事ができる(設備、工具、商品に触れる必要がない)。よって自宅からVPNで企業のサーバーに接続すれば仕事はできる。わざわざ会社に出社させているのは自宅で仕事をさせているとさぼるのではないかとか、長時間労働させるためにそうしている。在宅勤務で成果を評価するようにすれば労働時間は意識する必要がない(残業という概念がなくなる)、残業代を払いたくなければ積極的に在宅勤務を採用する会社が増えても言いと思う。

製造の仕事では、実際のモノに触れる必要があるので会社に出社する必要がある。製造はワークシェアリングをしやすい職種であるので、残業時間が長い会社というのは、初めからワークシェアリングの努力をしていない会社だ。

どうしても仕事の量には多い/少ないの波がある。よって短期派遣は、過剰残業を防ぐため必要である。きちんと期限ありでの仕事であるという説明をし、契約しているのであれば問題ない。 残業時間を増やし、派遣切りをしているので仕事がなくなって、失業率が悪化している。 問題なのは「残業時間を増やせば儲かる」という思想の方だ。

みんなが派遣より正社員が良いというのは、派遣の方が解雇のリスクがあり、年収が低いからだ。 十分な市場原理が働けば、派遣というのはリスクが高いのであるから、時給もそれなりに高くなるはずである。しかし日本では長く企業に縛られていた人がえらいという思想があり、かつ企業側の力が強いので正社員よりも派遣の方が年収が少ない(派遣の年収が良いというのは20代だけ)。 雇用保険を本人都合でも1ヶ月目から支給する、雇用保険の企業側負担率を多くするなどの検討は必要かもしれない。

労働条件については口頭での説明だけで良い項目と書類での明示が必要な項目がある。 退職金を払う、払わないなど文章での明示が義務化されていないためトラブルが後を絶たない。 雇用条件の明確化(書類での明記を義務化する)は、雇用特区をやる/やらないに関わらず、全ての企業で実行すべき。たしかに入社から退社まで数十年かかる場合があるので同じ条件を維持するのは難しい。5年毎に更新し、異議があればその都度交渉するのが現実的であろう。

いまだに年功序列が多いということは、企業側、従業員側いずれも縛り/縛られる関係を望んでいる(人材流動化を望まない)ということだろう。まず人々の考え方を変えなければならない。何か人材流動化にはメリットがあるということがわかるようにすることが必要。

人材流動化が進まないのは年功序列の影響がある。年功序列とは従業員と企業が縛り、縛られる関係になることを表す。それを改善し、年齢や勤続年数による格差を縮小しなければならない。だからベースアップではなく、係長以下の従業員、派遣、パートのみの給与アップにすべきであろう。

ルールは政治家と経営者だけで決めるのではなく弱い立場の人間からも意見を聞き、情報を逐次オープンにし検討すべき。秘密主義はダメ。

マスコミで取り上げられている企業をバッシングするだけでは問題は解決しない。 いじめ、パワハラを抑制する社会システムを作っていくことが重要であろう。

過労死が起こった企業については、殺人犯なのだから保護観察が必要。定期的にぬきうちで社内の調査する。書類提出だけではダメ。たとえば時々、労働基準監督局の職員と警察官がブラック企業を巡回する。そして深夜まで残業している従業員に1週間の残業時間を職務質問する。もし労働法のリミットを越えているのであればその場で管理職を補導する(もちろん上司がいない状態で部下だけ残業させていたならば罰則)。実際に過労死も出ているのだから労働基準監督局の仕事だからとかいっていないで部署の垣根を越えてが警察が協力する。ネズミ捕りよりもよっぽど社会に貢献する仕事だ。

こんな案でも良い。労働基準監督局が、短期派遣あるいはアルバイトで労働法監視員を募集する。 その人間に定時終了後にブラック企業内部を巡回させる。その時に警察官の制服を着せる(または監視員の腕章をつける)。それだけでも違法残業をさせている管理職、従業員に精神的なプレッシャーをかけることができる。さらに残業時間を職務質問し、労働法違反である場合は、名前と部署を記録しレッドカードを渡す。アルバイトでは逮捕まではできなくてもこのぐらいならできるであろう。これは単に労働法を守らせるだけでなく、50歳以上の失業者を優先して採用すれば雇用対策にもなる。一石二鳥だ。

