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2013年10月10日木曜日

復興特別法人税のゆくえ

最近は、 復興特別法人税撤廃、法人税の引き下げ、消費税の増税(8%)がなど話題になっているようだ。個人や家庭に対する負担を増やして企業に甘い政策になっているのはなぜだろうか?

法人税改革

法人税の減税を行うのであれば、その際に雇用対策や ブラック企業対策もかねるのはどうだろうか? 労働者が経営者に意見できない状況であるので行政が民間企業を評価するようにするのが良いだろう。ブラック企業は自分だけ儲けようとしているわけだから、その弱者から搾取した分を税金として徴収し、それを社会を良くするために使う。

たとえば行政が企業の評価を行い以下のように採点を行い、その結果に基づき法人税率を変える。

具体な評価基準 【提案】

100人以上の事業所について下記の項目を民間企業に報告、自社のwebで公開させる。 100人未満の事業所は原則として評価はしないで「評価C」とする。ただし労働者からのクレームの多い、または過去3年以内で労働基準法違反があった企業は人数に関わりなく評価を行う。何がブラック企業か? 定義が難しいので1年に1度評価項目やポイントのつけ方は再考する必要がある。

  • 労働基準法に違反していないこと。
  • 各職種ごとに男女の構成比率を統計し、極端に偏っていないこと (ただし合理的な理由がある場合は除外して良い)
  • 各部署ごとに50才以上/50才未満の構成比率を統計し、極端に偏っていないこと (ただし合理的な理由がある場合は除外して良い)
  • 雇用の際に年齢や性別で差別が行われていないこと。 (50才以上を積極的に雇用する措置は良い)
  • 1ヶ月あたりの平均残業時間が20H未満であること。
  • 7Hの短時間労働の枠を従業員の人数の5%以上設けていること。
  • 請負/派遣の人間に対して派遣先の管理職が残業を矯正していないこと。 (残業の命令を出すことのできるのは派遣元だけ)
  • 雇用契約時に書類で条件を明示し、本人の同意を得ていること。 (労働基準法では口頭だけで良い項目もあるが、全て書類で明記するのが望ましい)
  • 不当な解雇をしていないこと。 (雇用時に短期派遣(雇用期間を明記)であることを労働者に説明をして、納得をして契約しているのであれば問題ない。長期派遣と言いながら契約の途中で解雇したり、正社員(特定派遣)だと言いながら仕事がなくなったから解雇するとか、新卒を壊れるまで酷使し使いすてするとかはブラックである。※転職率だけで善悪を判断しないこと)
  • パワハラが行われていないこと(1) 暴力、人間性を否定する暴言や罵声、人間関係からの切り離し(無視、仲間はずれ)をしていないこと。
  • パワハラが行われていないこと(2) 過大な要求(絶対に不可能な日程表をおしつけるなど)、過小な要求(仕事をあたえない、その人の能力にそぐわない単純作業をやらせる)、個の侵略をしていないこと。

民間企業は掛け声だけでは動かない。評価A(優良企業)~E(ブラック企業)の5段階評価とし、この評価結果に基づき法人税率を変化させる。お金の損得に関係することには敏感であるからブラック企業対策にはこれが有効。企業の査定結果をインターネット上で公開するようにすれば、あまりあこぎな商売はしなくなるかもしれない。評価内容を吟味すれば、雇用に関する年齢や性別による差別、失業率の改善などみこまれるであろう。

社会に貢献している企業とブラック企業を同じ扱いにしてはならない。

最近の労働法改正は何かおかしい。 法律の改正の際に弱い立場の人(たとえば派遣やパート)から意見を聞いたのだろうか? お金持ちに都合の良い社会になっていくのはなぜだろうか? ほんとうに「袖の下」はもらっていないのだろうか?

日本は「事なかれ主義」で不平が出そうなことはやらないということもある。だから解決できるはずの問題点がいつまでも手付かずのまま改善されていない。行政がはっきりした態度で「ブラック企業の取り締まり」を行うべきだ。

⇒なくそう、職場のパワーハラスメント

⇒日本共産党・ブラック企業規制法案の提案

若いうちは働け!ワーク・ライフ・バランスなんていらない?

