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2013年11月11日月曜日

ブラック企業問題

ブラック企業とは、従業員に非現実的なノルマや過剰残業を課す、いじめや嫌がらせ、残業代の未払いなどを頻繁に行う、あるいは労働基準法を守らない企業。経営者など一部の人間が暴利をむさぼり、従業員を粗末に扱う会社と言い換えてもいい。 最近、なにかとニュースになっているブラック企業問題について考えたい。

残業時間が多くてもブラックではないこともある

残業時間だけでブラックかどうかの判断はできない(もちろん労働法上でのリミットは守る必要がある)。仕事が生きがいで自身の意思で残業している、あるいは経営者のごきげんをとるために残業している人もいるからだ。

たとえば偉い人は、仕事の成果を見ないで残業時間だけで人間の評価をしてしまうことが多い。それは成果を公平に評価するにはとても高いスキルが必要なのだが、日本では年功序列がはびこっているので、そのスキルを持つ管理職/経営者は少ない。 若いうちは成果のわりに少ない給料しかもらえない、つまり経営者はたくさん残業させた方が得だと感じる。「残業時間が多い人はやる気がある。残業をしない人はやる気がない」という言い方をしてしまうのもそれが原因。いってみれば、残業時間を増やすというのは偉い人に高額のお歳暮を贈り、ごきげんをとる行為に等しい。

偉い人の主観で評価、昇進が決まってしまうのだから会社内でよいポストを手に入れたければ「たくさん残業する」という考え方をする人もいる。若い時に「たくさん残業」して良いポストを手に入れようと本人が思っているのであれば、それはその人の生き方だ。

ただし管理職の都合で残業を強制するのは搾取であり、ブラックだ。

私はごきげんとりのため残業する生き方をお勧めしているわけではない。 それは昇進が約束されているわけではなく、偉い人の主観で決まるわけだから、こきげんをそこねれば、左遷ということもありえる。激動の時代では会社がなくなってしまうかもしれないし、突然給料体系が変わるかもしれない。経営者は自分の身が一番大切であるから会社が傾いた時にはたして給料を保証してもらえるか分からない。 やはり労働者自身がスキルアップし、企業は成果に基づき給料を払うというのが健全な状態であろう。

「たくさん残業」するのは新人が成長するために必要だとする説もある。まずたくさん残業すればその人がその分向上するのかというのが疑問だ。過剰残業に頼らなければ業務ができないという体質にこそ問題。

たしかにより良き仕事をするには学習し個人が向上していく必要がある。 ここで注意してほしいのは、会社内でないとできない訓練と教科書とノートで行う学習があるということ。たとえば管理職としてのスキルは「人と人との間の潤滑油としての働き」が重要であるので会社でないと困難。IT関連の仕事(エンジニア)では常に最新技術の習得が必要とされるので書籍などで学習することが多く、自宅での学習が必要(会社では雑用におわれて学習できない、会社で学習していると業務上で必要なことでも上司に嫌な顔をされることがある)。

そして仕事のよろこびの1つには「できなかったことが、できるようになる」ことがある。学習のための時間が必要であろう。商業主義がきびしくなると学習のために会社が残業代を出すのは難しくなるから、残業を削減し、自宅で学習するスタイルが多くなるであろう。

ちなみに残業時間の制限があるのは弱い立場の人間が搾取されるのを防ぐため。 労働時間の制限があるのは係長以下の人だけ。経営者、自営業者、課長以上の管理職は自分で残業時間を決めることができるのでいくらでも残業してよい。

仕事のやり方に自由度がある会社ならば、長時間労働でもあまりストレスは感じない。 仕事のやり方をいちいち細かく規定されてしまう会社ならば、残業なしでもストレスは発生する。 たとえば業務に必要なことを学習しようとすると止められる。それは目先の利益優先だから学習は敬遠し、労働者の技術向上がなされない。いつまでも効率の悪い方法でしか働けない。 効率がわるいので長時間労働が必要、労働者はいつまでもスキルアップできないというストレスがある。

労働者の意思で積極的に学習し、そのために労働時間が長くなっているのであればブラックではない。学習時間を与えないで、目先の利益のために、企業の都合で長時間労働させているのはブラックだ。

若いうちこそ好きなことをしよう

「若いうちは働け!ワーク・ライフ・バランスなんていらない」というのは搾取する側の都合だ。

定年後に好きなことをしようと思っても、衰えてからでは結局なにもできなくなってしまうことが多い。アメリカのように若くても成果にみあう高給を手にいれられるならば、若い頃にがむしゃらに働いて早期退職、定年前に悠々自適生活、そのような生き方もあるだろう。日本ではそのような会社はないので、若いときにこそやりたいことを思う存分するべきだ。それが何かは人によりさまざまで、個人個人が考えることだ。それが人により仕事であったり、趣味であったり、子育てであったりする。