指導にしたがわない経営者は1ヶ月ぐらい投獄(お金では釈放しない)、社長のいない時に新しい社長を従業員自身で選任させ、会社更生のためのルールを決めさせる。

⇒雇用特区

⇒ブラック企業対策へ離職率公表

また「ことなかれ主義」なことを言っている。強制力がないのであればほとんどの企業が表記しないであろう。企業はつごうの悪いことを隠したいわけだから。少なくとも離職率、平均残業時間、36協定のリミットの表記がなければハローワークでの求人を認めないようにすべき。虚偽の表記をしたならば1年間はハローワークでの求人を禁止。 全ての企業が、自社のwebで離職率、平均残業時間、36協定のリミットの公表を法律で義務化するぐらいが良い。派遣会社で仕事を紹介する際も情報開示を義務化。
行政はあまり頼りなりそうにない。 ブラック企業対策をやるやると言っておいて出てきた対応がこれでは失望だ。労働組合を作りストライキをする、あるいはデモ行進とかやらなければダメなのかもしれない。

アメリカの人に言わせると、従業員がなぜ経営者と交渉しないんだ。行政が介入する必要はないのでは?といわれる。 日本ではアメリカのように簡単に裁判ができないこと、労働組合が会社毎になってしまっていることが原因かもしれない。 日本の労働組合は36協定を作るため便宜上作っただけで、あまり活動をしていない。 どうしても経営者と労働組合の交渉担当が同じ会社だと、給料や昇進に影響があるのではないかと気にして強く言えない。 あるいは裏で昇進の代わりに問題をもみけすように依頼されたり、癒着が起こりやすい。 アメリカのようにユニオン・合同労組(複数の会社の従業員で構成される労働組合)が日本にも必要である。 JAとか見てわかるように全国規模の団体になれば行政に圧力をかけることができるほどになる。

⇒ブラック・バイト

最近はアルバイトにもブラックな働き方が広がってきている。

2013年11月4日月曜日

年功序列と成果主義、従業員満足度の話

日本は、長い間「変化のない国」「ニュースのないつまらない国」と海外のマスコミからは思われていた。しかし現在は改革なくしてはどうにもならない状態にある。 低価格品では新興国からの追い上げ、先端技術ではアメリカに負けて仕事がなくなってきているからだ。改革として給料体系の見直し、従業員満足度が重要であろう。

年功序列の崩壊

年功序列とは、給料の金額が年齢あるいは勤続年数により少しずつ上昇していくシステム。 つまり若い人の給料を本来の成果に対して少なめにし、高齢者の給料を成果に対して多くする。若いうちに強制的に意識されない年金(あるいは貯蓄)に加入させられ、退職前に給料を上積みする形で受け取るのと同様だ。従業員を会社に縛る働きがある(転職すると損をするようにしむける)。

強制的に貯蓄させることは法律で禁止されているが、表面上は貯蓄ではないので合法となる。 誰でも(結果を出せない人も)定年まで勤務すれば高給をもらえるという「夢」を与えることができる。

しかしこの夢はくずれた。その貯蓄は元金われを起こす可能性があったのだ。年功序列がうまくいかなくなった主な理由は少子化、高齢化にある。50年ぐらい前、年齢別のヒスグラムはピラミット形だった(図1左)。得をする人(成果よりも給料が多い;50代)の人数が少なく、損をする人(成果よりも給料が少ない;30~40代)が多いので50代では20代の3倍ぐらいの高額な給料を手にすることができた。


図1 日本の人口ヒストグラム

しかし現在、日本の人口をヒストグラムにすると下がすぼまった釣鐘形になる(図1右)。 サラリーマンのヒストグラムは新卒の採用をストップしてしまったいるので、さらに下がすぼまった不安定な形にになってしまっているかもしれない。得をする人が相対的に多くなってきているので、収支はバランスが壊れる。給料にあてる財源が不足するのだ(図2)。


図2 年齢別の給料

利権を持った人は、絶対自分の給料の削減はしたくないと考える。その不足分を何とか確保するために若年層の労働時間を長くしようという考えが発生する(あるいは外注/派遣の支払い金額を削減する)。

偉い人は「滅私奉公」というが、偉い人が実務を手伝ってくれるわけではない。若年層が少なくなり、中堅に仕事が集中し、それが心身症や自殺、過労死の増加になっている。パワハラ、ブラック企業などニュースとなる。