「若いうちはたくさん残業しろ」といっている人の中には、世の中お金が全てであり、労働時間を増やせば利益が上がると信じている人と、単に自分の若い頃と比較してひがんでいるだけの人がいるようだ。若いうちは先輩の分まで仕事をして、重役になったならばサボっても良いという因習がある。この因習を信じていた人は若い頃自分は沢山残業してがんばったのだから今度は楽をできると思っていたのにという感情的な反発だ。

まず前者(残業すればもうかる)だが、最近はアジア新興国との価格競争が激しく同じ仕事をしていると労働時間を増やしてもワーキング・プアになるばかりだ。社会人で時給800~900円の仕事をしている人がかなりいる。 ここで統計を見てみよう。日本人(東京)の平均年収は362万円ぐらい、中国人(北京)の平均年収は63万円ぐらい。5.7倍の給料差がある。 日本製は信頼性、品質に優れているといわれていたが現在ではアジアでも日本製と同等の物が作れるようになった。 世界と競争しているとは実感はなくても多量の安い商品が輸入されているわけだから、まともに競争すれば1/2とか1/5の価格で売らなければならない。労働者の時給もそれなりに下げなければならなくなる。

⇒月給サーチ(世界の給料、労働時間統計)

簡単にはまねのできない高度な仕事、あるいは競争しなくても良いサービス業に移行する必要がある。残業時間を増やすことは、少し問題を先送りすることはできても根本的な解決にはならない。世界に目を向けないで、ケイレツにしがみついていれば仕事がある、何とかなると思っている経営者はあまりに多い。改革が必要なのだ。

設計/開発を行う人間は新しい技術を進んで学習する必要がある。 毎日、遅くまで残業、社内では目先のことしかできない状況では、新しい技術の習得はできない。目先のことに追われて、スキルアップを怠っていると次の製品で他社に負けてしまう原因となる。基礎的な勉強をするために企業が残業代を支給するのは難しい。それに会社にいると雑用に追われて机上での学習は困難。だから残業を削減して自宅で学習する必要がある。そして結果がだせたならばその成果に対して会社は対価を払うようにする。 たくさん残業した人がえらいとか、タイムカードで人間を評価するというのはダメな管理法だ。

そもそもプロの仕事で重要なのはやりかたではなく結果だ。 ここまで仕事が終わらなければ帰っちゃだめというのは「まさに小学生の管理方法だ」。 (そもそも派遣の場合で残業の命令を出せるのは派遣元で派遣先にはその権利がない。労働法を知らない管理職があまりに多い!工数計算のできない管理職が実現不可能な日程表をゴリオシするとかレベルが低すぎるw) 本人の意思で残業しているならともかく、管理職の都合で残業時間を増やしても効率はあがらない。大企業病といってみんなやる気がないが上司より先に帰ると査定に響くからとか、同僚からひがまれるからという理由で会社の中でブラブラしているだけという光景を見かける。会社にいるから仕事をしていて、自宅にいるから仕事をしていないというのは設計/開発の仕事にはあてはまらない。

次に後者(ひがんでるだけ)だが、 現場の人間は、労働を提供して給料をもらう立場。経営者は労働の提供を受けて給料を支払う立場。隣の人と比較しても仕方のないこと。経営者は、仕事のしやすい環境を提供する義務がある。給料が少ないとか、残業が多すぎるとか、労働する環境が悪いのであればひがむのではなく経営者と折衝すべき。日本では労働組合がない、またはあっても力が弱いのでなかなか経営者に意見できない。結局、隣の人と比較してグチをいってるだけになってしまうことが多いようだ。

高度成長の頃は、なかよく仕事をしていたし、働くほど給料もよくなり生活は向上した。 そして終身雇用で社内で仕事をすることができた。今は、搾取するだけの経営者、いくら働いても給料はよくならない。エンジニアの仕事は特定派遣が多くなってしまった。そして正社員/派遣の差別待遇、いじめ。雇用は保証されない。年金も支払われるどうか疑問。同じ労働時間であっても「いやな疲れ方をする時代」になってしまった。

