2013年12月4日水曜日

半導体業界の憂鬱(ゆううつ)

以前は強い競争力を持っていたが最近は負けている業界に半導体業界がある。 日本の半導体業界の復活のために何が必要か考察してみたい。

なぜ負けているか

大きな原因は、目先の利益ばかり気にして基礎開発をしていないからだろう。 年功序列が人材流動化を妨げ、成果を把握しないことも要因の1つだ。 何が成果なのか分かっていないから個人的な好き嫌いで、成果のために必要な人間に不利な扱いをしたり、会社から与えられた役職で自分自身が利益を得ようとする。そして定年まで同じ会社で勤めるのがえらいとされ、エンジニアを大切にしない。これは「実務を行っている人間のやる気をいちじるしく奪う行為」である。

給料体系の改革

まず初めにやることは給料体系の改革だ。 設計・開発・営業の職種では、個人の成果が売り上げに影響するので成果主義にする。ここでの成果主義とは1年以内で成果が給料に反映するということ。

年齢や勤続年数で「3~4倍もの高給を支払うこと」をやめるのは絶対条件だ。 年功序列は、人材流動化をさまたげ、まじめにスキルアップをしている人のやる気をうばう。年功序列の世界は、いくら技術を極めたところで勤続年数と年齢で給料が決まってしまう。日本では仕事の役割分担があいまいなのでスキルの高い人間の所に、仕事が集中し過剰残業を要求される。勤続年数が長く、ゴマすりのうまい人間が役職と高給を手にする。まじめにスキルアップした人はバカをみる。実務をしている人間がやる気を出すには成果主義が必須である。

成果主義に切り替えると、年だけとっていて成果の出せない人間は給料が大幅に少なくなってしまう。利権を持っている人は反対するであろうが、「給料がほしければふさわしい成果を出せ」ということをはっきり言い、改革を実行する必要がある。年功序列ではこれから先、会社の存続はない。

職種によっては成果主義にし競争させても意味のない仕事もある。総務の仕事では、個人の成果が売り上げに直接関与しないので時給固定方式とする。(年齢や勤続年数で給料は変わらない、正社員/派遣/パートで同じ時給とする、職種で時給が決まる) そのような仕事では積極的に7Hの短時間労働を採用し、長時間労働のできない人、あるいは給料より時間を大切にする人に対して仕事を提供するようにする。そして男女差別、年齢による差別をしないで雇用する。それは社会に対する貢献だ。

いきなり給料が半分になってしまうと感情的になるであろうから、何年かかけて段階的に変えるようにする。もしも高給がほしいと言ったならば成果が求められる職種/部署に転属させる。現在、成果が求められる職種/部署にいて自分の時間がほしいと言ったならば、時給固定方式の部署に転属させる。つまり、個人が生き方を選択し、適性を考えポジションの最適化をする。年功序列では全員が同じにならなければならないとか、適性のない職種で働き続けていても疑問を持たなかった。効率的なビジネスのためには成果を計測し、個性に合わせ最適化が必要だ。

派遣についても成果が出せた人間には高給をだす。長期間会社に縛られた人間に高給を払うという慣例はやめる。会社とは仕事をする環境であり、成果を出せる場所であればどこでも良い。個人はスキルアップして、どこの会社でも仕事ができるようにする。

企業は、仕事のしやすい環境を準備し、成果がだせた人には派遣でも正社員でも高給をだす。それを会社の目標に設定しwebや求人情報で明確に提示する。本当に成果のだせる人の集まる企業、ぶらさがるだけの従業員にはいずらい会社にする。

日本は終身雇用が長かったので「絶対に会社は倒産してはならない」という気持ちが強すぎて思い切った対策ができない。失業率が高くなっているのは、たくさん残業させた方が儲かるという思想の元に派遣切りが行われているためであり、ワークシェアリングを推進し、労働者一人一人がスキルアップしていれば直ぐに次の会社で働ける。縛り/縛られる関係からの脱却こそが重要だ。

経営者、管理職の流動化

人材流動化は、現場の人間だけでなく、経営者や管理職にこそ必要だ。流動化はポストの最適化でもある。経営者や管理職のやっていることがオープンであること(評価を受けること)も必要であろう。

改革を行わない経営者、あるいは「残業時間を増やせば儲かる」といっているとか、会社を私物化してしまい成果を出せない経営者は交代するする必要がある。会社は、そこに勤める従業員(派遣やパートを含む)、株主、協力会社の社員全ての共有財産である。事業全体に関する重大な決定権を持つ経営者が成果の出せない人間であるのは、多くの人間を不幸にする。だから結果の出せる経営者、従業員の幸福を考える人に担当していただく。

最近は、外国人の経営者を迎える企業がニュースになっている。 改革を確実に実行できる人なら日本人でも良いはずなのだが、日本人はどうしても「ことなかれ主義」にどっぷり浸かっているのでなかなか思い切った改革ができないということと、終身雇用が多いのでさまざまな仕事の仕方があるということ知らない(海外での実務経験がない)ということであろう。グローバル化社会で戦っていくためには広い視野、海外での実務経験が必要なのかもしれない。

正社員の流動化、社内FA制度

何も派遣を使うだけが人材流動化ではない。 社内FA制度(Free Agent;社内人材流動化)などが鍵になりそうだ。プロジェクト毎に、やりたいと手を上げた人を、部署の境界をこえ集めてチームを作る。新しい人と仕事をするということは、考え方の相違で苦労することもあるが新しい刺激になる→やる気に効能がある。

法人が別であっても情報の共有、意思の統一ができていれば合併は必要ない。複数の会社の混合でプロジェクトを立ち上げるのも良い。会社が合併しても元xx会社の部署、元△△会社の部署と分かれてしまっていて、意思の統一ができていないのでは意味がない。特にプロジェクト単位でのまとまり、協調性が重要だ。 同じ会社内でも誰と誰がプロジェクトメンバーなのか明確でないと、やじうまや外野が干渉してしまってプロジェクトはスムーズに動かなくなる。

日本人は転属、他の部署の手伝いをいやがる。企業文化が大切だという人が多い。これらは積極的に話すことができないからであろう。 そのことは標準化しなければぐあいが悪い内容なのか?、単に自分と違う仕事の仕方をしている人がいるときもちが悪いだけか? 違っても支障のないことは気にしない。標準化すべきことは初めにプロジェクト・リーダーがはっきり伝えておく。そのようなルールを作る。プロジェクト・リーダーがリーダーシップを発揮すること。本音で話すことのできる文化を作っていくことが大切であろう。

注力すべき技術(基礎開発)

基礎開発をできないのは、日本のエンジニアが劣っているからだろうか? そんなことはない。 世界的な偉業を成し遂げた日本人もいるが、実際に働いている場所はアメリカだったりする。残念ながら日本で基礎研究のできる環境はほとんどない。民間企業は利益に還元されるまでの時間がかかる事業を敬遠している。日本のエンジニアは能力があるはずなのに、目先の利益のみにこだわり「ジリ貧」になっている。

具体的に注力すべき技術を提案したい。

1) CPUコアの開発、その他IPの開発

短い期間でLSIを開発しなければならないので多くのIPがあらかじめ用意されていることが必要であろう。CPUについては上位互換性を考えて開発していくことが重要。CPUの性能は、そのCPU固有の使い方で変わってくる。ベンチマークではアプリ実行時でのパフォーマンスはわからない。CPUの使いこなしのノウハウは社内に蓄えられているわけだから、それらリソースを無駄にしてはいけない。

CPU単体での性能が高くても、新たに開発環境を購入しなければならないとか、新しい開発環境の操作方法を覚えなくてはならないのであれば意味がない。教育/学習にもコストがかかるのでUIの上位互換性も重要。開発環境(ソフトウェアツール)の開発の使い勝手は、開発効率に関わるのでここもおろそかにしてはいけない。

※短い期間でLSIを開発しなければならないので英語のデーターシートしかないCPU/IPは採用することはできない。 (そのへんは外資系半導体メーカーに理解してほしい)

今までは多機能、高集積度を追及し、できるだけ売値を維持しようとしてきた。今デフレの時代に求められるのは低コストのマイコンである。時代が変わったことを認識し、低コストのマイコンに目をむけるべきだろう。低コストを実現するための製造設備、材料、工法など既成概念を捨てて見直す。

2) SoC(ASIC)

SoCは利益を出しづらくなっている。 もしもやるのならば特に大きなシステムに限定して仕事をすべきであろう。 大きなシステムの全体を把握し、システムの分割、全体の検証をするためには、エンジニアの育成が欠かせない。

LSIを開発する際、レイアウトはその性能に大きく関わる。 単に人海戦術でレイアウトをするのではなく、人を育てることも必要であろう。最近はゲート数が極めて大きいので自動配置配線を利用することが多いが、これらのツールも市販のものでは出せる性能に限界がある。独自の開発環境(ソフトウェアツール)の準備も必要かもしれない。

LSIの独自の製造設備なども差別化のため必要だ。日本では人件費が高いのでロボットによる、可能な限りの無人化や同一の製造設備でさまざまなLSIに対応できるような柔軟性のあるロボットによる製造とか。

3)アナログ&パワーや高周波技術

新材料の検討、新しいパッケージ構造の検討などが必要であろう。

4) IT関係 (ソフトウェア)

ソフトウェア関連をみても目先の利益だけにこだわっているのがわかる。 アプリケーション・ソフトの仕事がほとんとでOSやBIOS、データベース・エンジン、プログラミング言語、開発ツールなど多くの企業で共通に使う部分はほとんど仕事がない。これらはアメリカの企業が独占している。

アジアで開発するのは日本語の問題があるので海外への委託はしづらかった。 しかしアジアでも窓口になる人間に日本語の分かる担当者を置くとか、仕様書を日本語で作りますという企業は増えている。 アプリならアジア新興国でもできるようになった。 そうするとソフトウェアは人件費だけ、送付するのもメールで済むので輸送料がほとんど0円だ。 このような仕事はやがてアジアに取られてしまうだろう。 特定の顧客のみで使用する部分ではなく、共通で必要な技術(先端技術)に力をいれるべきだろう。

最近のスマホの動きを見ているとパソコンの二の舞となりそうでならない。初期のパソコンは、各メーカー独自のアーキテクチャーが使用されていて互換性がなかった。やがてアメリカ製のOSになり、ソフトウェアの互換性がとれるようになった。すると製品は単なる価格競争になり、パソコンのビジネスは利益のでないものとなった。、そして撤退する企業が相次ぎ、最終的に儲けたのはご存知ウィンテルだ。

以前ケイタイでは国産のCPU、国産のOSが利用されていた。スマホではほぼアメリカ製のCPUとOSになってきている。今はスマホのビジネスが快調のようだがやがて価格競争の時代になるであろう。

国産のCPUをつかっているとガラパゴスだという人がいる。独自のCPUをつかっていること自体は悪くない。ただ最終的に利益をうるのはコアとなる技術をもった企業である。日本が先端技術で負けていることが問題だ。日本も先端技術に注力すべきではないだろうか?