日本で一般的な折衷型

年功序列では資金が破綻することが分かっているので新しい給料体系が検討された。


図3 折衷型、成果主義の給料

成果主義が必要だというブームがあって今は部分的に成果主義を取り入れている会社が多い。ただ日本の企業が取り入れているのはアメリカのような成果主義ではなく、年功序列と成果主義の中間で「折衷型」とでもいうべき方式。

成果の出せた人は毎年少しずつ給料がアップするが、成果の出せなかった人は据え置くという方式。年齢や勤続年数を重ねても成果がなければ給料アップはしないという意味では成果主義、どんなに良い成果を出しても1年ぐらいではわずかしか給料は変わらない。本当の意味で給料に反映するのは20~30年後になるという点では年功序列に近い(図3)。

従来の年功序列では、全ての人が成果に関係なく年をとれば、高給を手にすることができた。 しかしこれでは資金繰りの点で破綻をする。折衷型では、年をとっても成果の出せない人は給料を低くおさえることにより収支のバランスを取ろうしている。

若いと成果より低い給料しかもらえないという意味では、あいかわらず従業員をお金で縛り(終身雇用前提)、人材流動化を妨げている。

今後も年功序列あるいは折衷型を続けるならば、年齢による給料の格差を圧縮していく必要がある。 新興国と競争しなければならないので給料を削減せざるをえない。 もともと給料の少ない人の給料を削減すると生活ができなくなるので特に上層部の給料を削減が必要。

成果主義

今後は日本もグローバル化が進み、早いスピードで改革が必要になる。 20~30年後に給料に反映されると言ってもそのころに会社があるかどうか分からないし、その頃には給料体系が変わっているかもしれない。

今までは年をとれば高給をもらえるというのを見てきたので、自分もその頃には同じぐらいの金額をもらえると思っていた。しかしそれは誰かが保障すると言ったわけではなく元金われの可能性があった。

給料削減と言うとどうしても損をしたくない、納得できないという感情が沸き起こる。 だからこそ、1年以内で成果が給料に反映される、「本来の意味での成果主義」が必要なのではないか? これからは早い社会情勢の変化に対応していかなければならない。生活の安定が重要だと思ったならば自分自身で貯蓄、あるいは保険に加入していくべきだ。

ただし成果主義は万能ではない。職種によっては適さない場合があるので適用するのであれば職種を選ぶ必要がある。成果の測定に主観が入りやすいというデメリットもある。 アメリカのような大きな格差をつける成果主義では能力の低い人が生活できなくなる可能性があり、そして給料が急に少なくなってしまうという不安感もある。 日本には少ない格差をつける成果主義が合うかもしれない。

大手企業がいい

新卒の学生が会社を選ぶ場合、「安定していて、福利厚生の良い企業がいい」というのは良く聞かれる。(つまり自分で働き方を選べないことがわかっており、受身になっている) 企業側の面接官にしたらやる気がある人が良い、「大手企業の方が安定していているから選びました」というと大抵おとされる。

大手企業も中小のベンチャー企業であった創業当時は、 大手企業の方が安定しているから良いといって入社する人はいなかったのが、いつの間にか会社にぶらさがるだけの人間が集まるようになってしまう。 会社が大きくなると安定性が重視され、リスクのある仕事は許可がおりないからだ。

初めはやる気のあった人も、実際に入社した後はその会社の社風に染まっていく。 やがて、問題になりそうなことは隠して、やる気がないのにだらだら会社にいのこり、見せかけのやる気をアピールし、上司の機嫌をとることに専念する。

このようなことが起こるのは仕事の成果を公平/公正に評価していないからだ。

ケイレツや派閥にひきこもっていられる時代は終わった。 グローバル化、自由競争の時代で10年先まで会社が存続するかは、 世界の変化に対して、1人1人が改革し、人材の最適化、業務の改善が必要である。 早い変化に対応するためには中央集権でいつも偉い人に許可をもらわなければ実行できない体質では生き残ることはできない。 現場での判断を拡大し、その代わりその命令を出した人がその結果に責任をもつ。→成果主義が必要。

成果主義とは、成果が1年以内で給料に反映し、男女差別や年齢による差別がないこと。どのような基準で成果を計算したかその方法が明確に定義され、それが労働者に開示されていること。

オランダの時給固定方式

逆の発想をし、福祉あるいは非商業主義的な発想を取り入れた「時給固定方式(職種主義)」を採用した国もある。

オランダでは、時給は職種により決まり、年齢には依存しない方式にした。 年をとったならば、さぼっても高給をもらえるというのは搾取を認めてしまうことになる。個人の能力には大きな差異があるが、時給を同じにするのが平等という考えだ。

