2016年3月12日土曜日

保育園落ちた

ネットやニュースでだいぶ話題になっている表題の件、私なりに考えてみた。

保育園に入れなかった親のグチとそのジコチュウな発言に対しての反発。同じような境遇の親たちからの共感。共働き、シングル・マーザーなど仕事と育児の両立なんて無理。ワーキング・プアな人々の叫びが聞こえてきそうだ。

まず、行政だけにすべての責任を転化するのは問題であろう。会社は社長の私物ではない。一人ひとり提案をして、みんなで話し合いワーキング・プアから脱出するにはどうすれば良いか議論する。やるべき改革を実行する。民間企業が、建前では育児休暇の制度は用意しておきながら、実際には有給をとらせないことが多い。また労働者も有給を取ったなら昇進や給料に影響があると思い言い出せない。昔は、3世代家族が多かったので祖父母に子供を見てもらうことができたが、現在では嫁・姑問題をきらい、各家族化が進んだ。離婚が多く、再婚もいやがる。経済的に困窮したからといって母親は子供を離したがらず、行政が再婚を強制するわけにもいかない。

昔は、近所の大人が子供の面倒をみるということがあったが、現在では母親が神経質に なっており、他人が子供に触るのをいやがる。へたをすると子供に声をかけただけで変質者あつかいされかねない。 親戚づきあいが少なくなって子供をお互いに預けることができない。

また保育園に入れないと勉強が遅れる、スタートが遅れるといい学校に入り、いい会社に就職できない。人生負け組になってしまうというあせりがある。教育は平等であるべきなのに入れる人と入れない人がいるのは不公平だというねたみがある。しかし親や教師の都合で暗記させたことはすぐ忘れてしまうものだ。教科書の内容にこだわらず幅広いことに興味を持って自主的に学習することが大切だ。幅広い経験をさせてあげられるのは、両親、親戚、近所の人だ。

行政がやるべきは規制緩和だ。保育園を開設するにあたりわけのわからない規制をなんとかする。金額の自由化をする。保育士がたいへんな仕事をしているはずなのに待遇が悪いのは市場原理が働いていないから。

ネットで炎上してしまうのは、行政のやっていることが国民に伝わっていないから。せっかくあなたに投票をしたのに本当に社会に役立つ仕事をしてるのか? たしかにweb上で行政の方針が公表されているし、テレビでの知事の記者会見などもある。しかし文章の方はいかにも固く、読みにくい文章、長すぎる。テレビ放送も建前の話ばかりで長々と、どうしても飽きてしまう。 国民から投書を募集して、その質問を女性アナウンサーに読ませ、知事が答える形式が良い。1回、10〜15分ぐらいでテーマをしぼって週に1〜2回の放送ぐらいがよい。そのようなことを実行することにより政治に興味を持つ人が増えるであろう。

統計を調べてみると都道府県により待機児童数には大きな差がある。保育士の給料も都道府県により大きな格差がある。園長先生は、保育士に比べて極端に多額な給料をもらっている。認可保育園、非認可保育園、私立幼稚園に対する行政の補助が大きく異なる。これらの格差は問題になっている。

保育園を増やすにはまず保育士の労働環境を改善する

保育園が少ないのは、保育士の仕事が低賃金で過剰労働だからであろう。保育園が足りないという人が多いが、それなら自分から保育士になって社会に貢献しようという人が、どれだけいるだろうか? 金額の自由化をはかり、成果にみあう賃金がはらわれるようにすること。それからワークシェアリングを行い8H以内に必ず仕事が終わるようにする。早番と遅番に分けて労働の多様化を実現する。

保護者、保育士、保育園の経営者が本音で話せるようにする。会議はやっているという人が多いが、どうにもならない後は惰性で仕事するだけという結論になってはいないだろうか? グチをいうだけではなくどのようにすれば良いか解決案を提示し、論理的に議論することが必要だ。各家庭ごとに事情は違う、多様性をみとめできることをやる。たいへんなのはみんないっしょ、助け合いをするということ。

保育士の試験がむずかしくなってしまっているのは事故があったなら絶対ダメというのがあるかもしれない。 たしかに死亡事故を起こさないための最低限の訓練はする必要はある。かといって極端に敷居が高くてはなり手がいない。ベビーシッターの国家試験を設けて、1週間ぐらいの研修で免許が取れるようにする。ベビーシッターは企業の託児室で働ける。あるいは保育園で保育士の補助として働く(民間が作った資格制度はあるが時間がかかりすぎる)。