昇進して会社内でみとめられたいという人もあるだろう。→そのときは過剰残業が必要になるかもしれない。役職、昇進が生きがい。家庭や個人の趣味を生きがいにするのもその人の自由。→仕事の成果が出せなければ給料は少なくなるかもしれないが、お金だけが幸福ではない。働き方に多様性が必要。決して会社が強制すべきことではない。日本の男性にも7H労働が可能な会社があるべきであるし、女性に責任のある仕事をまかせる会社があっても良い。

過労死問題

マラソンの統計をみると個人の体力に大きなばらつきがあることが分かる。訓練を続けると成績は向上するが全ての人が同じぐらいの成績になることはない。生まれたときに決まる個性、小学校就業前での生活習慣で体力はほとんど決まってしまい、大人になってから訓練をしても向上する割合は限られる。みんながこのぐらいのペースで走っているのだからお前もがんばれと無責任な強要をしてしまうと死亡事故につながることがある。

過労死もこれと似ている。 「みんなが100H残業、会社のために奉仕しているのに、なぜお前は残業しないんだ!お前は怠け者だ! 」たしかに過剰残業させても元気な人はいる。反面、黒い顔で今にも死にそうな人もいる。

過労死なんてニュースの中だけの話でうちの会社には関係ないと思っている人は多いと思う。 しかし私の知っている会社で過労死が起こった。「まさかあの人が」と思う。みんな同じぐらい残業させているのに他の人は死ななかった。俺には責任ないといっても遺族には通じない。

たしかに本人の健康管理にも問題があったかもしれない。過労死が起こるのはいくつかの悪い条件が重なった時であるので管理職/経営者だけが悪いのではないかもしれない。しかし労働法のリミットを越えて残業させていたのでは「殺人の罪」をのがれることはできない。

経営者は管理職を教育/指導する義務がある。「現場の管理職がかってにやったことだ」という言い訳は通らない。だから業務命令で残業を強制してはならない。そして個人の体力にはばらつきがあり、家庭の事情もさまざまであるので1人1人の都合を聞き全ての人を同じにしようとしないこと。各労働者の労働時間を考え、職種や役割分担、ローテーションを考える(ワークシェアリング)。

みんなよりも早く帰ると「やる気のない人間だ」と言う評価を受けるのが怖くて帰れない人がいるであろう。もしも顔色の悪い労働者がいたならば業務命令で帰宅させるぐらいが良い。場合によっては転属、転職を勧めることもあるかもしれない。本人に合わない仕事を続けているのは本人にも会社にとっても不幸なことだからだ。プロの仕事で必要なのは残業時間ではなく成果だ。

過労死が起こると企業全体に「ブラック企業のレッテル」が貼られる。企業にとって大きな損失であるばかりでなく、周りの人間を不幸にする。事故があってから対策を考えても遅い。全ての企業で真剣に検討すべきであろう。

ブラック特区(雇用特区)

労働時間が週40時間以内という規制の緩和、「ホワイトカラー・エグゼンプション」は見送りになったそうだ。まず残業時間を増やせば儲かるという思想からいいかげん離れるべきだ。

労働法で決まっている労働時間とは、企業が従業員を拘束している時間のこと。 つまり、通勤時間や在宅勤務の時間は含まない。

IT関係の仕事ではほとんどパソコンがあれば仕事ができる(設備、工具、商品に触れる必要がない)。よって自宅からVPNで企業のサーバーに接続すれば仕事はできる。わざわざ会社に出社させているのは自宅で仕事をさせているとさぼるのではないかとか、長時間労働させるためにそうしている。在宅勤務で成果を評価するようにすれば労働時間は意識する必要がない(残業という概念がなくなる)、残業代を払いたくなければ積極的に在宅勤務を採用する会社が増えても言いと思う。

製造の仕事では、実際のモノに触れる必要があるので会社に出社する必要がある。製造はワークシェアリングをしやすい職種であるので、残業時間が長い会社というのは、初めからワークシェアリングの努力をしていない会社だ。

どうしても仕事の量には多い/少ないの波がある。よって短期派遣は、過剰残業を防ぐため必要である。きちんと期限ありでの仕事であるという説明をし、契約しているのであれば問題ない。 残業時間を増やし、派遣切りをしているので仕事がなくなって、失業率が悪化している。 問題なのは「残業時間を増やせば儲かる」という思想の方だ。