成果もことなるのに時給を同じにしてしまうのが平等といえるのか? 一生懸命働いている人のやる気を奪うことにならないか? その点が疑問だ。また結果がだせないならば仕事が適合していない可能性があるのに、その職種/会社に居続ける(人材流動化を妨げる)という問題もある。

⇒オランダのワークシェアリング

今まで給料は必ず上昇するものだったのに給料削減というと感情的になってしまう方が多いのでしょう。だからなかなか給料体系の改革は行われなかった。しかしこの給料体系の改革は避けることはできない。

困ったことに日本の会社は、秘密主義でクレームが来そうなことは隠蔽される。会社の給料体系がどうなっているか聞かされていない従業員も多いと思う。利権を持った人だけで決めたい、改革したくないというのは問題だ。

従業員満足度が必要

今までは顧客満足度のみ重視されてきた。 それは顧客に良い印象をもってもらうことが次の仕事につながるから。

そして現場の人間には「滅私奉公」といって個人よりも会社/社会に奉仕せよといっていた。 しかし、それは過剰残業が当たり前、女性や高齢者を雇用しないことからわかるように、利権を持った人間が甘い汁を吸いたいだけ。カッコイイことを言ってできるだけ沢山搾取するのが目的だ。

今は、働く目的も人によってさまざまだ。滅私奉公なんていっても誰も相手にしない。 (ほんとうに社会に奉仕する意思があるなら残業を禁止し、弱い立場の人間を雇用しろ)

若者の離職率が高くなっている。 なぜ転職してしまうかというと、派遣の自由化が行われ、企業側が安易な派遣切りが行われている→終身雇用は終わった。上層部に自分の意見を言うと不利な扱いを受ける。どうせ改善されない、変わらないという思い→利権を持った人間は都合のいいことしか実行しない、やる気の喪失。利権を持たない人間は、結局、転職するしかない。

中堅以降は転職をすると損をするので思いとどまることが多いが、若い人はその懸念がないので転職をしやすいだけ。

最近は、特定派遣(いつわりの正社員)が多く、お客様(派遣先)の都合ばかり優先し、自社の社員には不利な扱いをする。これは現場の人間からみたら派遣元の経営者/管理職は派遣先の味方で自分の敵にみえる。搾取されるだけで、クレームの交渉をしてくれない、仕事の環境整備をしてくれない。これで派遣元に対して帰属性を持てというのはムリな話だ。

顧客満足度のみを追求すると、帰属性の低下、やる気の喪失につながる。やりすぎれば「ブラック企業」と呼ばれるであろう。従業員と経営者が信頼で結ばれるためには本音で話し双方が幸せになることを考えなければならない。 人材流動化の時代だからこそ、お金で従業員を縛るのではなく、信頼・きずなで結ばれる必要がある。会社組織は人でできている。搾取するだけのモノではない。

若い頃自分は会社のために身を粉にして働いた。今度は自分が甘い汁を吸う番だ。絶対に給料の削減はいやだ、若い連中にたくさん残業させてなんとかならないか? お金に目がくらみ、「みんなで幸福になること」を忘れている。

これからは、顧客満足度(Customer satisfaction)だけでなく、従業員満足度(Employee satisfaction)が必要。給料が削減がいやなら、改革を実行せよ。積極的に基礎開発、先端技術の開発、ベンチャー企業の育成、利益の出る職種に選択、集中とか。

良い会社ならば、優秀な人材がたくさん集まる。こんなに良い会社ならば恩返しをしたい、一生いっしょに仕事がしたいと思うことだろう。良い会社とはどんなか? 従業員1人1人望むことは異なる。その1人1人に対して本音で話し、会社を改革する。それを忘れているから「ブラック企業」「パワハラ」などがニュースをにぎわせているのだ。

⇒会社調査

⇒日本共産党・ブラック企業規制法案の提案

2013年10月14日月曜日

ひきこもり企業、ケイレツの崩壊

「ケイレツ(企業系列)」は改革やリスクを避けるために編み出した日本独自の社会システムである。アメリカなどからは「なぜ高性能で安価な部品があるのになぜ買ってくれないんだ」、「日本はフェアじゃない」と批難されてきた。そんな日本でも最近はグローバル化が進み、ケイレツという城塞は崩壊しつつある。ケイレツでは世界を相手に勝っていくことができないからだ。