開発費

大手企業は資金力があるはずだから、業界全体に貢献する基礎開発を積極的に行うべきでだ。 しかし民間企業は目先の利益で動いてしまうので、10年先で勝つことができる技術、あるいは日本の業界全体で役に立つ技術はおろそかになりやすい。

日本とアメリカでの先端技術の行政の支援は1桁ぐらい違うと聞いている。(日本ではベンチャー企業が育ちにくい) 行政の支援も必要であろう。

その他やるべきこと

人の形をしたロボットが人間と共に働く時代が直ぐそこまで来ている。特に介護用ロボットが注目されている。 ロボットの社会への適合性、安全性についての規格は日本がリードして行うべきであろう。 多くのPC関係の規格はアメリカに先を越されてしまい、規格が英語しかない。 そのため日本のエンジニアにとって、開発の際の「非関税障壁」となっている。

ロボットに関する規格はいち早くJISで規格化し、それをISOに持っていく形にする。 ブームが発生してからあわてて開発を始めるのではなく10年先をみて仕事を始めるということだ。

グローバル化が進めば、商品を売るのに言語の壁がある。 マニュアルの翻訳、現地でのサポート強化が必要であろう。 特に電子部品など多くの機能が集積されている場合にはデーターシートの翻訳が必要だ。 ヘルプファイルやデータシートなどを現地(顧客がいる国)の言語に翻訳しないのは、植民地貿易と同じだ。 翻訳は現地の翻訳家にやらせる。翻訳の費用について、メーカーの負担、現地の総代理店の負担その割合を交渉すれば良い。

電子部品関連では、電話サポートは役に立たないことが多い。 サポート担当(FAE)の知識不足ですぐに回答が得られない、定時が終了すると留守番電話に切り替わってしまうなどとても困る。後で回答するといって数日で回答があればまだいい。場合のよっては数週間またされたり、ひどい場合は何回も催促しないと回答がない、忘れていたなんていう場合もある。

最近は海外の半導体を使わなければならないことが多いが、国内にいるFAEはおそらく短期の派遣を教育なしで使用している、あるいは転送電話でアジアの国々の人にやらせているのだろう。サポートは儲からない仕事であるからできるだけ安い人材ですませようということだと思う。

アメリカでは、FAQなどをデーターベース化することが多い。 1人の知識には限りがあるということと、人材流動化があたりまえなので会社にノウハウを残すということが重要だからだ。データーベースならば即時に検索が可能で、定時後のため回答が得られないということもない。日本でもサポート用データーベースの整備が必要だ。(日本語であることが必須)

特に半導体は複雑な機能を持つので十分な知識、早いレスポンスのあるサポートがなければ安心して採用することができない。メーカー側としてもサポートの情報は顧客のニーズを把握し、次の開発にフィードバックするために積極的に利用されるべきだ。

⇒景気対策と生き残りと半導体メーカーの統廃合と

⇒東芝、半導体業界弱者再編・連合を尻目に、ひとり勝ちの兆し?工場売却へも意欲

2013年11月11日月曜日

ブラック企業問題

ブラック企業とは、従業員に非現実的なノルマや過剰残業を課す、いじめや嫌がらせ、残業代の未払いなどを頻繁に行う、あるいは労働基準法を守らない企業。経営者など一部の人間が暴利をむさぼり、従業員を粗末に扱う会社と言い換えてもいい。 最近、なにかとニュースになっているブラック企業問題について考えたい。

残業時間が多くてもブラックではないこともある

残業時間だけでブラックかどうかの判断はできない(もちろん労働法上でのリミットは守る必要がある)。仕事が生きがいで自身の意思で残業している、あるいは経営者のごきげんをとるために残業している人もいるからだ。

たとえば偉い人は、仕事の成果を見ないで残業時間だけで人間の評価をしてしまうことが多い。それは成果を公平に評価するにはとても高いスキルが必要なのだが、日本では年功序列がはびこっているので、そのスキルを持つ管理職/経営者は少ない。 若いうちは成果のわりに少ない給料しかもらえない、つまり経営者はたくさん残業させた方が得だと感じる。「残業時間が多い人はやる気がある。残業をしない人はやる気がない」という言い方をしてしまうのもそれが原因。いってみれば、残業時間を増やすというのは偉い人に高額のお歳暮を贈り、ごきげんをとる行為に等しい。

偉い人の主観で評価、昇進が決まってしまうのだから会社内でよいポストを手に入れたければ「たくさん残業する」という考え方をする人もいる。若い時に「たくさん残業」して良いポストを手に入れようと本人が思っているのであれば、それはその人の生き方だ。

ただし管理職の都合で残業を強制するのは搾取であり、ブラックだ。

私はごきげんとりのため残業する生き方をお勧めしているわけではない。 それは昇進が約束されているわけではなく、偉い人の主観で決まるわけだから、こきげんをそこねれば、左遷ということもありえる。激動の時代では会社がなくなってしまうかもしれないし、突然給料体系が変わるかもしれない。経営者は自分の身が一番大切であるから会社が傾いた時にはたして給料を保証してもらえるか分からない。 やはり労働者自身がスキルアップし、企業は成果に基づき給料を払うというのが健全な状態であろう。

「たくさん残業」するのは新人が成長するために必要だとする説もある。まずたくさん残業すればその人がその分向上するのかというのが疑問だ。過剰残業に頼らなければ業務ができないという体質にこそ問題。

たしかにより良き仕事をするには学習し個人が向上していく必要がある。 ここで注意してほしいのは、会社内でないとできない訓練と教科書とノートで行う学習があるということ。たとえば管理職としてのスキルは「人と人との間の潤滑油としての働き」が重要であるので会社でないと困難。IT関連の仕事(エンジニア)では常に最新技術の習得が必要とされるので書籍などで学習することが多く、自宅での学習が必要(会社では雑用におわれて学習できない、会社で学習していると業務上で必要なことでも上司に嫌な顔をされることがある)。

そして仕事のよろこびの1つには「できなかったことが、できるようになる」ことがある。学習のための時間が必要であろう。商業主義がきびしくなると学習のために会社が残業代を出すのは難しくなるから、残業を削減し、自宅で学習するスタイルが多くなるであろう。

ちなみに残業時間の制限があるのは弱い立場の人間が搾取されるのを防ぐため。 労働時間の制限があるのは係長以下の人だけ。経営者、自営業者、課長以上の管理職は自分で残業時間を決めることができるのでいくらでも残業してよい。

仕事のやり方に自由度がある会社ならば、長時間労働でもあまりストレスは感じない。 仕事のやり方をいちいち細かく規定されてしまう会社ならば、残業なしでもストレスは発生する。 たとえば業務に必要なことを学習しようとすると止められる。それは目先の利益優先だから学習は敬遠し、労働者の技術向上がなされない。いつまでも効率の悪い方法でしか働けない。 効率がわるいので長時間労働が必要、労働者はいつまでもスキルアップできないというストレスがある。

労働者の意思で積極的に学習し、そのために労働時間が長くなっているのであればブラックではない。学習時間を与えないで、目先の利益のために、企業の都合で長時間労働させているのはブラックだ。

若いうちこそ好きなことをしよう

「若いうちは働け!ワーク・ライフ・バランスなんていらない」というのは搾取する側の都合だ。

定年後に好きなことをしようと思っても、衰えてからでは結局なにもできなくなってしまうことが多い。アメリカのように若くても成果にみあう高給を手にいれられるならば、若い頃にがむしゃらに働いて早期退職、定年前に悠々自適生活、そのような生き方もあるだろう。日本ではそのような会社はないので、若いときにこそやりたいことを思う存分するべきだ。それが何かは人によりさまざまで、個人個人が考えることだ。それが人により仕事であったり、趣味であったり、子育てであったりする。

昇進して会社内でみとめられたいという人もあるだろう。→そのときは過剰残業が必要になるかもしれない。役職、昇進が生きがい。家庭や個人の趣味を生きがいにするのもその人の自由。→仕事の成果が出せなければ給料は少なくなるかもしれないが、お金だけが幸福ではない。働き方に多様性が必要。決して会社が強制すべきことではない。日本の男性にも7H労働が可能な会社があるべきであるし、女性に責任のある仕事をまかせる会社があっても良い。

過労死問題

マラソンの統計をみると個人の体力に大きなばらつきがあることが分かる。訓練を続けると成績は向上するが全ての人が同じぐらいの成績になることはない。生まれたときに決まる個性、小学校就業前での生活習慣で体力はほとんど決まってしまい、大人になってから訓練をしても向上する割合は限られる。みんながこのぐらいのペースで走っているのだからお前もがんばれと無責任な強要をしてしまうと死亡事故につながることがある。

過労死もこれと似ている。 「みんなが100H残業、会社のために奉仕しているのに、なぜお前は残業しないんだ!お前は怠け者だ! 」たしかに過剰残業させても元気な人はいる。反面、黒い顔で今にも死にそうな人もいる。

過労死なんてニュースの中だけの話でうちの会社には関係ないと思っている人は多いと思う。 しかし私の知っている会社で過労死が起こった。「まさかあの人が」と思う。みんな同じぐらい残業させているのに他の人は死ななかった。俺には責任ないといっても遺族には通じない。

たしかに本人の健康管理にも問題があったかもしれない。過労死が起こるのはいくつかの悪い条件が重なった時であるので管理職/経営者だけが悪いのではないかもしれない。しかし労働法のリミットを越えて残業させていたのでは「殺人の罪」をのがれることはできない。

経営者は管理職を教育/指導する義務がある。「現場の管理職がかってにやったことだ」という言い訳は通らない。だから業務命令で残業を強制してはならない。そして個人の体力にはばらつきがあり、家庭の事情もさまざまであるので1人1人の都合を聞き全ての人を同じにしようとしないこと。各労働者の労働時間を考え、職種や役割分担、ローテーションを考える(ワークシェアリング)。

みんなよりも早く帰ると「やる気のない人間だ」と言う評価を受けるのが怖くて帰れない人がいるであろう。もしも顔色の悪い労働者がいたならば業務命令で帰宅させるぐらいが良い。場合によっては転属、転職を勧めることもあるかもしれない。本人に合わない仕事を続けているのは本人にも会社にとっても不幸なことだからだ。プロの仕事で必要なのは残業時間ではなく成果だ。

過労死が起こると企業全体に「ブラック企業のレッテル」が貼られる。企業にとって大きな損失であるばかりでなく、周りの人間を不幸にする。事故があってから対策を考えても遅い。全ての企業で真剣に検討すべきであろう。

ブラック特区(雇用特区)

労働時間が週40時間以内という規制の緩和、「ホワイトカラー・エグゼンプション」は見送りになったそうだ。まず残業時間を増やせば儲かるという思想からいいかげん離れるべきだ。

労働法で決まっている労働時間とは、企業が従業員を拘束している時間のこと。 つまり、通勤時間や在宅勤務の時間は含まない。

IT関係の仕事ではほとんどパソコンがあれば仕事ができる(設備、工具、商品に触れる必要がない)。よって自宅からVPNで企業のサーバーに接続すれば仕事はできる。わざわざ会社に出社させているのは自宅で仕事をさせているとさぼるのではないかとか、長時間労働させるためにそうしている。在宅勤務で成果を評価するようにすれば労働時間は意識する必要がない(残業という概念がなくなる)、残業代を払いたくなければ積極的に在宅勤務を採用する会社が増えても言いと思う。

製造の仕事では、実際のモノに触れる必要があるので会社に出社する必要がある。製造はワークシェアリングをしやすい職種であるので、残業時間が長い会社というのは、初めからワークシェアリングの努力をしていない会社だ。

どうしても仕事の量には多い/少ないの波がある。よって短期派遣は、過剰残業を防ぐため必要である。きちんと期限ありでの仕事であるという説明をし、契約しているのであれば問題ない。 残業時間を増やし、派遣切りをしているので仕事がなくなって、失業率が悪化している。 問題なのは「残業時間を増やせば儲かる」という思想の方だ。