みんなが派遣より正社員が良いというのは、派遣の方が解雇のリスクがあり、年収が低いからだ。 十分な市場原理が働けば、派遣というのはリスクが高いのであるから、時給もそれなりに高くなるはずである。しかし日本では長く企業に縛られていた人がえらいという思想があり、かつ企業側の力が強いので正社員よりも派遣の方が年収が少ない(派遣の年収が良いというのは20代だけ)。 雇用保険を本人都合でも1ヶ月目から支給する、雇用保険の企業側負担率を多くするなどの検討は必要かもしれない。

労働条件については口頭での説明だけで良い項目と書類での明示が必要な項目がある。 退職金を払う、払わないなど文章での明示が義務化されていないためトラブルが後を絶たない。 雇用条件の明確化(書類での明記を義務化する)は、雇用特区をやる/やらないに関わらず、全ての企業で実行すべき。たしかに入社から退社まで数十年かかる場合があるので同じ条件を維持するのは難しい。5年毎に更新し、異議があればその都度交渉するのが現実的であろう。

いまだに年功序列が多いということは、企業側、従業員側いずれも縛り/縛られる関係を望んでいる(人材流動化を望まない)ということだろう。まず人々の考え方を変えなければならない。何か人材流動化にはメリットがあるということがわかるようにすることが必要。

人材流動化が進まないのは年功序列の影響がある。年功序列とは従業員と企業が縛り、縛られる関係になることを表す。それを改善し、年齢や勤続年数による格差を縮小しなければならない。だからベースアップではなく、係長以下の従業員、派遣、パートのみの給与アップにすべきであろう。

ルールは政治家と経営者だけで決めるのではなく弱い立場の人間からも意見を聞き、情報を逐次オープンにし検討すべき。秘密主義はダメ。

マスコミで取り上げられている企業をバッシングするだけでは問題は解決しない。 いじめ、パワハラを抑制する社会システムを作っていくことが重要であろう。

過労死が起こった企業については、殺人犯なのだから保護観察が必要。定期的にぬきうちで社内の調査する。書類提出だけではダメ。たとえば時々、労働基準監督局の職員と警察官がブラック企業を巡回する。そして深夜まで残業している従業員に1週間の残業時間を職務質問する。もし労働法のリミットを越えているのであればその場で管理職を補導する(もちろん上司がいない状態で部下だけ残業させていたならば罰則)。実際に過労死も出ているのだから労働基準監督局の仕事だからとかいっていないで部署の垣根を越えてが警察が協力する。ネズミ捕りよりもよっぽど社会に貢献する仕事だ。

こんな案でも良い。労働基準監督局が、短期派遣あるいはアルバイトで労働法監視員を募集する。 その人間に定時終了後にブラック企業内部を巡回させる。その時に警察官の制服を着せる(または監視員の腕章をつける)。それだけでも違法残業をさせている管理職、従業員に精神的なプレッシャーをかけることができる。さらに残業時間を職務質問し、労働法違反である場合は、名前と部署を記録しレッドカードを渡す。アルバイトでは逮捕まではできなくてもこのぐらいならできるであろう。これは単に労働法を守らせるだけでなく、50歳以上の失業者を優先して採用すれば雇用対策にもなる。一石二鳥だ。

指導にしたがわない経営者は1ヶ月ぐらい投獄(お金では釈放しない)、社長のいない時に新しい社長を従業員自身で選任させ、会社更生のためのルールを決めさせる。

⇒雇用特区

⇒ブラック企業対策へ離職率公表

また「ことなかれ主義」なことを言っている。強制力がないのであればほとんどの企業が表記しないであろう。企業はつごうの悪いことを隠したいわけだから。少なくとも離職率、平均残業時間、36協定のリミットの表記がなければハローワークでの求人を認めないようにすべき。虚偽の表記をしたならば1年間はハローワークでの求人を禁止。 全ての企業が、自社のwebで離職率、平均残業時間、36協定のリミットの公表を法律で義務化するぐらいが良い。派遣会社で仕事を紹介する際も情報開示を義務化。
行政はあまり頼りなりそうにない。 ブラック企業対策をやるやると言っておいて出てきた対応がこれでは失望だ。労働組合を作りストライキをする、あるいはデモ行進とかやらなければダメなのかもしれない。