改革が行われない

ケイレツとは、商品企画→設計・開発→製造→販売・営業、サポート の縦の結びつきが強い企業の集合体。資本関係(株による支配)、あるいはケイレツの外から部品を買っちゃダメ、仕事の依頼は必ずケイレツ内で行うというような約束をさせる企業関係さす。

固定化された縦のラインに引きこもることにより、同じ工程を行う企業との競争を避け(特に外資系企業の参入を阻む)、営業力の程度にかかわらず一定量の仕事を確保することができる。 日本人は本音で話し合うことが苦手なのでこっちの方が安いからといって急に取引先を変えると感情的になりやすい。取引先をできるだけ変えない方が安心できた。

日本製は信頼性、品質に優れているといわれていたが現在ではアジアでも日本製と同等の物が作れるようになった。ゆえに日本国内の工場を閉鎖しアジアで全面的に製造する企業は増加している。

簡単にはまねのできない高度な仕事、あるいは競争しなくても良いサービス業に移行する必要があるのに、世界に目を向けないで、「ケイレツにしがみついていれば仕事がある、何とかなる」と思っている経営者があまりに多い。それは大手企業(ホールディングス)が秘密の会議で検討している内容を中小企業は知らないから。ケイレツ全体が今、瀕死の状態であり利益の上がらない業務(たとえば製造)を切り離したがっている。

「価格が高くてもケイレツから買わなければならない、それが助け合いだ!」とは言っていたがそれにも限界がある。Xデーはある日突然やってくる。明日言い渡されるかもしれない。 とにかく改革が必要なのに危機感がない(というか改革にはリスクが伴う、これが嫌なのでケイレツの中に引きこもっているのもしれない)。

それなりの仕事量はもらえているのでケイレツがどのぐらい病んでいるか気が付かない。改革が行われない環境では残業時間を増やせばなんとかなるという思想になってしまう。それは派遣切り、過剰残業の原因の1つとなっている。

現場のことを理解しない指揮・命令

ケイレツでは多くの企業の集合体となるのでTOPから実務を行う企業までのパスが長く、現場のことがわからない人が命令を出すことになってしまう。書類上は請負契約となっていても大手企業が中小企業が採用する人材(人事)の決定権を持っていたり、他の企業の人材に対して直接指揮命令をしたりする。ずいぶん無礼な振る舞いであるが、仕事の依頼主がある特定の企業に依存してしまっていると、この無礼な振る舞いも容認せざるをえなくなる。

ビジネス責任を大手企業が負うのならばまだしも、失敗を隠し中小企業側の担当者の能力不足のせいにしてしまうこともある。無理難題、わがままを言うだけで責任をとらない、プロジェクト全体の成功を考えない。大手企業が「ビジネス・パートナー」ではなく、「お客様」になっている。

特に設計/開発の仕事では多くの知識が必要になるのだが、大手企業の人間は毎日丸なげをしているので10年経っても一人前になれない。技術的なことに対して正しい判断ができない、現場の状態を把握しないで命令を出してしまう。

間違った命令を出してその責任をとらない。そうすると現場のやる気(モチベーション)が下がるばかりでなく、プロジェクトを失敗させる原因にもなる。ケイレツ全体では資本力が大きいので少しばかりの失敗で転覆することはなくなるかもしれない。しかし「臭いものには蓋」ということを続けていると徐々にケイレツ全体の資本力は弱まりいつかは死にいたる。そしてケイレツの健康状態を把握しているのは上層部のごく一部の人間だけだ。

命令を出す人間と実行する人間が同じ部署にいないと相手のことを考えられないということもある。大手企業の人間が電話・メールで無理難題を押し付けて先に帰ってしまうということも同じ場所で仕事をしていないからだ。

同じ場所で仕事をしていれば部下が遅くまで残業しているのに上司が先には帰りづらいであろう。なぜならどの程度苦しんでいるか目の前で見れるし、あまり無茶な要求をすれば部下から反感をかいその場所にいづらくなるから。

従来は、社内で受託開発を行っていた企業は営業力が弱く、ケイレツに組み込まれたに等しい状態になっている。そのような派遣会社では、経営者がその意思で方針決定をできなくなっている。そう「コンビニの店長」と同じだ。

「丸なげ」が起こりやすく、仕事の発注元から実務を行う企業までパスが長くなると、間に入る企業数が多くなるので実務を行う企業が搾取されることになる。調べて間に入っている企業数におどろいた。

利益を生まない「伝言ゲーム」は無駄な工数を消費し、情報を伝達するのに時間がかかる。実務を行う企業にとって企業同士のフェーズ合わせに時間がとられ、短い時間で作業を行わなければならず、現場に負担がかける。IT関連の仕事では仕様変更がたびたびあるので伝言ゲームのパスが長いとそれだけ不利になる。

中小企業(実務を行う企業)の苦悩の原因となっている。

日本はどこへ行けばよいか?