みんなが派遣より正社員が良いというのは、派遣の方が解雇のリスクがあり、年収が低いからだ。 十分な市場原理が働けば、派遣というのはリスクが高いのであるから、時給もそれなりに高くなるはずである。しかし日本では長く企業に縛られていた人がえらいという思想があり、かつ企業側の力が強いので正社員よりも派遣の方が年収が少ない(派遣の年収が良いというのは20代だけ)。 雇用保険を本人都合でも1ヶ月目から支給する、雇用保険の企業側負担率を多くするなどの検討は必要かもしれない。

労働条件については口頭での説明だけで良い項目と書類での明示が必要な項目がある。 退職金を払う、払わないなど文章での明示が義務化されていないためトラブルが後を絶たない。 雇用条件の明確化(書類での明記を義務化する)は、雇用特区をやる/やらないに関わらず、全ての企業で実行すべき。たしかに入社から退社まで数十年かかる場合があるので同じ条件を維持するのは難しい。5年毎に更新し、異議があればその都度交渉するのが現実的であろう。

いまだに年功序列が多いということは、企業側、従業員側いずれも縛り/縛られる関係を望んでいる(人材流動化を望まない)ということだろう。まず人々の考え方を変えなければならない。何か人材流動化にはメリットがあるということがわかるようにすることが必要。

人材流動化が進まないのは年功序列の影響がある。年功序列とは従業員と企業が縛り、縛られる関係になることを表す。それを改善し、年齢や勤続年数による格差を縮小しなければならない。だからベースアップではなく、係長以下の従業員、派遣、パートのみの給与アップにすべきであろう。

ルールは政治家と経営者だけで決めるのではなく弱い立場の人間からも意見を聞き、情報を逐次オープンにし検討すべき。秘密主義はダメ。

マスコミで取り上げられている企業をバッシングするだけでは問題は解決しない。 いじめ、パワハラを抑制する社会システムを作っていくことが重要であろう。

過労死が起こった企業については、殺人犯なのだから保護観察が必要。定期的にぬきうちで社内の調査する。書類提出だけではダメ。たとえば時々、労働基準監督局の職員と警察官がブラック企業を巡回する。そして深夜まで残業している従業員に1週間の残業時間を職務質問する。もし労働法のリミットを越えているのであればその場で管理職を補導する(もちろん上司がいない状態で部下だけ残業させていたならば罰則)。実際に過労死も出ているのだから労働基準監督局の仕事だからとかいっていないで部署の垣根を越えてが警察が協力する。ネズミ捕りよりもよっぽど社会に貢献する仕事だ。

こんな案でも良い。労働基準監督局が、短期派遣あるいはアルバイトで労働法監視員を募集する。 その人間に定時終了後にブラック企業内部を巡回させる。その時に警察官の制服を着せる(または監視員の腕章をつける)。それだけでも違法残業をさせている管理職、従業員に精神的なプレッシャーをかけることができる。さらに残業時間を職務質問し、労働法違反である場合は、名前と部署を記録しレッドカードを渡す。アルバイトでは逮捕まではできなくてもこのぐらいならできるであろう。これは単に労働法を守らせるだけでなく、50歳以上の失業者を優先して採用すれば雇用対策にもなる。一石二鳥だ。

指導にしたがわない経営者は1ヶ月ぐらい投獄(お金では釈放しない)、社長のいない時に新しい社長を従業員自身で選任させ、会社更生のためのルールを決めさせる。

⇒雇用特区

⇒ブラック企業対策へ離職率公表

また「ことなかれ主義」なことを言っている。強制力がないのであればほとんどの企業が表記しないであろう。企業はつごうの悪いことを隠したいわけだから。少なくとも離職率、平均残業時間、36協定のリミットの表記がなければハローワークでの求人を認めないようにすべき。虚偽の表記をしたならば1年間はハローワークでの求人を禁止。 全ての企業が、自社のwebで離職率、平均残業時間、36協定のリミットの公表を法律で義務化するぐらいが良い。派遣会社で仕事を紹介する際も情報開示を義務化。
行政はあまり頼りなりそうにない。 ブラック企業対策をやるやると言っておいて出てきた対応がこれでは失望だ。労働組合を作りストライキをする、あるいはデモ行進とかやらなければダメなのかもしれない。

アメリカの人に言わせると、従業員がなぜ経営者と交渉しないんだ。行政が介入する必要はないのでは?といわれる。 日本ではアメリカのように簡単に裁判ができないこと、労働組合が会社毎になってしまっていることが原因かもしれない。 日本の労働組合は36協定を作るため便宜上作っただけで、あまり活動をしていない。 どうしても経営者と労働組合の交渉担当が同じ会社だと、給料や昇進に影響があるのではないかと気にして強く言えない。 あるいは裏で昇進の代わりに問題をもみけすように依頼されたり、癒着が起こりやすい。 アメリカのようにユニオン・合同労組(複数の会社の従業員で構成される労働組合)が日本にも必要である。 JAとか見てわかるように全国規模の団体になれば行政に圧力をかけることができるほどになる。

⇒ブラック・バイト

最近はアルバイトにもブラックな働き方が広がってきている。

2013年11月4日月曜日

年功序列と成果主義、従業員満足度の話

日本は、長い間「変化のない国」「ニュースのないつまらない国」と海外のマスコミからは思われていた。しかし現在は改革なくしてはどうにもならない状態にある。 低価格品では新興国からの追い上げ、先端技術ではアメリカに負けて仕事がなくなってきているからだ。改革として給料体系の見直し、従業員満足度が重要であろう。

年功序列の崩壊

年功序列とは、給料の金額が年齢あるいは勤続年数により少しずつ上昇していくシステム。 つまり若い人の給料を本来の成果に対して少なめにし、高齢者の給料を成果に対して多くする。若いうちに強制的に意識されない年金(あるいは貯蓄)に加入させられ、退職前に給料を上積みする形で受け取るのと同様だ。従業員を会社に縛る働きがある(転職すると損をするようにしむける)。

強制的に貯蓄させることは法律で禁止されているが、表面上は貯蓄ではないので合法となる。 誰でも(結果を出せない人も)定年まで勤務すれば高給をもらえるという「夢」を与えることができる。

しかしこの夢はくずれた。その貯蓄は元金われを起こす可能性があったのだ。年功序列がうまくいかなくなった主な理由は少子化、高齢化にある。50年ぐらい前、年齢別のヒスグラムはピラミット形だった(図1左)。得をする人(成果よりも給料が多い;50代)の人数が少なく、損をする人(成果よりも給料が少ない;30~40代)が多いので50代では20代の3倍ぐらいの高額な給料を手にすることができた。


図1 日本の人口ヒストグラム

しかし現在、日本の人口をヒストグラムにすると下がすぼまった釣鐘形になる(図1右)。 サラリーマンのヒストグラムは新卒の採用をストップしてしまったいるので、さらに下がすぼまった不安定な形にになってしまっているかもしれない。得をする人が相対的に多くなってきているので、収支はバランスが壊れる。給料にあてる財源が不足するのだ(図2)。


図2 年齢別の給料

利権を持った人は、絶対自分の給料の削減はしたくないと考える。その不足分を何とか確保するために若年層の労働時間を長くしようという考えが発生する(あるいは外注/派遣の支払い金額を削減する)。

偉い人は「滅私奉公」というが、偉い人が実務を手伝ってくれるわけではない。若年層が少なくなり、中堅に仕事が集中し、それが心身症や自殺、過労死の増加になっている。パワハラ、ブラック企業などニュースとなる。

日本で一般的な折衷型

年功序列では資金が破綻することが分かっているので新しい給料体系が検討された。


図3 折衷型、成果主義の給料

成果主義が必要だというブームがあって今は部分的に成果主義を取り入れている会社が多い。ただ日本の企業が取り入れているのはアメリカのような成果主義ではなく、年功序列と成果主義の中間で「折衷型」とでもいうべき方式。

成果の出せた人は毎年少しずつ給料がアップするが、成果の出せなかった人は据え置くという方式。年齢や勤続年数を重ねても成果がなければ給料アップはしないという意味では成果主義、どんなに良い成果を出しても1年ぐらいではわずかしか給料は変わらない。本当の意味で給料に反映するのは20~30年後になるという点では年功序列に近い(図3)。

従来の年功序列では、全ての人が成果に関係なく年をとれば、高給を手にすることができた。 しかしこれでは資金繰りの点で破綻をする。折衷型では、年をとっても成果の出せない人は給料を低くおさえることにより収支のバランスを取ろうしている。

若いと成果より低い給料しかもらえないという意味では、あいかわらず従業員をお金で縛り(終身雇用前提)、人材流動化を妨げている。

今後も年功序列あるいは折衷型を続けるならば、年齢による給料の格差を圧縮していく必要がある。 新興国と競争しなければならないので給料を削減せざるをえない。 もともと給料の少ない人の給料を削減すると生活ができなくなるので特に上層部の給料を削減が必要。

成果主義

今後は日本もグローバル化が進み、早いスピードで改革が必要になる。 20~30年後に給料に反映されると言ってもそのころに会社があるかどうか分からないし、その頃には給料体系が変わっているかもしれない。

今までは年をとれば高給をもらえるというのを見てきたので、自分もその頃には同じぐらいの金額をもらえると思っていた。しかしそれは誰かが保障すると言ったわけではなく元金われの可能性があった。

給料削減と言うとどうしても損をしたくない、納得できないという感情が沸き起こる。 だからこそ、1年以内で成果が給料に反映される、「本来の意味での成果主義」が必要なのではないか? これからは早い社会情勢の変化に対応していかなければならない。生活の安定が重要だと思ったならば自分自身で貯蓄、あるいは保険に加入していくべきだ。

ただし成果主義は万能ではない。職種によっては適さない場合があるので適用するのであれば職種を選ぶ必要がある。成果の測定に主観が入りやすいというデメリットもある。 アメリカのような大きな格差をつける成果主義では能力の低い人が生活できなくなる可能性があり、そして給料が急に少なくなってしまうという不安感もある。 日本には少ない格差をつける成果主義が合うかもしれない。

大手企業がいい

新卒の学生が会社を選ぶ場合、「安定していて、福利厚生の良い企業がいい」というのは良く聞かれる。(つまり自分で働き方を選べないことがわかっており、受身になっている) 企業側の面接官にしたらやる気がある人が良い、「大手企業の方が安定していているから選びました」というと大抵おとされる。

大手企業も中小のベンチャー企業であった創業当時は、 大手企業の方が安定しているから良いといって入社する人はいなかったのが、いつの間にか会社にぶらさがるだけの人間が集まるようになってしまう。 会社が大きくなると安定性が重視され、リスクのある仕事は許可がおりないからだ。

初めはやる気のあった人も、実際に入社した後はその会社の社風に染まっていく。 やがて、問題になりそうなことは隠して、やる気がないのにだらだら会社にいのこり、見せかけのやる気をアピールし、上司の機嫌をとることに専念する。

このようなことが起こるのは仕事の成果を公平/公正に評価していないからだ。

ケイレツや派閥にひきこもっていられる時代は終わった。 グローバル化、自由競争の時代で10年先まで会社が存続するかは、 世界の変化に対して、1人1人が改革し、人材の最適化、業務の改善が必要である。 早い変化に対応するためには中央集権でいつも偉い人に許可をもらわなければ実行できない体質では生き残ることはできない。 現場での判断を拡大し、その代わりその命令を出した人がその結果に責任をもつ。→成果主義が必要。