今の若者の方が良いとは必ずしもいえない。隣の芝生は青く見えるものだ。ひがむだけでは何も解決はしない。幸福は自分でつかみとるもの。自分から行動を起こし、選択してゆくことだ。今まで過剰残業が当たり前だったのは、終身雇用だから経営者に意見すると、会社にいずらくなる。だから不満があっても黙っていた人が多い。

プロの仕事は結果が全てで手段は合法的かつ周りの人に迷惑をかけなければどうでも良い。 実際に、出社時間自由、お昼ねも自由の企業がある。仕事の結果を評価し、労働者が目標をしっかり持っていればそれでも事業は成り立つ。大抵の会社は、年功序列で給料を決めているのでそうするとただだらける人が多くなってしまうので採用できないだけ。 なにも他の会社と同じにする必要はないのだから経営者と労働者で話し合いを行い多様な会社が存在して良いはず。

人生は1度きり、あなたには選択する自由がある。転職をしても良いし、自分たちで新しい会社を作っても良い、自営業になっても良い。あるいは労働組合をつくり折衝する。リスクを恐れて何もしなかったのではないだろうか? 家畜(社畜?)になっているのは実行しないからだ。

ブラック社長は、この不況で転職はできないだろうとたかをくくり、仕事をする環境の改善はせずに最後の1滴までしぼりとろうとする。ブラック企業に居続けることは、ブラック社長にエサを与えていることに等しい。なぜならばブラック社長とそのとりまきだけで事業はなりたたないのだから。

幸福になりたいと思ったならば実行しよう。

⇒ブラック企業対策に国が本気?

ブラック企業の判定基準やどのようなペナルティがあるのか国民に開示する必要があるであろう。取締りの途中経過なども逐次公開していく。 法律を遵守している会社(コンプライアス)なら何も怖くはないはず。経営者をしていながら労働法がわからないという言い訳は通らない。分からないならば社内で詳しい人間に聞く、あるいはコンサルタント業者に依頼する方法もある。

2012年12月27日木曜日

エンジニアの給料

日本に必要な改革は、ワークシェアリングと成果主義であろう。しかしうまく実現できている企業は少ない。これらを成功させるにはどのようにすれば良いであろうか?

日本とアメリカの給料体系

年功序列(現行の日本)のシステムでは派遣の給料は良くない。 日本では帰属性が重要とされ、長い期間、経営者にかしずいた人に多くお金が支払われるためと思われる。

アメリカでは、正社員だと社内規定などで給料が規定されてしまうので優秀な人材をスカウトしようとしたとき金額が問題になる。派遣ならば個別契約なので労働者に良い条件を提示することができる。 派遣は解雇されやすいとか、結果が出せなければ金額が少なくなってしまうというリスクがあるが、結果を出しさえすれば大幅に高い給料を得ることができるという夢がある。高い給料を出しても、それに見合う結果が出せるならば企業にメリットがあるという前向きな使い方だ。

ところが日本で、派遣はドカゲのしっぽ扱いされたり、正社員より給料が安い。それは帰属性が重要だという考え(派遣は正社員より劣った存在として扱われる)があるのと、派遣社員自身、ほんとうは正社員になりたいが正社員として雇ってくれる会社がないので仕方なく派遣をやっているという後ろ向きになってしまっているからかもしれない。そして結果を評価しないので初めに契約した金額から変化しないことが多い。

年功序列の問題点

年功序列では年齢で少しずつ給料を上げるようにすることで転職をしずらくする。つまりお金で人を縛っているわけだ。日本で年功序列が一般的なのは、給料が急激に変動したり、解雇されたりする不安を除きたいからというのもある。だからあえてお金で企業に縛られる選択をしている。成果を公平に評価するのは難しいのでこれをしなくても良いという意味と、給料が多いの少ないのという苦情が面倒だから(事なかれ主義)というのもある。

しかしお金で人を縛るにはかなりの多くのお金が必要だ。そして派遣が一般的になり、正社員の解雇もニュースになっている時代では、お金で人を縛っておくのが困難になりつつある。

年功序列は給料の金額が実情(その人の仕事が会社の利益に貢献した金額)に反映していない。まじめに働いて人間がバカをみる。夢がない。自分からスキルアップをしていこうとする気が起こらない。