アメリカの人に言わせると、従業員がなぜ経営者と交渉しないんだ。行政が介入する必要はないのでは?といわれる。 日本ではアメリカのように簡単に裁判ができないこと、労働組合が会社毎になってしまっていることが原因かもしれない。 日本の労働組合は36協定を作るため便宜上作っただけで、あまり活動をしていない。 どうしても経営者と労働組合の交渉担当が同じ会社だと、給料や昇進に影響があるのではないかと気にして強く言えない。 あるいは裏で昇進の代わりに問題をもみけすように依頼されたり、癒着が起こりやすい。 アメリカのようにユニオン・合同労組(複数の会社の従業員で構成される労働組合)が日本にも必要である。 JAとか見てわかるように全国規模の団体になれば行政に圧力をかけることができるほどになる。

⇒ブラック・バイト

最近はアルバイトにもブラックな働き方が広がってきている。

2013年10月14日月曜日

ひきこもり企業、ケイレツの崩壊

「ケイレツ(企業系列)」は改革やリスクを避けるために編み出した日本独自の社会システムである。アメリカなどからは「なぜ高性能で安価な部品があるのになぜ買ってくれないんだ」、「日本はフェアじゃない」と批難されてきた。そんな日本でも最近はグローバル化が進み、ケイレツという城塞は崩壊しつつある。ケイレツでは世界を相手に勝っていくことができないからだ。

改革が行われない

ケイレツとは、商品企画→設計・開発→製造→販売・営業、サポート の縦の結びつきが強い企業の集合体。資本関係(株による支配)、あるいはケイレツの外から部品を買っちゃダメ、仕事の依頼は必ずケイレツ内で行うというような約束をさせる企業関係さす。

固定化された縦のラインに引きこもることにより、同じ工程を行う企業との競争を避け(特に外資系企業の参入を阻む)、営業力の程度にかかわらず一定量の仕事を確保することができる。 日本人は本音で話し合うことが苦手なのでこっちの方が安いからといって急に取引先を変えると感情的になりやすい。取引先をできるだけ変えない方が安心できた。

日本製は信頼性、品質に優れているといわれていたが現在ではアジアでも日本製と同等の物が作れるようになった。ゆえに日本国内の工場を閉鎖しアジアで全面的に製造する企業は増加している。

簡単にはまねのできない高度な仕事、あるいは競争しなくても良いサービス業に移行する必要があるのに、世界に目を向けないで、「ケイレツにしがみついていれば仕事がある、何とかなる」と思っている経営者があまりに多い。それは大手企業(ホールディングス)が秘密の会議で検討している内容を中小企業は知らないから。ケイレツ全体が今、瀕死の状態であり利益の上がらない業務(たとえば製造)を切り離したがっている。

「価格が高くてもケイレツから買わなければならない、それが助け合いだ!」とは言っていたがそれにも限界がある。Xデーはある日突然やってくる。明日言い渡されるかもしれない。 とにかく改革が必要なのに危機感がない(というか改革にはリスクが伴う、これが嫌なのでケイレツの中に引きこもっているのもしれない)。

それなりの仕事量はもらえているのでケイレツがどのぐらい病んでいるか気が付かない。改革が行われない環境では残業時間を増やせばなんとかなるという思想になってしまう。それは派遣切り、過剰残業の原因の1つとなっている。

現場のことを理解しない指揮・命令

ケイレツでは多くの企業の集合体となるのでTOPから実務を行う企業までのパスが長く、現場のことがわからない人が命令を出すことになってしまう。書類上は請負契約となっていても大手企業が中小企業が採用する人材(人事)の決定権を持っていたり、他の企業の人材に対して直接指揮命令をしたりする。ずいぶん無礼な振る舞いであるが、仕事の依頼主がある特定の企業に依存してしまっていると、この無礼な振る舞いも容認せざるをえなくなる。

ビジネス責任を大手企業が負うのならばまだしも、失敗を隠し中小企業側の担当者の能力不足のせいにしてしまうこともある。無理難題、わがままを言うだけで責任をとらない、プロジェクト全体の成功を考えない。大手企業が「ビジネス・パートナー」ではなく、「お客様」になっている。

特に設計/開発の仕事では多くの知識が必要になるのだが、大手企業の人間は毎日丸なげをしているので10年経っても一人前になれない。技術的なことに対して正しい判断ができない、現場の状態を把握しないで命令を出してしまう。

間違った命令を出してその責任をとらない。そうすると現場のやる気(モチベーション)が下がるばかりでなく、プロジェクトを失敗させる原因にもなる。ケイレツ全体では資本力が大きいので少しばかりの失敗で転覆することはなくなるかもしれない。しかし「臭いものには蓋」ということを続けていると徐々にケイレツ全体の資本力は弱まりいつかは死にいたる。そしてケイレツの健康状態を把握しているのは上層部のごく一部の人間だけだ。