成果主義とは、成果が1年以内で給料に反映し、男女差別や年齢による差別がないこと。どのような基準で成果を計算したかその方法が明確に定義され、それが労働者に開示されていること。

オランダの時給固定方式

逆の発想をし、福祉あるいは非商業主義的な発想を取り入れた「時給固定方式(職種主義)」を採用した国もある。

オランダでは、時給は職種により決まり、年齢には依存しない方式にした。 年をとったならば、さぼっても高給をもらえるというのは搾取を認めてしまうことになる。個人の能力には大きな差異があるが、時給を同じにするのが平等という考えだ。

成果もことなるのに時給を同じにしてしまうのが平等といえるのか? 一生懸命働いている人のやる気を奪うことにならないか? その点が疑問だ。また結果がだせないならば仕事が適合していない可能性があるのに、その職種/会社に居続ける(人材流動化を妨げる)という問題もある。

⇒オランダのワークシェアリング

今まで給料は必ず上昇するものだったのに給料削減というと感情的になってしまう方が多いのでしょう。だからなかなか給料体系の改革は行われなかった。しかしこの給料体系の改革は避けることはできない。

困ったことに日本の会社は、秘密主義でクレームが来そうなことは隠蔽される。会社の給料体系がどうなっているか聞かされていない従業員も多いと思う。利権を持った人だけで決めたい、改革したくないというのは問題だ。

従業員満足度が必要

今までは顧客満足度のみ重視されてきた。 それは顧客に良い印象をもってもらうことが次の仕事につながるから。

そして現場の人間には「滅私奉公」といって個人よりも会社/社会に奉仕せよといっていた。 しかし、それは過剰残業が当たり前、女性や高齢者を雇用しないことからわかるように、利権を持った人間が甘い汁を吸いたいだけ。カッコイイことを言ってできるだけ沢山搾取するのが目的だ。

今は、働く目的も人によってさまざまだ。滅私奉公なんていっても誰も相手にしない。 (ほんとうに社会に奉仕する意思があるなら残業を禁止し、弱い立場の人間を雇用しろ)

若者の離職率が高くなっている。 なぜ転職してしまうかというと、派遣の自由化が行われ、企業側が安易な派遣切りが行われている→終身雇用は終わった。上層部に自分の意見を言うと不利な扱いを受ける。どうせ改善されない、変わらないという思い→利権を持った人間は都合のいいことしか実行しない、やる気の喪失。利権を持たない人間は、結局、転職するしかない。

中堅以降は転職をすると損をするので思いとどまることが多いが、若い人はその懸念がないので転職をしやすいだけ。

最近は、特定派遣(いつわりの正社員)が多く、お客様(派遣先)の都合ばかり優先し、自社の社員には不利な扱いをする。これは現場の人間からみたら派遣元の経営者/管理職は派遣先の味方で自分の敵にみえる。搾取されるだけで、クレームの交渉をしてくれない、仕事の環境整備をしてくれない。これで派遣元に対して帰属性を持てというのはムリな話だ。

顧客満足度のみを追求すると、帰属性の低下、やる気の喪失につながる。やりすぎれば「ブラック企業」と呼ばれるであろう。従業員と経営者が信頼で結ばれるためには本音で話し双方が幸せになることを考えなければならない。 人材流動化の時代だからこそ、お金で従業員を縛るのではなく、信頼・きずなで結ばれる必要がある。会社組織は人でできている。搾取するだけのモノではない。

若い頃自分は会社のために身を粉にして働いた。今度は自分が甘い汁を吸う番だ。絶対に給料の削減はいやだ、若い連中にたくさん残業させてなんとかならないか? お金に目がくらみ、「みんなで幸福になること」を忘れている。

これからは、顧客満足度(Customer satisfaction)だけでなく、従業員満足度(Employee satisfaction)が必要。給料が削減がいやなら、改革を実行せよ。積極的に基礎開発、先端技術の開発、ベンチャー企業の育成、利益の出る職種に選択、集中とか。

良い会社ならば、優秀な人材がたくさん集まる。こんなに良い会社ならば恩返しをしたい、一生いっしょに仕事がしたいと思うことだろう。良い会社とはどんなか? 従業員1人1人望むことは異なる。その1人1人に対して本音で話し、会社を改革する。それを忘れているから「ブラック企業」「パワハラ」などがニュースをにぎわせているのだ。

⇒会社調査

⇒日本共産党・ブラック企業規制法案の提案

2013年10月14日月曜日

ひきこもり企業、ケイレツの崩壊

「ケイレツ(企業系列)」は改革やリスクを避けるために編み出した日本独自の社会システムである。アメリカなどからは「なぜ高性能で安価な部品があるのになぜ買ってくれないんだ」、「日本はフェアじゃない」と批難されてきた。そんな日本でも最近はグローバル化が進み、ケイレツという城塞は崩壊しつつある。ケイレツでは世界を相手に勝っていくことができないからだ。

改革が行われない

ケイレツとは、商品企画→設計・開発→製造→販売・営業、サポート の縦の結びつきが強い企業の集合体。資本関係(株による支配)、あるいはケイレツの外から部品を買っちゃダメ、仕事の依頼は必ずケイレツ内で行うというような約束をさせる企業関係さす。

固定化された縦のラインに引きこもることにより、同じ工程を行う企業との競争を避け(特に外資系企業の参入を阻む)、営業力の程度にかかわらず一定量の仕事を確保することができる。 日本人は本音で話し合うことが苦手なのでこっちの方が安いからといって急に取引先を変えると感情的になりやすい。取引先をできるだけ変えない方が安心できた。

日本製は信頼性、品質に優れているといわれていたが現在ではアジアでも日本製と同等の物が作れるようになった。ゆえに日本国内の工場を閉鎖しアジアで全面的に製造する企業は増加している。

簡単にはまねのできない高度な仕事、あるいは競争しなくても良いサービス業に移行する必要があるのに、世界に目を向けないで、「ケイレツにしがみついていれば仕事がある、何とかなる」と思っている経営者があまりに多い。それは大手企業(ホールディングス)が秘密の会議で検討している内容を中小企業は知らないから。ケイレツ全体が今、瀕死の状態であり利益の上がらない業務(たとえば製造)を切り離したがっている。

「価格が高くてもケイレツから買わなければならない、それが助け合いだ!」とは言っていたがそれにも限界がある。Xデーはある日突然やってくる。明日言い渡されるかもしれない。 とにかく改革が必要なのに危機感がない(というか改革にはリスクが伴う、これが嫌なのでケイレツの中に引きこもっているのもしれない)。

それなりの仕事量はもらえているのでケイレツがどのぐらい病んでいるか気が付かない。改革が行われない環境では残業時間を増やせばなんとかなるという思想になってしまう。それは派遣切り、過剰残業の原因の1つとなっている。

現場のことを理解しない指揮・命令

ケイレツでは多くの企業の集合体となるのでTOPから実務を行う企業までのパスが長く、現場のことがわからない人が命令を出すことになってしまう。書類上は請負契約となっていても大手企業が中小企業が採用する人材(人事)の決定権を持っていたり、他の企業の人材に対して直接指揮命令をしたりする。ずいぶん無礼な振る舞いであるが、仕事の依頼主がある特定の企業に依存してしまっていると、この無礼な振る舞いも容認せざるをえなくなる。

ビジネス責任を大手企業が負うのならばまだしも、失敗を隠し中小企業側の担当者の能力不足のせいにしてしまうこともある。無理難題、わがままを言うだけで責任をとらない、プロジェクト全体の成功を考えない。大手企業が「ビジネス・パートナー」ではなく、「お客様」になっている。

特に設計/開発の仕事では多くの知識が必要になるのだが、大手企業の人間は毎日丸なげをしているので10年経っても一人前になれない。技術的なことに対して正しい判断ができない、現場の状態を把握しないで命令を出してしまう。

間違った命令を出してその責任をとらない。そうすると現場のやる気(モチベーション)が下がるばかりでなく、プロジェクトを失敗させる原因にもなる。ケイレツ全体では資本力が大きいので少しばかりの失敗で転覆することはなくなるかもしれない。しかし「臭いものには蓋」ということを続けていると徐々にケイレツ全体の資本力は弱まりいつかは死にいたる。そしてケイレツの健康状態を把握しているのは上層部のごく一部の人間だけだ。

命令を出す人間と実行する人間が同じ部署にいないと相手のことを考えられないということもある。大手企業の人間が電話・メールで無理難題を押し付けて先に帰ってしまうということも同じ場所で仕事をしていないからだ。

同じ場所で仕事をしていれば部下が遅くまで残業しているのに上司が先には帰りづらいであろう。なぜならどの程度苦しんでいるか目の前で見れるし、あまり無茶な要求をすれば部下から反感をかいその場所にいづらくなるから。

従来は、社内で受託開発を行っていた企業は営業力が弱く、ケイレツに組み込まれたに等しい状態になっている。そのような派遣会社では、経営者がその意思で方針決定をできなくなっている。そう「コンビニの店長」と同じだ。

「丸なげ」が起こりやすく、仕事の発注元から実務を行う企業までパスが長くなると、間に入る企業数が多くなるので実務を行う企業が搾取されることになる。調べて間に入っている企業数におどろいた。

利益を生まない「伝言ゲーム」は無駄な工数を消費し、情報を伝達するのに時間がかかる。実務を行う企業にとって企業同士のフェーズ合わせに時間がとられ、短い時間で作業を行わなければならず、現場に負担がかける。IT関連の仕事では仕様変更がたびたびあるので伝言ゲームのパスが長いとそれだけ不利になる。

中小企業(実務を行う企業)の苦悩の原因となっている。

日本はどこへ行けばよいか?

経済優先の世の中ではどうしても「グローバル化」が必要になる。 ケイレツの中に引きこもっていないで積極的に世界に出て行く必要がある。それには独自の技術を持ち、大手企業を対等に交渉できるようになること。つまり「ベンチャー企業」をめざす。製造は今後不利になるので日本を設計/開発の拠点とするのが良いだろう。

あるいは、設計/製造をやめてしまって、営業/サポート/翻訳のみに集中するという方法もある。TPPが実行されれば中国などから安い商品が多量に流入するであろう。ケイレツには属さないで独自にアジアから良いものを探してそれを積極的に輸入販売するのはどうだろうか? その際に言葉の壁があるので日本人がマニュアル(ソウフトウェアのヘルプファイル)の翻訳を行い、営業/サポートする必要がある。

人の幸せはそれぞれで自分の価値観を周りの人間に矯正してはならない。お金さえ沢山あればしあわせと感じる人もあれば、個人や家庭の時間を大切にする人もいる。どちらが正しいと言うのではなく、人それぞれに生き方、考え方があると言うことだ。そしてお金がほしい人、時間がほしい人それぞれ労働者が選択できることが重要だ。日本人は周りと同じにしなければならないという気持ちが強く、国内の企業における働き方や賃金が同じになってしまっている。これからは海外に目を向けた「グローバル化」が必要であるし、どこの企業でもやっていない働き方を試してみるのも良い。

国内で安い労働力を探すのではなく、積極的に海外に アウトソーシングをするとか、積極的に最先端の技術に挑戦し、優秀な人材を高い給料でスカウトするということも積極的に行うべきであろう。後ろ向きなビジネスではなく積極的に打って出るビジネスが必要だ。そのためには「働き方に多様性を」、「多様性のある企業」が求められる。7Hの短時間労働、残業なしの労働を労働者個人個人で選択できることを法律で義務化するのはどうだろうか? 結果が出せた人に1ヶ月のバカンス(または追加の有給休暇)を与えるというのも面白い。

アメリカでは、結果が出せればそれに見合った給料や1ヶ月のバカンスがある。日本で、スキルアップを行うと余計たくさんの仕事がふってきて過剰残業を要求される。給料は、年功序列で決まっている。派遣では職種/性別により企業が決定する。まことに夢のない世界、まじめにスキルアップした人間が損をする世界だ。これではやる気は起こらない。

ビジネスで必要なのは、家庭や個人が犠牲になることではない。自己犠牲がりっぱだという考えがあるので犠牲になることが目的になってはいないだろうか? 目的を履き違えてはいけない。目的・成果とは何かもう一度考えてみよう。

2013年10月10日木曜日

復興特別法人税のゆくえ

最近は、 復興特別法人税撤廃、法人税の引き下げ、消費税の増税(8%)がなど話題になっているようだ。個人や家庭に対する負担を増やして企業に甘い政策になっているのはなぜだろうか?