経済優先の世の中ではどうしても「グローバル化」が必要になる。 ケイレツの中に引きこもっていないで積極的に世界に出て行く必要がある。それには独自の技術を持ち、大手企業を対等に交渉できるようになること。つまり「ベンチャー企業」をめざす。製造は今後不利になるので日本を設計/開発の拠点とするのが良いだろう。

あるいは、設計/製造をやめてしまって、営業/サポート/翻訳のみに集中するという方法もある。TPPが実行されれば中国などから安い商品が多量に流入するであろう。ケイレツには属さないで独自にアジアから良いものを探してそれを積極的に輸入販売するのはどうだろうか? その際に言葉の壁があるので日本人がマニュアル(ソウフトウェアのヘルプファイル)の翻訳を行い、営業/サポートする必要がある。

人の幸せはそれぞれで自分の価値観を周りの人間に矯正してはならない。お金さえ沢山あればしあわせと感じる人もあれば、個人や家庭の時間を大切にする人もいる。どちらが正しいと言うのではなく、人それぞれに生き方、考え方があると言うことだ。そしてお金がほしい人、時間がほしい人それぞれ労働者が選択できることが重要だ。日本人は周りと同じにしなければならないという気持ちが強く、国内の企業における働き方や賃金が同じになってしまっている。これからは海外に目を向けた「グローバル化」が必要であるし、どこの企業でもやっていない働き方を試してみるのも良い。

国内で安い労働力を探すのではなく、積極的に海外に アウトソーシングをするとか、積極的に最先端の技術に挑戦し、優秀な人材を高い給料でスカウトするということも積極的に行うべきであろう。後ろ向きなビジネスではなく積極的に打って出るビジネスが必要だ。そのためには「働き方に多様性を」、「多様性のある企業」が求められる。7Hの短時間労働、残業なしの労働を労働者個人個人で選択できることを法律で義務化するのはどうだろうか? 結果が出せた人に1ヶ月のバカンス(または追加の有給休暇)を与えるというのも面白い。

アメリカでは、結果が出せればそれに見合った給料や1ヶ月のバカンスがある。日本で、スキルアップを行うと余計たくさんの仕事がふってきて過剰残業を要求される。給料は、年功序列で決まっている。派遣では職種/性別により企業が決定する。まことに夢のない世界、まじめにスキルアップした人間が損をする世界だ。これではやる気は起こらない。

ビジネスで必要なのは、家庭や個人が犠牲になることではない。自己犠牲がりっぱだという考えがあるので犠牲になることが目的になってはいないだろうか? 目的を履き違えてはいけない。目的・成果とは何かもう一度考えてみよう。

2013年10月10日木曜日

復興特別法人税のゆくえ

最近は、 復興特別法人税撤廃、法人税の引き下げ、消費税の増税(8%)がなど話題になっているようだ。個人や家庭に対する負担を増やして企業に甘い政策になっているのはなぜだろうか?

法人税改革

法人税の減税を行うのであれば、その際に雇用対策や ブラック企業対策もかねるのはどうだろうか? 労働者が経営者に意見できない状況であるので行政が民間企業を評価するようにするのが良いだろう。ブラック企業は自分だけ儲けようとしているわけだから、その弱者から搾取した分を税金として徴収し、それを社会を良くするために使う。

たとえば行政が企業の評価を行い以下のように採点を行い、その結果に基づき法人税率を変える。

具体な評価基準 【提案】

100人以上の事業所について下記の項目を民間企業に報告、自社のwebで公開させる。 100人未満の事業所は原則として評価はしないで「評価C」とする。ただし労働者からのクレームの多い、または過去3年以内で労働基準法違反があった企業は人数に関わりなく評価を行う。何がブラック企業か? 定義が難しいので1年に1度評価項目やポイントのつけ方は再考する必要がある。