結果を評価しないということは、適合していない職種であるのに本人が気が付かない。会社はそれだけムダに給料を払っていることになる。 経営者は金の生る木を持っているわけではなく、給料はその会社にいるみんなが稼いだお金を分配しているに過ぎない。会社トータルで利益がなければ、支払うことのできる金額も少なくなる。

職種を変えてもらう、あるいは転職した方が本人のためであり、会社のためであるのだがそれら機会が失われる。人間には個性があり、おとなになってから矯正しようと思っても難しい、だから適職というのは会社の競争力の点からも非常に重要だ。

みんなが同じ金額をもらえるのが平等だとする考えは、経済や技術の発展を鈍化させ、やる気うばう。このことは中国の状況をみればわかる。かつて中国は世界の先進国であり、日本も多くのことを学んだ。競争を否定してから経済や技術は急速に遅れていったが、近年、自由化すると急速に人々やる気を取り戻し、日本の産業に脅威をあたえるほどとなった。 このまま日本が改革を行わないのであれば近いうちに追い越されるであろう。

使用者と現場が同じ目線で話し合い、ルールを決める

日本企業が成果主義を実行しようとするとうまくいかないことが多い。それはなぜであろうか?

成果主義がうまく機能するためには、経営者、管理職を含めた全ての人間が平等に評価を受け、その成果に応じた給料をもらう必要がある。

日本では給料体系を決めるのは上の人間で自分たちは給料を削減したくないので、現場の人間だけ給料削減をするルールを作る。日本の成果主義では、労働者のやる気を出させるためではなく、単に人件費の削減を目的にしてしまっている。つまり、ワークシェアリングや成果主義が「搾取」あるいは「弱いものいじめ」の口実になってしまうことが問題だ。

もともと給料の少ない人間の給料をさらに削減するので生活ができなくなり、強い反発を生む。しかたなく元の年功序列に戻そうかという話になる。それが日本での成果主義がうまくいかない理由である。

会社が傾いてしまったのは今の今まで改革を行わなかった上の人間の責任が大きいはず。上の人間ほど削減率が大きくなるようなルールにすべき。 現在の経営状況を開示し、経営者層は何%削減、管理職層は何%削減、現場は何%削減と具体的な目標を設定し、それが全ての労働者に開示されること。改革を確実に行うため経営者は何を実行する、現場は何をするというような具体的な目標を決め、お互いにクロス・チェックを行う。

このルールは使用者側と現場の間で本音で話し合う必要がある。それには労働組合の力が使用者と対等に話せるぐらいである必要があるので労働組合がない場合は労働組合を作ること。どうしても条件が合わなければストライキをしても良い。日本では悪いイメージがあるが、ストライキは正当な労働者の権利である。納得がいかなければ思い切って転職するという選択肢もある。

ビジネスの環境は常に変化する。それに合わせルールを検討する。 半年、あるいは1年毎にポイントのルールは更新する必要があると思われる。

権限と責任、報酬は一体で与える

人事部/経営者などが中央集権的にポイントのルールを決めてしまうのには問題がある。各部署毎にその業務内容の特性、必要な工数などがある。特に設計/開発などの仕事では現場にいる人間であっても工数の計算は難しい。

たとえばポイントのルールを決めるのは各部署の部長と決めたとする。たしかに部長は現場の業務内容や作業工数を正しく把握できていないかもしれないし、個人的な主観で評価してしまうかもしれない。ただ部長自身の評価は、その部署全体の成果をもって決めるようになっていればよい。あまりに不公平な評価をすれば、部下の信頼を失い、その部署全体の売り上げは低下し、その部長は失脚するであろう。(ただし情報がオープンであること)

その部長のやりかたが気に入らなければ転属しても良い。(社内の人材流動化) 不評な部長は次第に一緒に仕事をしてくれる人間がいなくなり必然的に失脚する。 企業が利益を上げるためにはポジションの最適化が必要であろうし、部下の信頼を得るには誠意をもって話し合うということを身をもって体験してもらうことにも意義がある。