法人税改革

法人税の減税を行うのであれば、その際に雇用対策や ブラック企業対策もかねるのはどうだろうか? 労働者が経営者に意見できない状況であるので行政が民間企業を評価するようにするのが良いだろう。ブラック企業は自分だけ儲けようとしているわけだから、その弱者から搾取した分を税金として徴収し、それを社会を良くするために使う。

たとえば行政が企業の評価を行い以下のように採点を行い、その結果に基づき法人税率を変える。

具体な評価基準 【提案】

100人以上の事業所について下記の項目を民間企業に報告、自社のwebで公開させる。 100人未満の事業所は原則として評価はしないで「評価C」とする。ただし労働者からのクレームの多い、または過去3年以内で労働基準法違反があった企業は人数に関わりなく評価を行う。何がブラック企業か? 定義が難しいので1年に1度評価項目やポイントのつけ方は再考する必要がある。

  • 労働基準法に違反していないこと。
  • 各職種ごとに男女の構成比率を統計し、極端に偏っていないこと (ただし合理的な理由がある場合は除外して良い)
  • 各部署ごとに50才以上/50才未満の構成比率を統計し、極端に偏っていないこと (ただし合理的な理由がある場合は除外して良い)
  • 雇用の際に年齢や性別で差別が行われていないこと。 (50才以上を積極的に雇用する措置は良い)
  • 1ヶ月あたりの平均残業時間が20H未満であること。
  • 7Hの短時間労働の枠を従業員の人数の5%以上設けていること。
  • 請負/派遣の人間に対して派遣先の管理職が残業を矯正していないこと。 (残業の命令を出すことのできるのは派遣元だけ)
  • 雇用契約時に書類で条件を明示し、本人の同意を得ていること。 (労働基準法では口頭だけで良い項目もあるが、全て書類で明記するのが望ましい)
  • 不当な解雇をしていないこと。 (雇用時に短期派遣(雇用期間を明記)であることを労働者に説明をして、納得をして契約しているのであれば問題ない。長期派遣と言いながら契約の途中で解雇したり、正社員(特定派遣)だと言いながら仕事がなくなったから解雇するとか、新卒を壊れるまで酷使し使いすてするとかはブラックである。※転職率だけで善悪を判断しないこと)
  • パワハラが行われていないこと(1) 暴力、人間性を否定する暴言や罵声、人間関係からの切り離し(無視、仲間はずれ)をしていないこと。
  • パワハラが行われていないこと(2) 過大な要求(絶対に不可能な日程表をおしつけるなど)、過小な要求(仕事をあたえない、その人の能力にそぐわない単純作業をやらせる)、個の侵略をしていないこと。

民間企業は掛け声だけでは動かない。評価A(優良企業)~E(ブラック企業)の5段階評価とし、この評価結果に基づき法人税率を変化させる。お金の損得に関係することには敏感であるからブラック企業対策にはこれが有効。企業の査定結果をインターネット上で公開するようにすれば、あまりあこぎな商売はしなくなるかもしれない。評価内容を吟味すれば、雇用に関する年齢や性別による差別、失業率の改善などみこまれるであろう。

社会に貢献している企業とブラック企業を同じ扱いにしてはならない。

最近の労働法改正は何かおかしい。 法律の改正の際に弱い立場の人(たとえば派遣やパート)から意見を聞いたのだろうか? お金持ちに都合の良い社会になっていくのはなぜだろうか? ほんとうに「袖の下」はもらっていないのだろうか?

日本は「事なかれ主義」で不平が出そうなことはやらないということもある。だから解決できるはずの問題点がいつまでも手付かずのまま改善されていない。行政がはっきりした態度で「ブラック企業の取り締まり」を行うべきだ。

⇒なくそう、職場のパワーハラスメント

⇒日本共産党・ブラック企業規制法案の提案

若いうちは働け!ワーク・ライフ・バランスなんていらない?

「若いうちはたくさん残業しろ」といっている人の中には、世の中お金が全てであり、労働時間を増やせば利益が上がると信じている人と、単に自分の若い頃と比較してひがんでいるだけの人がいるようだ。若いうちは先輩の分まで仕事をして、重役になったならばサボっても良いという因習がある。この因習を信じていた人は若い頃自分は沢山残業してがんばったのだから今度は楽をできると思っていたのにという感情的な反発だ。

まず前者(残業すればもうかる)だが、最近はアジア新興国との価格競争が激しく同じ仕事をしていると労働時間を増やしてもワーキング・プアになるばかりだ。社会人で時給800~900円の仕事をしている人がかなりいる。 ここで統計を見てみよう。日本人(東京)の平均年収は362万円ぐらい、中国人(北京)の平均年収は63万円ぐらい。5.7倍の給料差がある。 日本製は信頼性、品質に優れているといわれていたが現在ではアジアでも日本製と同等の物が作れるようになった。 世界と競争しているとは実感はなくても多量の安い商品が輸入されているわけだから、まともに競争すれば1/2とか1/5の価格で売らなければならない。労働者の時給もそれなりに下げなければならなくなる。

⇒月給サーチ(世界の給料、労働時間統計)

簡単にはまねのできない高度な仕事、あるいは競争しなくても良いサービス業に移行する必要がある。残業時間を増やすことは、少し問題を先送りすることはできても根本的な解決にはならない。世界に目を向けないで、ケイレツにしがみついていれば仕事がある、何とかなると思っている経営者はあまりに多い。改革が必要なのだ。

設計/開発を行う人間は新しい技術を進んで学習する必要がある。 毎日、遅くまで残業、社内では目先のことしかできない状況では、新しい技術の習得はできない。目先のことに追われて、スキルアップを怠っていると次の製品で他社に負けてしまう原因となる。基礎的な勉強をするために企業が残業代を支給するのは難しい。それに会社にいると雑用に追われて机上での学習は困難。だから残業を削減して自宅で学習する必要がある。そして結果がだせたならばその成果に対して会社は対価を払うようにする。 たくさん残業した人がえらいとか、タイムカードで人間を評価するというのはダメな管理法だ。

そもそもプロの仕事で重要なのはやりかたではなく結果だ。 ここまで仕事が終わらなければ帰っちゃだめというのは「まさに小学生の管理方法だ」。 (そもそも派遣の場合で残業の命令を出せるのは派遣元で派遣先にはその権利がない。労働法を知らない管理職があまりに多い!工数計算のできない管理職が実現不可能な日程表をゴリオシするとかレベルが低すぎるw) 本人の意思で残業しているならともかく、管理職の都合で残業時間を増やしても効率はあがらない。大企業病といってみんなやる気がないが上司より先に帰ると査定に響くからとか、同僚からひがまれるからという理由で会社の中でブラブラしているだけという光景を見かける。会社にいるから仕事をしていて、自宅にいるから仕事をしていないというのは設計/開発の仕事にはあてはまらない。

次に後者(ひがんでるだけ)だが、 現場の人間は、労働を提供して給料をもらう立場。経営者は労働の提供を受けて給料を支払う立場。隣の人と比較しても仕方のないこと。経営者は、仕事のしやすい環境を提供する義務がある。給料が少ないとか、残業が多すぎるとか、労働する環境が悪いのであればひがむのではなく経営者と折衝すべき。日本では労働組合がない、またはあっても力が弱いのでなかなか経営者に意見できない。結局、隣の人と比較してグチをいってるだけになってしまうことが多いようだ。

高度成長の頃は、なかよく仕事をしていたし、働くほど給料もよくなり生活は向上した。 そして終身雇用で社内で仕事をすることができた。今は、搾取するだけの経営者、いくら働いても給料はよくならない。エンジニアの仕事は特定派遣が多くなってしまった。そして正社員/派遣の差別待遇、いじめ。雇用は保証されない。年金も支払われるどうか疑問。同じ労働時間であっても「いやな疲れ方をする時代」になってしまった。

今の若者の方が良いとは必ずしもいえない。隣の芝生は青く見えるものだ。ひがむだけでは何も解決はしない。幸福は自分でつかみとるもの。自分から行動を起こし、選択してゆくことだ。今まで過剰残業が当たり前だったのは、終身雇用だから経営者に意見すると、会社にいずらくなる。だから不満があっても黙っていた人が多い。

プロの仕事は結果が全てで手段は合法的かつ周りの人に迷惑をかけなければどうでも良い。 実際に、出社時間自由、お昼ねも自由の企業がある。仕事の結果を評価し、労働者が目標をしっかり持っていればそれでも事業は成り立つ。大抵の会社は、年功序列で給料を決めているのでそうするとただだらける人が多くなってしまうので採用できないだけ。 なにも他の会社と同じにする必要はないのだから経営者と労働者で話し合いを行い多様な会社が存在して良いはず。

人生は1度きり、あなたには選択する自由がある。転職をしても良いし、自分たちで新しい会社を作っても良い、自営業になっても良い。あるいは労働組合をつくり折衝する。リスクを恐れて何もしなかったのではないだろうか? 家畜(社畜?)になっているのは実行しないからだ。

ブラック社長は、この不況で転職はできないだろうとたかをくくり、仕事をする環境の改善はせずに最後の1滴までしぼりとろうとする。ブラック企業に居続けることは、ブラック社長にエサを与えていることに等しい。なぜならばブラック社長とそのとりまきだけで事業はなりたたないのだから。

幸福になりたいと思ったならば実行しよう。

⇒ブラック企業対策に国が本気?

ブラック企業の判定基準やどのようなペナルティがあるのか国民に開示する必要があるであろう。取締りの途中経過なども逐次公開していく。 法律を遵守している会社(コンプライアス)なら何も怖くはないはず。経営者をしていながら労働法がわからないという言い訳は通らない。分からないならば社内で詳しい人間に聞く、あるいはコンサルタント業者に依頼する方法もある。

2013年8月31日土曜日

働いたら負け

「働いたら負け」という名言は、あるテレビ番組で25才の男性が発言しブームになったそうだ。現代社会は、商業主義で多くの人間は搾取される立場にある。 搾取されたくなければ、搾取する立場(経営者)になるか、サラリーマンをやめて自営業になるか、ホームレスになるかしかない。経営者になるのも自営業になるのも容易なことではないので、多くの人たちは搾取されることに嫌悪感、苦痛を感じながらもあきらめてしまっている。
サラリーマンとして働くということはブラック社長にお金と時間を上納することになるので、商業主義あるいはブラック企業に負けたという意味なのであろう。 口にすれば「ダメ人間」のレッテルを貼られてしまうようなことをあえて言ってくれたことに対する共感があるのだと思う。

若者の離職率

最近は若者の離職率が高いと聞く。終身雇用は日本独自のシステムであり、他の国では条件の良い会社があれば転職するのが当たり前だ。まず離職率が高いと何が問題なのだろうか?