  • 労働基準法に違反していないこと。
  • 各職種ごとに男女の構成比率を統計し、極端に偏っていないこと (ただし合理的な理由がある場合は除外して良い)
  • 各部署ごとに50才以上/50才未満の構成比率を統計し、極端に偏っていないこと (ただし合理的な理由がある場合は除外して良い)
  • 雇用の際に年齢や性別で差別が行われていないこと。 (50才以上を積極的に雇用する措置は良い)
  • 1ヶ月あたりの平均残業時間が20H未満であること。
  • 7Hの短時間労働の枠を従業員の人数の5%以上設けていること。
  • 請負/派遣の人間に対して派遣先の管理職が残業を矯正していないこと。 (残業の命令を出すことのできるのは派遣元だけ)
  • 雇用契約時に書類で条件を明示し、本人の同意を得ていること。 (労働基準法では口頭だけで良い項目もあるが、全て書類で明記するのが望ましい)
  • 不当な解雇をしていないこと。 (雇用時に短期派遣(雇用期間を明記)であることを労働者に説明をして、納得をして契約しているのであれば問題ない。長期派遣と言いながら契約の途中で解雇したり、正社員(特定派遣)だと言いながら仕事がなくなったから解雇するとか、新卒を壊れるまで酷使し使いすてするとかはブラックである。※転職率だけで善悪を判断しないこと)
  • パワハラが行われていないこと(1) 暴力、人間性を否定する暴言や罵声、人間関係からの切り離し(無視、仲間はずれ)をしていないこと。
  • パワハラが行われていないこと(2) 過大な要求(絶対に不可能な日程表をおしつけるなど)、過小な要求(仕事をあたえない、その人の能力にそぐわない単純作業をやらせる)、個の侵略をしていないこと。

民間企業は掛け声だけでは動かない。評価A(優良企業)~E(ブラック企業)の5段階評価とし、この評価結果に基づき法人税率を変化させる。お金の損得に関係することには敏感であるからブラック企業対策にはこれが有効。企業の査定結果をインターネット上で公開するようにすれば、あまりあこぎな商売はしなくなるかもしれない。評価内容を吟味すれば、雇用に関する年齢や性別による差別、失業率の改善などみこまれるであろう。

社会に貢献している企業とブラック企業を同じ扱いにしてはならない。

最近の労働法改正は何かおかしい。 法律の改正の際に弱い立場の人(たとえば派遣やパート)から意見を聞いたのだろうか? お金持ちに都合の良い社会になっていくのはなぜだろうか? ほんとうに「袖の下」はもらっていないのだろうか?

日本は「事なかれ主義」で不平が出そうなことはやらないということもある。だから解決できるはずの問題点がいつまでも手付かずのまま改善されていない。行政がはっきりした態度で「ブラック企業の取り締まり」を行うべきだ。

⇒なくそう、職場のパワーハラスメント

⇒日本共産党・ブラック企業規制法案の提案

若いうちは働け!ワーク・ライフ・バランスなんていらない?

「若いうちはたくさん残業しろ」といっている人の中には、世の中お金が全てであり、労働時間を増やせば利益が上がると信じている人と、単に自分の若い頃と比較してひがんでいるだけの人がいるようだ。若いうちは先輩の分まで仕事をして、重役になったならばサボっても良いという因習がある。この因習を信じていた人は若い頃自分は沢山残業してがんばったのだから今度は楽をできると思っていたのにという感情的な反発だ。

まず前者(残業すればもうかる)だが、最近はアジア新興国との価格競争が激しく同じ仕事をしていると労働時間を増やしてもワーキング・プアになるばかりだ。社会人で時給800~900円の仕事をしている人がかなりいる。 ここで統計を見てみよう。日本人(東京)の平均年収は362万円ぐらい、中国人(北京)の平均年収は63万円ぐらい。5.7倍の給料差がある。 日本製は信頼性、品質に優れているといわれていたが現在ではアジアでも日本製と同等の物が作れるようになった。 世界と競争しているとは実感はなくても多量の安い商品が輸入されているわけだから、まともに競争すれば1/2とか1/5の価格で売らなければならない。労働者の時給もそれなりに下げなければならなくなる。

⇒月給サーチ(世界の給料、労働時間統計)

簡単にはまねのできない高度な仕事、あるいは競争しなくても良いサービス業に移行する必要がある。残業時間を増やすことは、少し問題を先送りすることはできても根本的な解決にはならない。世界に目を向けないで、ケイレツにしがみついていれば仕事がある、何とかなると思っている経営者はあまりに多い。改革が必要なのだ。