命令を出す人間と実行する人間が同じ部署にいないと相手のことを考えられないということもある。大手企業の人間が電話・メールで無理難題を押し付けて先に帰ってしまうということも同じ場所で仕事をしていないからだ。

同じ場所で仕事をしていれば部下が遅くまで残業しているのに上司が先には帰りづらいであろう。なぜならどの程度苦しんでいるか目の前で見れるし、あまり無茶な要求をすれば部下から反感をかいその場所にいづらくなるから。

従来は、社内で受託開発を行っていた企業は営業力が弱く、ケイレツに組み込まれたに等しい状態になっている。そのような派遣会社では、経営者がその意思で方針決定をできなくなっている。そう「コンビニの店長」と同じだ。

「丸なげ」が起こりやすく、仕事の発注元から実務を行う企業までパスが長くなると、間に入る企業数が多くなるので実務を行う企業が搾取されることになる。調べて間に入っている企業数におどろいた。

利益を生まない「伝言ゲーム」は無駄な工数を消費し、情報を伝達するのに時間がかかる。実務を行う企業にとって企業同士のフェーズ合わせに時間がとられ、短い時間で作業を行わなければならず、現場に負担がかける。IT関連の仕事では仕様変更がたびたびあるので伝言ゲームのパスが長いとそれだけ不利になる。

中小企業(実務を行う企業)の苦悩の原因となっている。

日本はどこへ行けばよいか?

経済優先の世の中ではどうしても「グローバル化」が必要になる。 ケイレツの中に引きこもっていないで積極的に世界に出て行く必要がある。それには独自の技術を持ち、大手企業を対等に交渉できるようになること。つまり「ベンチャー企業」をめざす。製造は今後不利になるので日本を設計/開発の拠点とするのが良いだろう。

あるいは、設計/製造をやめてしまって、営業/サポート/翻訳のみに集中するという方法もある。TPPが実行されれば中国などから安い商品が多量に流入するであろう。ケイレツには属さないで独自にアジアから良いものを探してそれを積極的に輸入販売するのはどうだろうか? その際に言葉の壁があるので日本人がマニュアル(ソウフトウェアのヘルプファイル)の翻訳を行い、営業/サポートする必要がある。

人の幸せはそれぞれで自分の価値観を周りの人間に矯正してはならない。お金さえ沢山あればしあわせと感じる人もあれば、個人や家庭の時間を大切にする人もいる。どちらが正しいと言うのではなく、人それぞれに生き方、考え方があると言うことだ。そしてお金がほしい人、時間がほしい人それぞれ労働者が選択できることが重要だ。日本人は周りと同じにしなければならないという気持ちが強く、国内の企業における働き方や賃金が同じになってしまっている。これからは海外に目を向けた「グローバル化」が必要であるし、どこの企業でもやっていない働き方を試してみるのも良い。

国内で安い労働力を探すのではなく、積極的に海外に アウトソーシングをするとか、積極的に最先端の技術に挑戦し、優秀な人材を高い給料でスカウトするということも積極的に行うべきであろう。後ろ向きなビジネスではなく積極的に打って出るビジネスが必要だ。そのためには「働き方に多様性を」、「多様性のある企業」が求められる。7Hの短時間労働、残業なしの労働を労働者個人個人で選択できることを法律で義務化するのはどうだろうか? 結果が出せた人に1ヶ月のバカンス(または追加の有給休暇)を与えるというのも面白い。

アメリカでは、結果が出せればそれに見合った給料や1ヶ月のバカンスがある。日本で、スキルアップを行うと余計たくさんの仕事がふってきて過剰残業を要求される。給料は、年功序列で決まっている。派遣では職種/性別により企業が決定する。まことに夢のない世界、まじめにスキルアップした人間が損をする世界だ。これではやる気は起こらない。

ビジネスで必要なのは、家庭や個人が犠牲になることではない。自己犠牲がりっぱだという考えがあるので犠牲になることが目的になってはいないだろうか? 目的を履き違えてはいけない。目的・成果とは何かもう一度考えてみよう。

2013年2月11日月曜日

残業に頼らないで仕事を行うには

日本の会社はとにかく残業が多い。
最近は仕事が減っているわけではないのに派遣ぎりをして一部の人間に非人間的な労働を強いている会社もある。ワークシェアリングが必要の声があるが、一向に普及はせず、部署間での残業時間の格差もなくならない。残業に頼らないで業務を行う方法を考えてみよう。