1つには社員を教育したり、求人にお金をかけているので長く働いてもらわなければ困るということがあるだろう。終身雇用は今後も続いてほしい、続くはずだと思い、教育や求人にコストをかけすぎているのかもしれない。日本では、「仕事のやりかたが同じでなければいけない」というこだわりが強くそのために無駄なコストやアツレキが発生している。会社での教育とはやり方ではなく、考え方を教える。そして結果が重要なのだ。海外では日本のような教育の仕方はしない。

基礎知識の教育(会社によって異ならない知識)においては業界全体に貢献する仕事と考えるべき。現在は派遣が一般的になってきているので人材は業界全体でシェアする時代だ。 他の企業で教育をうけた人間を中途採用することもあるわけだからこれはお互い様ではないだろうか? (ただし人材流動化が進めば基礎知識の教育はしずらくなるので個人が自宅で学習することも必要だ)

派遣であっても1人の審査に1ヶ月以上かかる場合がある。 求人にお金をかけすぎてしまうというのも終身雇用前提で考えているからであろう。 そもそもトカゲの尻尾あつかいなのになぜそんなにコストをかけるのであろうか?

最近は雇用が悪化しているので、退職してしまうと次の仕事がなかなか見つけられない。離職率が高いと生活に困る人が増えるというのがある。失業率が高くなっているのは、多くの企業で人数を減らして、その分残業時間を増やしているからである。また行政が36協定、労働基準法の違反者を野放しにしているからである。

使用者側は働く環境を改善することに無頓着で労働者側を悪くいっているだけのことが多いようだ。人がどんどんやめてしまう会社には問題があることを認識し、現場の人間と本音で話すことが重要であろう。やりがいのある仕事でワーク・ライフ・バランスを考えている企業であれば辞めてしまうことはないはず。

元凶は、自分だけ儲けようとしているブラック企業なのでその更正が急務であろう。 みんなが苦しい時だから仕事はみんなでわけあう「ワークシェアリング」が必要。特にIT業界は、労働基準法を無視した過剰残業が多いので、それら違反者に対して積極的に罰金を徴収するようにすれば、失業率と離職率が改善するであろう。

最近は、特定派遣といって社内に仕事のない会社の正社員になり、客先企業内で仕事をするのが多い。この場合は1つの派遣先の仕事が終わり、次の仕事まで間が半年ぐらい開くときられてしまう。つまり正社員というのは言葉のあやで、労働者を縛っておきたくて、次の仕事まで間、仕事がなくても給料が出ますといっているだけ。

終身雇用が崩壊しつつあることはみんな知っている。 なので若年層は転職してもあまり金額は変化しないので転職しやすい。そもそも条件の良い会社があれば転職するのは自然なこと。中堅以降は転職すると給料の面で損をするので転職を思いとどまる傾向が強い というだけなのかもしれない。

離職率が高いことを「近頃の若者はがまんが足りない」という言葉だけでかたずけてしまうと本質を見失う。企業側の問題とつき合わせて考える必要がある。 そもそも人材の流動化が必要だということで派遣を自由化をしたはずなのに、蓋をあけてみて企業が求めていたのは「トカゲの尻尾」と「安い労働力」というのは問題だ。

⇒若者雇用関連データ(厚生労働省)

搾取される労働者

たしかに現代社会ではお金は必要で、働かなければならない。

そして私たちは仕事だけではなく家庭や遊びも必要なのでそれらのバランスが必要(ワーク・ライフ・バランス)。まったく働かないというのは問題であろうが、何時間働くかは個人で選択すべきであろう。たくさんお金がほしい人はたくさん残業すれば良い。お金に頼らない幸福を求めるのであれば労働時間を短くできるのが良い。経営者は搾取するために労働者を飼っているわけで、そのため過剰残業が当たり前になっている。選択する権利がないのが問題だ。

人が最低限の幸福が得られるようにるために法律がある。 ところが労働法を守らない企業は多く、どこまでが正常で、どこからブラック企業であるかの線引きは難しい。法律での趣旨は基本は法定労働時間である8H/1日で業務が終わるように努力すること。企業により都合が異なるであろうからどうしても8H以内に終わらないのであれば、労働者と経営者で話し合いをして36協定を作れということ。何時間以上がブラックという線引きではなく、労働者と話し合いをしないでゴリオシをする企業がブラックであろう。

今まで労働法(36協定違反)の違反行為は黙認されてしまっているが、その影響で失業率に悪い影響がでている。今後は違反者の摘発、具体的なペナルティー(罰金を払わせる)などの対応が必要だ。現在の法律では個人の都合、家庭の都合などで労働時間を設定することができない。これからは多様性が必要であろう。

オランダのワークシェアリングで驚異の低失業率を実現できたのも労働者の希望で短時間労働を選択できるようにしたことが大きい。日本では派遣切りで人数を少なくし、労働時間を長くしている。これは働けるが仕事のない人を増やし、仕事にありつけた人は過剰残業に苦しむ という状況だ。これは労働者を不幸にし、日本経済にとってもマイナスである。

本来は、働く喜び(たとえば労働者が学習して向上していくこと)があったはず。 行き過ぎた商業主義は、「働くこと=搾取されること、苦痛」になっていることが問題である。そしてお金持ちは自分だけ得をすることを考え、みんなで幸せになることを考えない。ここを改善していく必要がある。

⇒とっても大事なサブロク協定

2013年7月13日土曜日

雇用対策のあるべき姿

景気は回復に向かっていると言われるが、雇用についてはまだまだ問題がある。 特にパワハラ、いじめが横行し、失業率は改善されていない。

横行するパワハラ、いじめ

パワハラ、いじめが横行している。

⇒パワーハラスメントが深刻

人減らしのため、あからさまに解雇を通達すると問題になるので労働者から退職願いを提出するように仕向ける。いやな時代だ。

またこんなことがあるかもしれない。
ある日、部長が後ろから肩をたたき、「ちょっと会議室まで来てくれ」と言う。そして「退職願いを書け」と言う。もちろんそんな時に退職願いを書いてはいけない。それは企業の都合では簡単に解雇できないので労働者からの申し出ということにして事務処理をしたいということと、雇用保険の支払いなどで有利になるためでもある。そのような時には労働組合、労働基準監督局、あるいは味方になってくれそうな先輩に相談してほしい。

いずれにせよ、経営が苦しいが行政が解雇を禁止にしている。その歪がいじめ、パワハラに形になって現れている。

であるから企業に人を縛りつけることが雇用対策ではない。企業は利益優先であるので経営が悪くなると人を解雇しようとする。そして経営者の失敗であっても都合の悪いことは隠蔽し、弱い立場の人を解雇する。

失業率という数字を改善する必要はあるのであるが、本質は人が幸せになることであるということを忘れてはならない。解雇を禁止するのではなく、再就職しやすい環境を作る。残業を禁止して雇用を増やす。労働者の都合で退職するのであれば1ヶ月前、会社の都合で解雇するのであれば1年前(ただし派遣は契約の切れ目で更新をしないと言って良い)という法律を作ると良いかもしれない。

日本人は働き者? ストレス、離婚、自殺

お金儲け優先の社会(商業主義)はストレスを増大させ、離婚、自殺を増大させている。

統計をみてほしい
⇒ストレスの統計・労働者の健康状態調査報告 (厚生省)

強い不安・悩み・ストレスが 1982→2002で増加の一途である。

自殺者も増加している
⇒自殺者の統計

日本の自殺率は、先進国の中で最も高い。
1998年に急増し、そのまま高止まりとなっている。自殺者数は東京が最も多い。「日本人は働き者だ」などと言うと聞こえが良いがはたして仕事がおもしろく進んで残業をしている人はどのぐらいいるだろうか?(みなさんの周りを見渡してほしい) 私には貴重な時間を搾取され、ストレスにさいなまれているようにみえる。明らかに労働者は不幸になっている。そんなにお金が大切なのだろうか?

うつ病、離婚も増加している
⇒うつ病の統計
⇒離婚の統計

昔は、「家族みたいな会社が良い会社だ」と言い、なかよく仕事をしていたと思う。しかしお金がなくなると、会社をやめさせるためにパワハラ、あるいは沢山残業させた方が儲かるという考えから発生する非人間的な残業の強制! きびしいノルマ! 短い期限! 労働時間が同じでも大きなストレスがある。

ほんとうに会社が家族であればお金がなくなったからといって、パワハラやいじめは発生しないはず。「会社はビジネスをする場所」「家庭はくつろぎ、愛の場所」というけじめが必要であろう。つまりワーク・ライフ・バランスが必要ということ。

失業率対策

有効求人倍率が改善したと言われるが、失業率は改善されていない。それは、今のうち良い人材を拾っておこうという気持ちはあるが、1年ぐらいじっくり検討して1人だけ採用するような企業が多いのかもしれない。 エンジニアの仕事では派遣会社の求人が多く、それは個人情報の登録をさせるための求人であり、実際には働ける派遣先がないので仕事がないということもある。

座学で取得するような資格では企業は採用しない。企業が求めているのは、実務経験のある人材だ。企業は、教育にかかるコストを嫌がっている。行政が考える職業訓練では難しいであろう。

採用時における年齢や性別に対する差別は、人材の採用状況をwebで開示させる。または採用状況で法人税率を変化させるなどの具体的な対策がなければ企業は動かないであろう。(掛け声だけではダメ)

ワークシェアリングが根本的な解決方

残業を削減しても利益率は減少しなかったという統計もある。 実際にはやる気がないのにお付き合い残業しているとか、無駄な会議が多すぎたり、管理職が作業工数や仕事の優先順位を考えないでなんでもメール転送する(無駄な仕事を増やす)。それをやめれば良い。ようはやり方だ。

仕事が少なくなっているのではなく、派遣切りで利益率を改善しようとしているのが問題。睡眠時間を削らなければならなくなるまで無駄な仕事をやめられない。

残業に頼らなければ業務のできない体質からの脱却が必要である。椅子の数が不足し、椅子取りゲームになっているので必ず椅子に座れない人がでてくる。残業を禁止し、椅子の数を増やすことが根本的な解決法である。もちろん7H以下/1日の短時間労働を選択できるようにすることも考える。

ブラック企業をしめだせ

⇒ブラック企業タレコミ

就職する際にはインターネットで口コミを検索し、くれぐれもブラック企業に就職してしまわないように注意されたし。間違ってブラック企業に就職してしまったら勇気をもって転職を。

ブラック企業に人を紹介してしまうのはハローワークや派遣元会社にも責任がある。こんなルールはどうだろうか?