行政から補助金をもらっているわけだから、50才以上の人間や身体障害者も積極的に雇用すべきた。働きたくても仕事にありつけない人のために役立てられたらよいであろう。

保育士の給料が安いのは、ワーキングプアが広がっていて、低所得者が保育所に子供を預けたがっているから。専業主婦の減少、共働きが増えて、保育園の利用者が急増している。利用者が十分な金額を払えれば、保育士の給料は上がり、保育士は増えるはず。年収200万円以下の低所得者数はうなぎ登りであることは統計をみても明白だ。お金がないから共働きなので教育にお金は使えない。景気が回復したとマスコミでは宣伝するが、デフレ・スパイラルは続いており、低所得者も増え続けている。私はいつも言っているのだが利益率の低い仕事を惰性でしていてはいけない。利益率の高い仕事にシフトするように経営者と交渉する。

保育士の給料の一部を税金で補填すればという案は推奨できない。今でも国の借金が膨らんでいるのにこれ以上増やすことは、今の大人がやるべきことは怠けているため、次の世代を担う子供に借金を背負わせることになる。子供たちは経済活動がどうなっているかさえわかっていないのに大人の都合で負債を負わせるべきではない。経営者は、従業員に低賃金で長時間労働させれば何とかなるといい、従業員がどれだけつらい思いをしているか考えもしない。年収200万円以下の労働者は今すぐ団結し、経営者と何をどう改革すべきか交渉すべきた。 日本全体が負け組になっている、こんなことじゃTPPが実行された時、改革していない企業は倒産してゆくであろう。保育士不足の根源はワーキングプアにあることを自覚せよ。

ベースアップは必要ない。企業の収益が回復しても経営者が自分のポケットに入れてしまい、従業員の給料に反映されないことをなんとかする。改革を行わない企業に対して改革を行わなければ立ち行かない状況を作ることが必要。地域別最低賃金(行政が決めた基準)を現状に対して+10%とする。保育士不足が解消されるまで緊急措置として、保育士の地域別最低賃金を現状の+20%とする。

民間企業内に託児室を作る

法律で100人以上の事業所に対して託児室の設置を義務化するのはどうだろうか? そこの会社に務める従業員(パートを含む)は無料で利用できる。近隣の住民は有料で1日単位で預けることができる。そうすれば出勤、退社時に子供の送り迎えに苦労しなくて済むし、急病の時にすぐそばにいるので安心できる。小学校就学前にはペーパーテストで良い点数を取るような教育は必要ない。友達と仲良く遊べるとか大人のいう事をきく、とか社会性の発達が重要だ。別に保育園や幼稚園でなくても良い。

子供に愛情を注ぐことができるのは、親や親戚、あるいは近所のおじさん・おばさん。お金を払って預かってもらうというのはお客様になってしまう。子供が悪いことをした時にしかってもらうのは必要なこと。お客様になってはならない。

民間企業内、従業員どうしで預け・預かるコミュニティーをネット上に作るのも良いだろう。従業員数の多い会社であればITの技術を利用し簡単に実現できるように思う。問題は事故が起こらないないように注意し、場合によっては保険に加入する必要があるかもしれない。

経営者と交渉する際は1人ではなく同じような境遇の人と連携すること。育児休暇を取らせないのは悪い会社だという文化をつくる。ハローワークのデーターベースで企業の口コミを入れて求職者が見れるようにする。経営者や人事担当はウソの申告をすることがあるので、ハローワーク経由で就職した人から直接、残業時間や育児休暇がとれたかを聞き取り調査をし、その情報を開示する。

町内会のNPO法人化

町内会の存在意義が問われる今日、町内会が率先して託児所を運営するのはどうだろうか? 町内会の集会場などは役員会や催しものをする時だけ使われ、使われない時間の方が多い。使用しない日限定、1日単位、低料金で子供を預かるというのはどうだろうか? そうすれば町内会の費用もそこでくめんできて、子供をもった親も助かる。

町内会というのは、行政機関の下請けになってしまい、加入が強制になってしまっている。町内会はNPO法人化し行政や民間企業のやりたがらないことをやる。会費は利用者が負担し、社会のためになることに対してはその費用の何割かは国が負担する。

神主がいなくなった神社や住む人がいなくなった民家などは管理がいき届かなくなり、街の景観をそこなう。ひどい場合には、家屋倒壊の危険や放火の対象になりやすいということもある。土地の価格が低下してしまい売るに売れない、他人に貸すにもリフォーム費用がないので荒れるままになってしまっている。地方ではこのようなことがよくあるので、これらをリフォームして託児所として有効利用する。街の景観も改善され、子供を持った親も助かるではないだろうか? 土地や家屋のオーナーから不動産屋(または工務店)に管理委託する。リフォームの費用は不動産屋が負担し、託児所の運営利益から不動産屋に少しづつ返済をする。運営は町内会またはNPO法人がする。今は利子がほぼゼロなのでそのような事業がやりやすいはずだ。銀行は零細企業に貸し出しはしないので大手企業がこのような社会のためになることに積極的に実行する。