残業の弊害

実務においては必ずしも高度な知識は必要なく、体力勝負ということがある。
しかし過剰な残業は、プライベートの時間、家族の時間を奪い、ストレスを与える。ストレスは人間の健康に悪い影響があるが、それは徐々に人を蝕むためになかなか因果関係を証明するのが難しい。

また人間の体力には個人差がある。だからどのぐらいの残業に耐えられるかは個人差がある。子供の頃、野山を駆け巡っていた世代と 最近の若者では体力が異なる。平均を1とすると0.5から2ぐらいのばらつきはあるだずだ。子供は周囲の環境に適応する能力があり、体力もその頃の生活習慣できまる。今の子供は、塾に通うか、家の中でコンピュータ・ゲームのどちらかで、体を動かす遊びをしない。上司から見て「最近の若者は...私が若かった頃は..」と言ってしまうが、実は上司の世代がテストの点数にこだわったり、外での遊びを教えなかったことが体力低下の原因となっている。

上司からみて怠け者のように見えても、それは体力がないためだ。このぐらい大丈夫だと思い無理を強要していると出社拒否になってしまったり、退職してしまうということが起こっている。これは「がまんが足りないのではなく、体力がないのだ!」

体力に個人差がある以上、管理職の都合で残業を強制するのではなく、本人と相談をするべき。お金がたくさんほしい人、プライベートの時間がほしい人それぞれ個人の都合があるので全てを同じにしようとしないことが肝要だ。会社に多様性がないから社会に適合できないで、ダンボールで暮らす人、違法な仕事をする人が発生してしまうのではないだろうか?

会社が個人や家庭のための時間まで搾取するということは次の世代に悪影響がある。子供どうしのコミュニティーが崩壊したのは塾の影響であるし、父親が子供と遊びたくても遊べないのは過剰な残業の影響がある。

たくさん残業させた方が儲かる、子育ては母親に押し付けておけば良いという考えには問題がある。母親だけに押し付けてしまうと子供をかわいがるだけになってしまったり、心配だからと言って家のなかに閉じ込めておくだけの対応になってしまう。母親、父親ともにストレスが増大し、家庭の雰囲気は悪くなる。実際に離婚率も増大している。子供が一人前になるのは単に甘やかすだけではなく、実社会で労働をしている父親の目が必要であるし、体力の向上という意味でもいっしょに外で遊ぶ経験が必要。アウトドアの経験をさせてあげるには父親の参加が必要ではないだろうか?

そして気持ちの余裕がないと創造的な仕事ができない。どうしても機械的な仕事になってしまうということも忘れてはならない。

沢山残業させた方が儲かる?

過剰な残業が発生しているのは沢山残業させた方が儲かるという思想があるからであろう。特に最近は、派遣切りをして特定の人間に過剰な残業をさせる会社がある。

ワークシェアリングをすると人数が多くなり、管理職の仕事が多くなる。また人数を多くすると事務所の面積、机と椅子の数、道具の数などが必要になりその分費用がかかる。

管理職の仕事が多くなるのは細かい部分まで上司が規定しなければ心配、つまり護送船団方式の考えであり、現場での判断を拡大し個人が自主的に仕事をすれば良い。事務所の面積、机と椅子の数、道具の数などは2交代制、あるいは3交代制にすればそれらを共用できる。

正社員の雇用条件を変えるのは難しいので派遣と組み合わせるのが良い。派遣を遅番にして、労働時間を短くする。労働時間を短くしたい人は正社員をやめて派遣として再契約する(経営者の都合でなく、本人の意思を優先すること)。生活の保障を重視するのか、自分の時間を大事にするのかはその人の生き方であるはず。派遣よりも正社員の方がえらいとか、給料が良いというのはおかしい。給料はその人の成果できまるべき。

柔軟な考えでもって改革を行えば対応は可能であるはず。やりかたをかえると苦情がでるので改革をやりたくないというのが現状であろう。

こんな法律改正はどうだろうか?
現在は、残業させたなら1.25倍の給料を支払うことが労働法で決まっている。これを2倍の給料を支払うことにする。そうすればお金儲け優先の民間企業はワークシェアリングをせざるをえなくなるのではないだろうか? 失業率が増加しているのは、派遣切りの影響であるので、短期的な経済対策としても有効だ。2~3年だけの限定的な法律改正であってもワークシェアリングの改革がおわればその効果が持続するはずだ。

もちろん残業代を払わないとか、36協定のリミットを超えて働かせている、あるいは36協定を作らないで1日8H以上労働させているのは違法なので、そのような場合は、労働組合、あるいは労働基準監督局に通報すること。犯罪者を知っていてかくまっておくのはその人にも罪がある。泣き寝入りは絶対しないことだ。