ハローワークで求人をする時には必ず平均残業時間と36協定の有無、36協定のリミットを求職票に明記をする。そして就職後1ヶ月ぐらい経過してからハローワークから労働者に確認の連絡をし、実情の残業時間が、平均残業時間と大きな差がないか、36協定のリミットを超えていないか、パワハラが行われていないかチェックを行う。問題のある企業は、ハローワークのデーターベースに記録を行い、労働者にこんな企業であるがほんとうに就職しますかと本人の同意を確認する。

問題点は、労働基準監督局に報告を行い、労働基準監督局から企業に行政指導を行う。指導に従わない企業、あるいは長期間にわたり改善の行われない企業はブラック企業として認定を行い、ハローワークでの求人活動を認めない(あるいは労働基準法違反で経営者に罰金を課す)。労働基準監督局が調査を行い改善されたと認定されたなら求人を再開できるようにする。同様な責任を派遣会社にも適用すべきであろう。

その他、やるべきことは

やるべきことは、会社の透明化、人材流動化である。労働時間はすべて同じにする必要はない(多様化の実現)。今まで聖域と言われてきた給料体系にもメスを入れる必要がある。

企業内でのパワハラ、過剰残業などを行政が監視する必要がある。労働基準監督局と警察が連携し、あこぎな経営者を教育/指導する。

会社やお金に縛られるのではなく、幸福になるにはどうすれば良いかを考えてほしい。転職にはリスクがあり、給料が安くなってしまうかもしれない。しかしお金以外にも幸福はある。

2013年4月21日日曜日

TPPと人材の流動化

最近はTPPなど自由競争が激化する動きがある。 自由競争を加速させると、農業従事者、自営業者など競争力の弱い人たちは生活がなりたたなくなり、転職/再就職の必要が出るであろう。
自営業の人たちは、サラリーマン固有のパワハラや自由がないことを嫌って、自営業をしている傾向がある。これらの人がサラリーマンの仕事に適合するためには、会社の多様化、人材流動化が必要であろう
TPPを導入するのであればまず先にこれらの問題を解決する必要がある。 そうでなければ、多数の失業者が発生し、日本の経済はさらに傾いてしまうであろう。

年齢による差別

日本経済にとって儲からない職種/業界から利益率の高い職種/業界へ移行することが必要だ。しかし年功序列、終身雇用が色濃く残っている日本では人材の流動化が難しい。特に人材を採用する際に年齢、性別による差別があり公平な審査が行われていないことが問題である。 実際に職務経歴を見ないで年齢で断られてしまうことは多い。

企業の考え方を変えさせるのには次のような法改正はどうだろうか? 従業員XXX人以上の大手企業に対して、50才以上の人間を正社員として雇用する目標値を設定させる。そして1年毎の目標値と結果をその企業のwebで公開させる(新卒の採用者数、男女の構成比、育児休暇取得率なども公開されると良い)。地方自治体のwebでもこれら目標値と結果を見れるようにする。

○○○株式会社は、地域社会に貢献します。というフレーズは広告でよく見受けられる。本当に社会の貢献するつもりがあるのか、あれは単なる建前で本当は自社だけ儲けることが目的であるのか? そのことが数字で明確になるようにする(会社の透明化)。もしもそれが恥ずかしいと思うのであれば努力するようになるはずだ。 企業ごとに都合があるので目標値は自分たちで決めさせ、自主的に活動するのが良い。

高齢化社会では60才以上の人間でも働く能力のある人には仕事ができるようにする必要がある。そのためにも1人1人の体力や健康状態に合わせて短時間労働が選択できるようにする必要がある。

男女平等と少子化対策

男女平等という言葉は建前になっている。 今だに男性は残業を強要されるが給料が良い。女性は残業をしなくても良いが給料が安いという慣例がある。男性は、育児休暇がとれない。これは統計によれば「取得率:女性90%、男性2%」と圧倒的な格差がある。「お父さんも子供とふれあいたい」と思うがお父さんが家に帰れるのは子供が寝てからだ。母子家庭には援助があるが、父子家計には援助がない。

就職時に「小さな子供がいます。」と言ってしまうと採用されない。少子化対策としても子供を持つ親が働ける環境(ワークシェアリング、父親の育児参加)が必要であろう。

商業主義(お金儲け優先)の社会は人を不幸にしている。

こんな案はどうだろうか? たとえば役所と同じビルの中に公立の幼稚園を設立し仕事帰りに子供を迎えにいけるようにする。そして行政が積極的に小学生までの子供を持つ親(離婚家庭)を派遣として雇用する。

子供が病気の時にお互いに預け/預かるネットワーク作りを率先して行う。残業ゼロで仕事を実行できるようにワークシェアリングを行う。仕事と家庭を両立するノウハウを確立し、のちのちにはそれを民間企業に伝授してゆく。お金をバラまくのではいつまでも自立できず、高校まで援助してくれ、大学まで援助してくれと際限なく血税を浪費してしまう。子供が大人になったなら親は仕事にありつけるのだろうか?

そうではなく実務経験を積み、子供が中学に入ったら民間企業で仕事をできるようにする。お金をばらなくではなく、仕事を与えるということが大切だ。

今だに性別で職種が決まってしまう傾向にある。たとえば女性は管理職になれないとか、服が汚れる仕事や重いものを持つ仕事は男性だけとか、工場の製造や検査は、求職票には女性だけの求人とは書いていないが、男性が応募しても断られる。男性がその仕事をしても何も問題がないはず。適正があるかどうかは性別ではなく職務経歴やその人の個性をみて判断すべきだ。厚生労働省からは男女平等という建前があるが、ハローワークの職員は企業側の都合を優先し、男女差別を認めてしまっている。日本は先進国のなかで最も男女差別がひどい。

⇒雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために(厚生労働省)

⇒日本は世界最悪の女性差別国家

実務経験がない人にもチャンスを与える

儲からない業種から儲かる業種に人が流れていくことが日本経済にとって必要。しかし再就職の際には、実務経験があることを条件としている企業が多く、ことなった業界/職種へは難しい。関連する資格をとっても、実務経験がなければダメ言われてしまう。企業は教育にかかるイニシャル・コスト、リスクを嫌っているためだ。

1年ぐらい就職活動をしていて雇用してくれる企業がなく自殺してしまう人がいるそうだ。 ことわられ続けていると自分は無能な人間だ、社会全体から否定されている気分になってしまうのだと思う。新卒の人は当然、実務経験がないわけだが、これらを敬遠してしまっている。派遣が普及したため人材はお金で買ってくる時代になってしまったためだ。 紹介予定派遣の活用がもっとされて良いと思う。

儲からない業種をメインとしている企業は、業務内容を改革していく必要がある。 教育や設備投資にはコストがかかるから嫌だといっていつまでも改革を行わないと、次第に企業の競争力は低下して立ち行かなくなる。かといって長年会社のためにつくした人を解雇してしまうのは人を不幸にする。再教育には時間がかかるので計画的に改革を進めていく必要があるのではないだろうか?

企業合併すれば何とか持ちこたえられるとか、残業時間を増やせば利益率が改善されるのではといって改革を行わないのは、「やるべきことを今しないで問題を先送りにしているだけ」である。やるべきことを先送りにしていると問題点は積算されていき、未来で会社を転倒させる大津波となるであろう。

面接官の主観

就職時の審査は、職務経歴や面接時の知識確認で判断するのではなく、面接官の主観(好き/嫌い)で決まってしまうことがある。 行政からは公正な採用をと呼びかけはあるが、面接や職務経歴、筆記試験では本当に使える人間か判断するのは難しい。 そして終身雇用を前提としているので新規雇用について慎重になりすぎている。 審査に時間、コストをかけるのではなく 紹介予定派遣を使用したらどうだろうか? 実務をやらせてみるのが一番確実な判断方法だからだ。

エンジニアは技術力を見てほしいと思う。しかし審査の際には、若くて家が近い人が良いという理由で選別されてしまうことがある。本来は定時までに仕事を終わらせるという目標を持って行動すべきであるが、沢山残業させることが目的になってしまっている会社が多い。面接官は仕事の能力のある人ではなく、都合の良い人を選んでいる。 また面接担当が営業である時には、表情でやる気は測る傾向がある。面接の際には新しい仕事に対する不安がある思うが暗い顔をしていると落とされてしまう。営業は技術的なことは良く分からないので職務経歴は重視しない、精神主義的な面で判断をする。

特定派遣の問題点

特定派遣(正社員として一旦雇用して他の会社で働かせる)はシステム的に無理がある。 現在のような不況の時期には1つの派遣先が終わって、次の派遣先が決まるまでに半年ぐらいかかる。その間、派遣元に給料を払わせるには無理がある。

実際には半年ぐらい仕事が決まらないと首になるのに、あたかも定年まで給料が保障されているかの印象があるので不誠実である(企業は利益優先だから当然)。 要するに派遣先の人が「正社員です」というと安心して仕事をもらいやすくなることと、労働者をお金で縛っておきたいというニーズがあって特定派遣というシステムを考えたのだと思う。

正社員として一旦雇用させて他の会社で働かせるシステムにすれば雇用が安定するのではないかという浅はかな考えだ。いかにも業界/現場のことを知らない人が考えたシステムであると言わざるを得ない。 このシステムでは労働者が特定の会社に縛られてしまうので2重派遣、3重派遣が起こりやすい。人材の流動化が必要だといって派遣のシステムを導入したのに特定の会社に縛られ続けるということ自体矛盾がある。 1つの派遣会社で取引をしている顧客には限りがあるのでその中で適合する派遣先を見つけるのは難しい。大手企業は取引を行う派遣会社を制限している。なので派遣会社に派遣するということが行われてしまう。

常駐せよというのは顧客(派遣先)が心配だから仕事の細かいところまで指揮命令をしたいという意味。顧客の方が力が強いので「請負契約だから派遣元のリーダーが指揮命令します」と言うのは現実には困難である。

書類上は「請負」ということにして法律の網をすりぬけているが、実際には派遣先の人間から直接労働者に細かい指示をしていたり、場合によっては派遣先の人間に許可をとらなければ帰宅できないようにしていたりする。(これは2重派遣契約の働き方) ほんとうに請負ならば自社の判断で仕事をしているということなので、仕様を決めるのは顧客(派遣先)であるが仕事の仕方は自社で判断し、残業すべきかは自社で判断するはず。

請負にした方が金額的に有利だからとか、2重派遣になるのを防ぐため、労働法の制約から逃れるため書類だけ請負にしておくというのがよく行われる。

派遣が、低賃金の人を使い捨てにするツールになっていることが問題だ。たとえばエンジニア派遣では、CAD入力、もしくは評価だけという仕事となっており、設計や開発をやらせてもらえることが少ない。時給の高い仕事こそ派遣を活用すべきではないだろうか?

最近は、低収入の人間は短期のアルバイトを禁止する法律ができたそうだ。短期派遣の間が開いてしまう時にアルバイトが必要になる。これは人材の流動化を妨げるので逆効果である。短期の仕事を禁止するのではなく残業をゼロにして雇用を増やし、多くの人に仕事が回るようにすることが急務である。

真の意味での人材流動化

特定派遣だと簡単に解雇できないので採用が進まないという問題がある。 一般派遣(契約社員)ならある一定の期間だけ使うことができるので企業としては採用しやすい。定年まで給料が保証されないと嫌だという思う人もあるのだろうが、世界はつねに変化しており、企業もそれに対応していかなければならない→だから人材流動化が必要。 生活の保障をしてくれるのは会社ではなく自分自身の業務能力であるという認識をもち、積極的にスキルアップが必要。どこで仕事をするかはどうでも良い。どこの会社でも仕事はしていけるという自身/実力こそが重要。

なぜ雇用が悪化しているかは、正社員(帰属性)重視であること、残業時間を増やして人数を少なくしようとしているから。 一度雇用したならば簡単に解雇できないので新規雇用に慎重になる。 解雇できない仕組みを作るのではなく、再就職しやすい環境を作ると言うこと。 そして解雇が正当/公正であるかどうかを行政がチェックする。

終身雇用では、役職を持った人間は、役職に対して甘え、容易にパワハラを行い、仕事をする環境である会社を良くすることに無頓着になる。それは「この会社をやめたら仕事はないぞ! 俺の奴隷になれ!」という考えがあるのかもしれない。 会社を首になったらもう雇用してくれる所はないと考えてしまうから、ひたすら重役の機嫌をとることに専念し、スキルアップはしない。結果、企業の競争力は低下し、日本経済は停滞する。

平気でパワハラをする会社では働く人間がいなくなるようにすることが、経営者が労働環境を良くしていこうと考えるきっかけになる。多くの人に仕事が回るようにするためにも一般派遣の方が良い。一般派遣を推奨し、特定派遣は禁止にすべきではないだろうか?