権限(雇用、解雇、金額)を与えたなら、その結果に対する責任、報酬(部長自身の給料、その部署の予算)は常に一体とする。

目先の金額だけでなく長期的な視野でポイントを決める

目先の利益だけを基準にポイントを決めると、ポイント低い仕事はみんなやりたがらなくなる。

たとえば電話サポートなどは直接の利益がでない。しかし「釣った魚にはエサをやらない的な仕事」をしていると顧客から反発を買い、次回からそのメーカーの製品を買ってもらえなくなる。場合によってはその件をwebにあるレビューに書かれてしまうかもしれない。直接数値化が難しい「顧客満足度」に対するポイントを考える必要がある。

たとえば雪の降った日に雪かきをするなどは直接会社の利益にはならない。しかし誰も雪かきをしないと近所の人々からは「あの会社の人は...」と言われてしまう。地域社会に貢献するとか、会社のイメージアップなどにもポイントが必要であろう。

自己申告で柔軟にポイントがもらえるようなシステムが良いであろう。

教育もポイントに含める

給料が沢山ほしいと思う人は、後輩が自分より多くもらうことを良しと思わない。それに教育とはコストがかかるものであるので自分のポイントを稼いだほうが良いと思うかもしれない。なので先輩が後輩に技術を教えないということが発生する。

新人教育などは具体的な教育目標などを設定し、実務と教育をはっきり分け、教育の工数(時間) が確実にとれるようにする。新技術などは社内勉強会で、情報の共有を行う。これらの講師となる人にポイントを与える。

各個人の自主的なOJTなどはやりにくくなるかもしれないが、基本的にプロの仕事は誰かに教えてもらうのではなく、自分で勉強する、あるいは先輩が作業しているのを見てまねるのが原則。手取り足取り教えてもらえるのは学生時代だけ。これからは自宅で勉強することも必要であろう。

自分で勉強しても分からなくて先輩に頭を下げて教えてもらう方法もある。ただ教えてもらえるか、もらえないかは相手による。

チームでのポイントを含める

個人の評価だけでポイントを決めてしまうと個人のポイント稼ぎに普請し、チームワークに問題が出るかもしれない。プロジェクトとしての評価も行い、プロジェクトの成果は、そのメンバーでの連帯責任とする。

部下を愛しているか?

成果主義では悪い評価をうけることがあり、それを部下が納得しないことがあるであろう。また会社のルールがあるのでしかたなく評価しただけでは、「否定された」という感情的な反発があるかもしれない。会社の競争力を高めるため、あるいは部下の能力を高めるために評価しているということが伝わる必要がある。

そうした時になぜ悪い評価になったのか説明することと、やり方が悪いのであればそのアドバイスが必要であろう。上司が目指している目標と部下が目指している目標がことなっていたのかもしれない。めざすものが正しく認識されているかの確認も必要だ。 上司は部下に対して親身になって相談にのり結果を出せるようにする。

納得がいかなければ他の部署、他の上司の元で働かせてみると納得させやすい。部下が努力してもどうしても結果を出せないのであれば職種があっていないかもしれない。「上司に問題があるのか」、「仕事があっていないのか」、「部下の能力不足か」本人が納得することが必要だ。

給料の相場

統計によると若い頃の給料は理系が高く、年をとるに従い文系の仕事の方が給料が高くなる。 そして一生にもらう給料は文系の方が高いと言われている。エンジニアは好きな仕事ができれば金額はあまり気にしない。そのため文系より給料が安くなってしまうのではないだろうか?

もっと声を上げても良いと思う。給料の相場を引き上げるには経営者にエンジニアの価値を認めてもらう必要がある。経営者と交渉する、積極的に転職することが必要であろう。とにかく経営者にしらしめることが重要なのだ。それは自分だけではなく、この業界にいるエンジニアにも影響を与える。

改革を実行せよ

金額が少なくなることに対して絶対的な反発を持つ人もいるであろう。年功序列では成果はなくても勤続年数が長ければ多額の給料をもらえる。それが「長いあいた会社のためにつくしてきたのにいきなり給料削減は理不尽だ」という感情的な反発である。

しかし給料が安くなるのは絶対いやだとダダをこねているだけでは前に進めない。選択、決断、改革を実行することが必要だ。

たとえば今後も給料は常に上昇するものと思って家を買った人がいるだろう。給料の削減でローンの支払い、生活費に困るかもしれない。その時は労働組合として先頭に立って経営者と交渉する。どうしても納得のいかない金額ならば、転職をしてもいい。