労働基準法は単なる建前になってしまっている。
労働基準法を守らないのは、実際に罰金の徴収が行われていないことが原因の1つであるので、違反者に罰金を払わせてそのお金で労働基準監督局の人数を増やし、積極的に取締りを行う。それは増税を必要としない雇用対策としても有効だ。自分は悪いことをしていないと思っている人間を改心させるのは難しいので、ネズミ捕りのように1件1件に時間をかけないで罰金を徴収するのが良い。

現実的な日程表を作れない

何か仕事をする際の日程は政治的に決まってしまうことが多い。
特に設計/開発においては工数計算をするのが難しいということ、あるいは希望的観測によって日程が左右されてしまうということもあるだろう。

たとえば受託開発において仕事を受注できるかは、見積もりの金額と納期で決まってしまう。本来、ビジネスはWIN-WINでなければならないが、商業主義の世界ではお金を払う側(顧客、または経営者)の都合で一方的に決まってしまう。

そして「納期を重視すると言いながら無理な日程表を押し付けるばかりで協力をしない」あるいは「希望と実現可能な日程の摺り合わせができないままプロジェクトがスタートする」ということが日常茶飯事となっている。

これは人を不幸にし、仕事を楽しめないものとしている「パワハラ」といって良い。

金額と納期で決まってしまうのは自分だけ儲けようとする気持ちがあるから。これは顧客の性格でどうしようもないこともあるが、顧客との間に信頼関係を築くことが有効ではないだろうか? この会社と長くつきあって行きたいと思ってもらえれば、ゴリオシではなく、話し合いが可能であるはず。

あと営業的な戦略であるが、開発途中での変更の際に「金額と納期は後で相談させてください」と言ってあいまいにしておく方法がある。初めは相手の希望の金額と納期にしておいて、後からずるずると引きのばす方法だ。 ここらへんは営業の手腕(二枚舌?)しだいだと思う。

がんばっても絶対的に工数が不足する際は上司/プロジェクトリーダーに相談する。日程表の見直し。社内の他部署に手伝いを頼む。あるいは金額的に予備を確保しておき、後半で短期派遣に手伝ってもらうとか。

どうせ言っても対応してもらえないだろうと思って黙っていて、誰かが倒れた時には管理職の責任になる。プロジェクトが失敗してしまうことは、会社にとっては大きな損失であるので、言いずらいから黙っているというのは好ましくない。

日程表が先にできてしまい、社内にいる人間の能力、リソース(プロジェクト人数、設備、開発費)が把握できないままプロジェクトがスタートすることもある。初めに確保できる工数に関係なく、政治的に日程が決まってしまう???

同じ会社なら助け合うのは当然のはずだが、部署の垣根を越えて工数の調整が行われることは少ないようだ。日程が政治的に決まってしまうのは上の人間の責任であるので協力してしかるべきではないだろうか?

工数の計算は難しい

残業が多くなる原因の1つに工数の計算ができないということがある。
作業者の能力や繰り返し作業することでのなれ、疲労という変動要因はあるが、製造では同じ作業を繰り返し行う傾向にあるので前回の工数から今回の予測を立てることができる。しかし、設計/開発ではまだ世の中にないものを作り出してゆくので、工数の予測が難しい。

また仕事の完成度が明確でないので必要な工数もはっきりきまらない。結局、どんぶり勘定、特定の人間の勘になってしまうということもある。

日程を考える際にマージンを持たない、残業をすることを前提として日程を作ってしまうことが良くある。しかし注意して作業しても失敗して、やりなおしが必要になることがあるであろう。また割り込みは上の人間の都合で発生し、現場の人間ではどうにもコントロールできない。そして開発/設計では途中での仕様変更がどうしても起こる。これらは日程の遅延をもたらす。作業者の個人差(能力のばらつき)などもある。よって必ず日程にマージンは必要だ。マージンを持たないと日程表は「画に描いた餅」になってしまう。

残業時間は、マージンなので日程表を作成する際には必ず残業なしを想定して作り、希望的観測で工数の予測が左右されないよう論理的に考える。どの程度のマージンが必要かは類似したプロジェクトの予定/結果と比較するのが良い。

仕様を早急に決定し、完成度(評価項目)を明確にしておくことも重要だ。

仕事の優先順位が決められないので、割り込みを追加しても日程の遅延は認めない、追加の人員を認めない。とにかく「できること」と「やりたいこと」の分別がついていない。これは「パワハラ」であることを上の人間に自覚させる。