設計/開発を行う人間は新しい技術を進んで学習する必要がある。 毎日、遅くまで残業、社内では目先のことしかできない状況では、新しい技術の習得はできない。目先のことに追われて、スキルアップを怠っていると次の製品で他社に負けてしまう原因となる。基礎的な勉強をするために企業が残業代を支給するのは難しい。それに会社にいると雑用に追われて机上での学習は困難。だから残業を削減して自宅で学習する必要がある。そして結果がだせたならばその成果に対して会社は対価を払うようにする。 たくさん残業した人がえらいとか、タイムカードで人間を評価するというのはダメな管理法だ。

そもそもプロの仕事で重要なのはやりかたではなく結果だ。 ここまで仕事が終わらなければ帰っちゃだめというのは「まさに小学生の管理方法だ」。 (そもそも派遣の場合で残業の命令を出せるのは派遣元で派遣先にはその権利がない。労働法を知らない管理職があまりに多い!工数計算のできない管理職が実現不可能な日程表をゴリオシするとかレベルが低すぎるw) 本人の意思で残業しているならともかく、管理職の都合で残業時間を増やしても効率はあがらない。大企業病といってみんなやる気がないが上司より先に帰ると査定に響くからとか、同僚からひがまれるからという理由で会社の中でブラブラしているだけという光景を見かける。会社にいるから仕事をしていて、自宅にいるから仕事をしていないというのは設計/開発の仕事にはあてはまらない。

次に後者(ひがんでるだけ)だが、 現場の人間は、労働を提供して給料をもらう立場。経営者は労働の提供を受けて給料を支払う立場。隣の人と比較しても仕方のないこと。経営者は、仕事のしやすい環境を提供する義務がある。給料が少ないとか、残業が多すぎるとか、労働する環境が悪いのであればひがむのではなく経営者と折衝すべき。日本では労働組合がない、またはあっても力が弱いのでなかなか経営者に意見できない。結局、隣の人と比較してグチをいってるだけになってしまうことが多いようだ。

高度成長の頃は、なかよく仕事をしていたし、働くほど給料もよくなり生活は向上した。 そして終身雇用で社内で仕事をすることができた。今は、搾取するだけの経営者、いくら働いても給料はよくならない。エンジニアの仕事は特定派遣が多くなってしまった。そして正社員/派遣の差別待遇、いじめ。雇用は保証されない。年金も支払われるどうか疑問。同じ労働時間であっても「いやな疲れ方をする時代」になってしまった。

今の若者の方が良いとは必ずしもいえない。隣の芝生は青く見えるものだ。ひがむだけでは何も解決はしない。幸福は自分でつかみとるもの。自分から行動を起こし、選択してゆくことだ。今まで過剰残業が当たり前だったのは、終身雇用だから経営者に意見すると、会社にいずらくなる。だから不満があっても黙っていた人が多い。

プロの仕事は結果が全てで手段は合法的かつ周りの人に迷惑をかけなければどうでも良い。 実際に、出社時間自由、お昼ねも自由の企業がある。仕事の結果を評価し、労働者が目標をしっかり持っていればそれでも事業は成り立つ。大抵の会社は、年功序列で給料を決めているのでそうするとただだらける人が多くなってしまうので採用できないだけ。 なにも他の会社と同じにする必要はないのだから経営者と労働者で話し合いを行い多様な会社が存在して良いはず。

人生は1度きり、あなたには選択する自由がある。転職をしても良いし、自分たちで新しい会社を作っても良い、自営業になっても良い。あるいは労働組合をつくり折衝する。リスクを恐れて何もしなかったのではないだろうか? 家畜(社畜?)になっているのは実行しないからだ。

ブラック社長は、この不況で転職はできないだろうとたかをくくり、仕事をする環境の改善はせずに最後の1滴までしぼりとろうとする。ブラック企業に居続けることは、ブラック社長にエサを与えていることに等しい。なぜならばブラック社長とそのとりまきだけで事業はなりたたないのだから。

幸福になりたいと思ったならば実行しよう。

⇒ブラック企業対策に国が本気?

ブラック企業の判定基準やどのようなペナルティがあるのか国民に開示する必要があるであろう。取締りの途中経過なども逐次公開していく。 法律を遵守している会社(コンプライアス)なら何も怖くはないはず。経営者をしていながら労働法がわからないという言い訳は通らない。分からないならば社内で詳しい人間に聞く、あるいはコンサルタント業者に依頼する方法もある。