今後も土地の値段が低下すると思われるのであれば家を売却する必要があるかもしれない。土地の値段の推移を予測するのは困難であるが、負け(予測が外れた)が決まったのであれば早めに決済した方が損失は少なくてすむ。

せっかく買った家を売却しなければならないつらい気持ちはわかる。しかし家を買ったのは個人の判断であろう。であればその責任は家を買った人にある。きびしいようだが大人は自己責任だ。

ビジネスにはリスクはつき物であるはずなのだか、私たち日本人は奴隷になるかわりにリスクを経営者に背負ってもらう生き方をしていたので、自分からリスクのあることを実行できないでいる。これがグローバル社会で日本が負けている理由、日本経済が停滞している理由である。

お金よりも時間が重要な時代になってきた。「お金で人を縛る」のではなく、「優秀な人材が集まる会社」にする必要がある。それには会社の内側から見た価値を高める。今まではこの重要なリソースを会社が一方的に搾取することが容認されてきたが、これからは、労働者の幸福、個人の時間を大切にする必要がある。

それに必要な改革は、ワークシェアリングと成果主義であろう。正しいやり方であればワークシェアリングと成果主義は実現可能だ。そしてワークシェアリングや成果主義は企業の競争力を高め、労働者の幸福を体現するものでなければならない。

2012年11月13日火曜日

明日のエンジニアのために

日本人は、まわりの人を非常に気にする。「自分は普通の人間か? 同じになっているか?」 みんなと同じということは楽しく感じることもある。しかし周りに合わせなければならないということは、自由にならないことでもあり、ストレスの原因にもなる。 この個人主義、多様性と対極にある慣例/思想(護送船団方式)はビジネスの世界に大きな影響を与えている。

人間にしかできない仕事、それは創造

最近の設計は、1人の担当する部分は機器の内部でごく小さな部分に限られる。 すると仕事は機械的になり、仕事のおもしろみ・やりがいを感じにくくなってくる。

人は本来、「創造的な仕事をしたい、より良い仕事をしたい」という欲求がある。 しかしあまりに硬直した組織ではそれこそロボットのような働き方になってしまう。

人間の隣で人の形をしたロボットが活躍する時期が直ぐそこまで来ている。 その時、経営者はロボットを買ったほうが得か、人間を雇用したほうが得か比較をする。 人間がロボットの真似をしてもロボット以上の成果を出すのは難しいであろう。

だから人間は人間にしかできない仕事、つまり「創造的な仕事」に移行する必要がある。 やる気を引き出すためにも、1つの価値観を強制するのではなく、現場に判断を任せることが必要であろう。 人件費の安いアジア諸国と競争をしなければならないことを考えても、人間がロボット的な仕事の仕方をしているのは得策ではない。

製造から設計/開発中心に

製造ラインでは、まるで時計仕掛けのように働かなければならないことが多い。 日本人は、まわりの人を非常に気にする。「自分は普通の人間か? 同じになっているか?」 この文化が「チームワーク」「帰属性」に寄与し、日本は製造業で成功したのだと思う。

しかし時代が変わり、ロボットがやるような仕事は機械(あるいは本物のロボット)にとって変わられるし、人件費の安い国と競争するのに不利となる。機械化できない精緻な手作業的な仕事は将来にわたって残っていくと思われるが、そのような仕事の需要は少ない。

設計/開発を行うには長期にわたる人材の教育が必要であるため、簡単にはまねできない。 日本は、資源がない代わりに教育水準が高い。 なので製造中心の仕事から、設計/開発中心に変えてゆくのが良いだろう。

設計/開発は適材適所

設計/開発では、多くの知識が必要、個人の素養が重要である。 最近の電子機器は非常に多機能になっており、1つの機種全体を把握するのは困難になってきている。一人前のエンジニアになるには10年以上の年月がかかる。

全ての人が同じにならなければならないとすると、製品全体の広大な知識を1人1人が全て持たなければならなくなり、多くの時間やコストがかかる。教育のコストを削減し、できるだけ早く一人前として仕事ができるようにするには、異なる能力/知識の人間を組み合わせて、お互いに欠けている所を補うようにするのが良い。つまり「多様性が必要」