工数を節約する

予定どうりに仕事をすすめるには、工数の節約も必要だ。 工数というのはあればあるだけ使ってしまうので節約するという意識が必要だ。

それには人件費が見えるように数字化する。プロジェクトで消費している人件費(金額)を1週間毎に統計し、それが上の人間に見えるようにする。そしてプロジェクトに必要な人数で制限を掛けるのではなく、人件費(金額)で制限を掛ける。

上の人間が、作業工数を考えないで仕事の丸投げをする件については、割り込みで発生したコストが見えるように数字化する。誰がどのぐらいの金額で無駄使いしたか、どのぐらいプロジェクトの遅延に影響したか可視化する。 残っている工数がどのぐらいか、仕事の優先順位をどうするかを考えてもらう。

助け合いをする

特定の個人、特定の部署のみに残業が多いのは不公平であるので残業時間が平均化するように調整が必要であろう。設計部内で忙しい人と暇な人がいるのであれば、忙しい人の仕事を積極的に手伝うようなしくみを考えれば良い。ただ現実的には、プロジェクト後半になるとみんな忙しいのでプロジェクト内での助け合いは限定的なものとなる。

部署の垣根を越えた助け合い、社内人材流動化が必要であろう。たとえば開発後半では製造部の人間を設計部内で製品評価の仕事を手伝わせる。評価の仕事だけならばほとんど教育なしで手伝わせることができる。開発後半にもなるとメインの開発メンバーは疲弊しているので定時で帰れるようにする。そうすることにより設計部と製造部との残業時間の格差を低減することができる。

また量産開始時には、製造技術の人間だけでうまく製造ラインの構築できないことがある。なぜならば知識の豊富な人間は設計部にとられてしまうことがあるし、製品の技術的なことを良く知っているのはその設計者であるから。設計部の人間が製造ラインの構築を手伝う。そうすることで製造部の不満を低減できるし、次回の開発で製造部の人間に手伝ってもらいやすくなる。

もちろん、開発の後半で短期派遣に入ってもらう方法もある。しかしそれは教育にコストがかかるとか、目に見える金額が発生するので、えらい人の承認を得るのが難しい。

意思決定ができない

残業が多くなる原因の1つに、いつまでも仕様決定ができないので、設計のスタートが遅れるというのがある。無駄な会議が多く、いつまでも結論がでないのはなぜだろうか?

日本では後で責任を取りたくないから全員の合意を会議で取ろうとする傾向にある。だからプロジェクトメンバー以外も呼んでしまい人数が多くなり結論を出すのに時間がかかる。

誰が何を判断するのか? このプロジェクトメンバーは誰と誰か? 当該のプロジェクトで判断することができるのはそのプロジェクトメンバーのみであり、プロジェクトが失敗した際に責任をとるのはそのプロジェクトメンバーであるということを明確にすべきであろう。(技術的なことの最終判断はプロジェクトリーダーが行う)

役割分担があいまいで会議のたびに出席者が変わるといつまで経っても結論が収束せずに発散したままとなる。これがプロジェクト全体として意思決定ができない、フェーズ合わせができない原因。 また日本人は本音で話すのが苦手、感情に流されやすく論理的に話すことができないというのもある。 「役割分担を明確にする」「会議のやり方を工夫する」「本音で論理的に話す」ということが必要であろう。

がんばらなくてすむためには、がんばる

残業時間削減のためには、交渉が必要。 ただし結果が何も出せていないのに残業削減をしてほしいといっても却下されてしまう。場合によっては切られてしまうかもしれない。だからその前に結果を出して会社から必要とされる人間となる必要がある。結果が出せたならば勇気をもって交渉する。 ビジネスでは結果を出すことが重要で、残業するかどうかはどちらでも良い。「プロの仕事は結果が重要」ということをはっきりと言い、それを体言する会社組織にすべきだ。「たくさん残業させることが目的」となってしまっているならば、転職をしたほうが良い。

それから残業禁止にすると言って、自宅への持ち帰り残業を強要するのは禁物だ。 残業禁止にして持ち帰り残業を強要するのは在宅勤務であるので、もしそうするのであれば自宅で仕事をした分も給料が支払われるべきであろう。

もし成果主義を導入するのであれば、絶対に残業を強要してはならない。そしてタイムカードや勤務表も廃止すべきであろう。成果主義というのは時間で管理するのではなく、仕事の結果で評価する(金額を決める)ということだからだ。

⇒仕事と家庭の両立等について、次世代育成支援対策推進法(厚生労働省)

⇒ブラック企業タレコミ