そして必然的に異なる知識を持つ人材を組み合わせて1つのプロジェクトを実行する必要があり、人材の組み合わせ方(適材適所)がプロジェクト成功のカギとなる。

現場の判断を優先する

製造部での働き方を設計部で強要していないだろうか? 経営者/管理職も技術的なことを理解したうえで判断したいということなのだろうが、何か判断をする毎に、細かいことまでいちいち会議をしていると、基礎知識の勉強会みたいになってしまい、判断が遅くなるばかりでなく、無駄な作業工数が発生する。

設計/開発においては、技術の進歩が早く、過去にエンジニアであった人も現場から離れて、数年経つと浦島太郎になってしまう。管理職が現場を通ったときに、たまたま耳にした情報で指示をしようとすると間違った指示をしてしまうかもしれない。また判断するには過去から現在にいたる話の流れを知っていないと正しい判断をできないということもある。

細かいことまでいちいち上司が規定するのは部下を信用していないというメッセージを発しているのと同じ。(部下を否定している) 自分で判断をして仕事が成功したというのは「認められた」→「やる気」に結びつく。

設計/開発においては技術的な判断はエンジニア(各パートのスペシャリスト)が行う。 そして技術的な最終判断はプロジェクトリーダーが行うべき。 経営者/管理職は政治的な判断を行う。

アサインの重要性

設計/開発では適材適所が重要となる。

人は自身の経験や知識でしか判断できないので自分と同じやり方をすれば成功すると考える。 上司と部下では経験や知識が異なり、その時の環境もことなるのでうまくいくとは限らない。 自分が以前成功したやり方だからというだけではなく、どうしてそうなるのか論理的な議論も必要だ。

上司は失敗することが心配でアドバイスをするのだが、やはり実際に経験しないと納得できないということがある。失敗すればその分コスト、時間を浪費してしまうが、教育という側面からは失敗を経験させることが必要だ。

ビジネスでは、責任が発生ある。 失敗するとやり直しのために大変な思いをするだけでなく、回りにも迷惑をかけてしまう。 このことを身をもって経験させるのは意義がある。(失敗した時のコストにもよるが...) 上司のやり方が正しかったと分かれば信用があがり、次回から従うようになるだろう。 納得していないのに無理強いするとお互いにストレスが発生し、最悪の場合、人間関係が破綻することさえある。人間はロボットとは違うので、感情に配慮することが必要だ。

ゆえにやり方を強制するのではなく、どの仕事に誰を割り当てるか(アサイン)を慎重に決めることが非常に重要だ。アサインは、個人の知識や経験に配慮して決めることが基本となるが、性格の不一致があるので上司と部下の組み合わせにも注意する。大人になって自身の気質を変えるのは不可能に近いからだ。

どんな能力があるか、何がやりたいか本人とコミュニケーションをとり、上の都合だけで決めてはいけない。

やる気を取り戻すには

皆さんの会社では生き生きと仕事をしている人が多いだろうか、それとも死んだ魚の目をした人が多いだろうか? 本当に「会社に感謝し、一生つくして行きたいと思っている人」はどれぐらいだろうか? 労働者の「やる気」を奪っているものはなんであろうか?

命令だけして、失敗したときに回りの責任にし、逃げてしまう人がいると「やる気」を失う。 部下は上司に仕事の結果を報告する義務があるが、上司は部下に仕事の結果を報告する義務はない(失敗を容易に隠蔽することができる)。

失敗の原因は、上司の判断ミスだけではなく、部下の実力不足もあるかもしれない。 しかし上司の命令に従って仕事をしたのに部下のせいにしてしまうと信用を失うことになる。

であるから「責任はその命令を出した人間がとる」。

役職が上に行けば行くほど権限が大きくなり、業務命令を出すことのできる範囲が大きくなる。 経営者になったなら会社全体のいかなることについても口を挟むことができる。 しかし会社内のことを全て判断できるわけでもないし、やはり責任をとりたくないということもあるであろう。 それに気になった所だけ口を挟んでいるとどの案件も中途半端になってしまい結局、現場に迷惑をかけることになる。

だから役割分担を明確にし、まかせる所は現場に任せる。 経営者は経営のプロ(会社全体の大局を見極める、政治的な決定)となり、管理職は管理のプロ(政治的な決定、労働者の評価、アサイン、金銭の管理)となり、エンジニアは技術的な判断を行う。 誰がどのような命令を出し、その結果がどうなったか見えるようにすること(会社の透明化)も必要であろう。

在宅勤務、2交代制の可能性

既存の価値観を捨て、大胆な改革があっても良い。たとえばITの技術が進んでいるので在宅勤務が可能な職種が多くあるはずだ。

コンピュータ関連の仕事はほぼパソコンだけあれば仕事ができる。日本人の平均通勤時間が1時間20分だとされるが、これが削減できれば交通費、時間などが節約できるはずだ。満員電車の中、1時間20分の体力消費もばかにならない。

技術が進んでも在宅勤務が普及しないのは、「労働者を監視していないとさぼるのではないか」とか、 「部署によって在宅勤務を許可したり/しなかったりすると不公平だといった声がでる(ことなかれ主義)」、従来タイムカードで給料を決めていたがその手法が使えなくなる、などの理由がある。

仕事の分割が悪く、コミュニケーションの量が増大し、口頭の手段のみを選択しているので常に顔をあわせていなければ仕事ができなくなっているということがあるかもしれない。

たしかに監視していないとさぼる人もでるだろうがそれは結果を評価し、結果に基づき給料が支払われれば良いし、自己管理のできない人は在宅勤務禁止にし出社してもらえば良い。 自己管理できる人とできない人を同じ条件にするのは「平等」ではない。これは苦情がでるのがいやだから逃げているだけの「ことなかれ主義」だ。結果を平等に評価し、それに応じた対応をする。 その方が事務所の面積が少なくて済むし、労働者も通勤の苦労をしなくて済む。

設計/開発ではとても残業が多い、早く新商品を発売することは企業にとって利益になるからだ。 この分野では情報の共有が難しく、2交代制が難しかった。ITの技術を用いて情報の共有ができるようになれば2交代制をしき、残業なしで業務を遂行できるようになるのではないだろうか? これは雇用対策としても有効なはず。

フレックスについてももっと多く普及しても良いはずだ。 フレックスが可能な職種であってもフレックスになっていないのは、「朝早く出勤させた方が沢山残業させることができるから」とかしょうもない理由だったりする。コアタイムを10時にするとみんな10時出勤になってしまうのはそれだけ無理な労働をさせていて、本当に楽しんで仕事をしていないということを指し示しており、結局、使用者と現場が本音で話せていないことの暗示でもある。

土日に出勤をし、平日に休みを選択できる会社、あるいは出社時間が極端に遅い会社があっても良い。 あまりにみんな同じなならなければならないという思いが強いのである時間帯に集中してしまう。せめてラッシュアワーの時間帯だけでも避けることができれば体力の消耗も少なくてすむし、電力消費のピークも低くてすむ。大震災の影響で電力消費のピーク低減は急務であるはず。

今こそ柔軟な発想が必要であろう。

まとめ

日本の会社には改革が必要ということを繰り返し言った。

やらなければならないことは、  「護送船団方式」「ことなかれ主義」を捨てる。 どの仕事に誰を割り当てるか(アサイン)を慎重に決めること、役割分担を明確にすること。 仕事のやり方を強制するのではなく、適材適所(社内での人材流動化、その会社に合わなければ転職)。 結果を評価する。丸投げをやめる。 政治的な決定と技術的な決定をはっきり分ける。 プロジェクトリーダがまとめ役としての役割を発揮すること。 プロジェクトリーダーは、年齢や勤続年数で決めるのではなく、有識者を指名する。 個人での判断を拡大し、その代わりにその責任は判断をした人間に負わせる。

「つらいのは今だけだ、しばらく辛抱すれば高度成長の時のような景気の良い時代になる」と言い 改革を行わない人は多い。インフレからデフレの時代に変わり、日本の人件費は高騰した。デフレの時代は長期化すると推測される。ビジネスの環境が変わったことを認め、改革が必要である。