長期休暇の応用

こんな案はどうだろうか? 時給2000円以上の派遣を11ヶ月労働させたならば1ヶ月の長期休暇を与えることを法律で義務化する。(仕事をしていない1ヶ月は給料を払わなくて良い) 長期休暇に入る直前に部長(雇用の権限を持つ人)と派遣労働者、1対1でおたがいに不満のある所を本音で話す。仕事の結果(査定)を開示し、次の1年の時給を交渉する。

派遣労働者に長く居てほしいと思うのであれば、派遣いじめやパワハラが少なくなるであろう。なぜならば、経営者/管理職からみて、新しい人に交換すると教育にコストがかかるから。派遣労働者からみて、必ずしも再契約してもらえるとは限らないので結果をだすために努力するようになるであろう。

単純労働(時給2000未満)では長期休暇が認められないので労働者は自分から勉強をするようになるかもしれない。

1ヶ月その人が居なくなるということは仕事の共有ができていなければならない。いやおうなく「ワークシェアリング」を考えざるをえなくなる。仕事の情報を共有できるようになるきっかけとしても有効だ。

ある特定の人物に仕事を集中して、まわりの人間が手伝わないというのは仕事に必要な情報が共有できていないから。病気や怪我でその人が休んだとき顧客に対して「担当者が休んでいるので対応できません」では恥ずかしい話だ。また特定の人に仕事が集中するというのは人を不幸にする。一向に普及しないワークシェアリングを推進する材料として最適であろう。

正社員からみると派遣社員は長期休暇をもらえてうらやましいと思うかもしれない。しかし派遣になるということは結果を要求され、リスクがある。

みんなを同じにしなければならないというのは「護送船団方式」「ことなかれ主義」の考え方だ。同じになることを矯正するのではなく「多様性」を実現する。そして、「ねたむ」のではなく、自分の生き方を決断、選択をするということだ。(経営者/管理職の都合をおしつけない)

自分の時間がほしいと思うのならば正社員から派遣社員に再契約をすれば良い。 このようなシステムは人材/仕事を強制的に循環させる働きがある。

農業の技術改革

農地区画面積を広くしただけではアメリカの農業には対抗できないであろう。 そもそもアメリカと日本の農業はやり方が違う。日本の農業は、地価が高いので労働集約的となっている。

農業従事者は高齢者が多くなっているので、新技術を学習しずらくなっているのかもしれない。人材の流動化(他の業界への転職)が必要であろう。

今後も農業でやって行きたいという決意があるのであれば技術革新が必要だ。 農業に機械が導入されても結局、人が操作しなければならないのでは人件費が問題になる。 ロボットを使用し、人件費を節約する。そのためには農業用ロボットの開発だけではなく、無人運転するための安全規格、その安全に関する法整備なども必要であろう。 スマートグリットなどの技術で、エネルギー、水、肥料を節約することも必要だ。

従来からある用途である食用/飼料用作物だけではなく、バイオマス(燃料や紙の代用品となる作物)など新しい用途にも 積極的にチャレンジすべき。

自分で畑を耕すだけが農業ではない。上記のパテントで収入を得るのも良い。 とにかく日本の農業には技術革新が必要であろう。

自動車業界の責務

TPPで儲かる業界と損をする業界がある。 得をする業界は自動車業界、損をする業界は農業であろう。 だから自動車業界は、廃業せざるをえなくなった農業従事者を積極的に雇用する義務があるのではないだろうか? しかし自動車業界は、他の業界からの人を敬遠することが問題だ。

農業用ロボットの開発には農業従事者の経験が必要なので積極的に活用できないだろうか? 自動車業界のメカ設計の技術、農業従事者の経験を組み合わせ うまく雇用、農業の建て直しができたなら良いと思う。

2013年2月11日月曜日

残業に頼らないで仕事を行うには

日本の会社はとにかく残業が多い。
最近は仕事が減っているわけではないのに派遣ぎりをして一部の人間に非人間的な労働を強いている会社もある。ワークシェアリングが必要の声があるが、一向に普及はせず、部署間での残業時間の格差もなくならない。残業に頼らないで業務を行う方法を考えてみよう。

残業の弊害

実務においては必ずしも高度な知識は必要なく、体力勝負ということがある。
しかし過剰な残業は、プライベートの時間、家族の時間を奪い、ストレスを与える。ストレスは人間の健康に悪い影響があるが、それは徐々に人を蝕むためになかなか因果関係を証明するのが難しい。

また人間の体力には個人差がある。だからどのぐらいの残業に耐えられるかは個人差がある。子供の頃、野山を駆け巡っていた世代と 最近の若者では体力が異なる。平均を1とすると0.5から2ぐらいのばらつきはあるだずだ。子供は周囲の環境に適応する能力があり、体力もその頃の生活習慣できまる。今の子供は、塾に通うか、家の中でコンピュータ・ゲームのどちらかで、体を動かす遊びをしない。上司から見て「最近の若者は...私が若かった頃は..」と言ってしまうが、実は上司の世代がテストの点数にこだわったり、外での遊びを教えなかったことが体力低下の原因となっている。

上司からみて怠け者のように見えても、それは体力がないためだ。このぐらい大丈夫だと思い無理を強要していると出社拒否になってしまったり、退職してしまうということが起こっている。これは「がまんが足りないのではなく、体力がないのだ!」

体力に個人差がある以上、管理職の都合で残業を強制するのではなく、本人と相談をするべき。お金がたくさんほしい人、プライベートの時間がほしい人それぞれ個人の都合があるので全てを同じにしようとしないことが肝要だ。会社に多様性がないから社会に適合できないで、ダンボールで暮らす人、違法な仕事をする人が発生してしまうのではないだろうか?

会社が個人や家庭のための時間まで搾取するということは次の世代に悪影響がある。子供どうしのコミュニティーが崩壊したのは塾の影響であるし、父親が子供と遊びたくても遊べないのは過剰な残業の影響がある。

たくさん残業させた方が儲かる、子育ては母親に押し付けておけば良いという考えには問題がある。母親だけに押し付けてしまうと子供をかわいがるだけになってしまったり、心配だからと言って家のなかに閉じ込めておくだけの対応になってしまう。母親、父親ともにストレスが増大し、家庭の雰囲気は悪くなる。実際に離婚率も増大している。子供が一人前になるのは単に甘やかすだけではなく、実社会で労働をしている父親の目が必要であるし、体力の向上という意味でもいっしょに外で遊ぶ経験が必要。アウトドアの経験をさせてあげるには父親の参加が必要ではないだろうか?

そして気持ちの余裕がないと創造的な仕事ができない。どうしても機械的な仕事になってしまうということも忘れてはならない。

沢山残業させた方が儲かる?

過剰な残業が発生しているのは沢山残業させた方が儲かるという思想があるからであろう。特に最近は、派遣切りをして特定の人間に過剰な残業をさせる会社がある。

ワークシェアリングをすると人数が多くなり、管理職の仕事が多くなる。また人数を多くすると事務所の面積、机と椅子の数、道具の数などが必要になりその分費用がかかる。

管理職の仕事が多くなるのは細かい部分まで上司が規定しなければ心配、つまり護送船団方式の考えであり、現場での判断を拡大し個人が自主的に仕事をすれば良い。事務所の面積、机と椅子の数、道具の数などは2交代制、あるいは3交代制にすればそれらを共用できる。

正社員の雇用条件を変えるのは難しいので派遣と組み合わせるのが良い。派遣を遅番にして、労働時間を短くする。労働時間を短くしたい人は正社員をやめて派遣として再契約する(経営者の都合でなく、本人の意思を優先すること)。生活の保障を重視するのか、自分の時間を大事にするのかはその人の生き方であるはず。派遣よりも正社員の方がえらいとか、給料が良いというのはおかしい。給料はその人の成果できまるべき。

柔軟な考えでもって改革を行えば対応は可能であるはず。やりかたをかえると苦情がでるので改革をやりたくないというのが現状であろう。

こんな法律改正はどうだろうか?
現在は、残業させたなら1.25倍の給料を支払うことが労働法で決まっている。これを2倍の給料を支払うことにする。そうすればお金儲け優先の民間企業はワークシェアリングをせざるをえなくなるのではないだろうか? 失業率が増加しているのは、派遣切りの影響であるので、短期的な経済対策としても有効だ。2~3年だけの限定的な法律改正であってもワークシェアリングの改革がおわればその効果が持続するはずだ。

もちろん残業代を払わないとか、36協定のリミットを超えて働かせている、あるいは36協定を作らないで1日8H以上労働させているのは違法なので、そのような場合は、労働組合、あるいは労働基準監督局に通報すること。犯罪者を知っていてかくまっておくのはその人にも罪がある。泣き寝入りは絶対しないことだ。

労働基準法は単なる建前になってしまっている。
労働基準法を守らないのは、実際に罰金の徴収が行われていないことが原因の1つであるので、違反者に罰金を払わせてそのお金で労働基準監督局の人数を増やし、積極的に取締りを行う。それは増税を必要としない雇用対策としても有効だ。自分は悪いことをしていないと思っている人間を改心させるのは難しいので、ネズミ捕りのように1件1件に時間をかけないで罰金を徴収するのが良い。

現実的な日程表を作れない

何か仕事をする際の日程は政治的に決まってしまうことが多い。
特に設計/開発においては工数計算をするのが難しいということ、あるいは希望的観測によって日程が左右されてしまうということもあるだろう。

たとえば受託開発において仕事を受注できるかは、見積もりの金額と納期で決まってしまう。本来、ビジネスはWIN-WINでなければならないが、商業主義の世界ではお金を払う側(顧客、または経営者)の都合で一方的に決まってしまう。

そして「納期を重視すると言いながら無理な日程表を押し付けるばかりで協力をしない」あるいは「希望と実現可能な日程の摺り合わせができないままプロジェクトがスタートする」ということが日常茶飯事となっている。

これは人を不幸にし、仕事を楽しめないものとしている「パワハラ」といって良い。

金額と納期で決まってしまうのは自分だけ儲けようとする気持ちがあるから。これは顧客の性格でどうしようもないこともあるが、顧客との間に信頼関係を築くことが有効ではないだろうか? この会社と長くつきあって行きたいと思ってもらえれば、ゴリオシではなく、話し合いが可能であるはず。

あと営業的な戦略であるが、開発途中での変更の際に「金額と納期は後で相談させてください」と言ってあいまいにしておく方法がある。初めは相手の希望の金額と納期にしておいて、後からずるずると引きのばす方法だ。 ここらへんは営業の手腕(二枚舌?)しだいだと思う。

がんばっても絶対的に工数が不足する際は上司/プロジェクトリーダーに相談する。日程表の見直し。社内の他部署に手伝いを頼む。あるいは金額的に予備を確保しておき、後半で短期派遣に手伝ってもらうとか。

どうせ言っても対応してもらえないだろうと思って黙っていて、誰かが倒れた時には管理職の責任になる。プロジェクトが失敗してしまうことは、会社にとっては大きな損失であるので、言いずらいから黙っているというのは好ましくない。

日程表が先にできてしまい、社内にいる人間の能力、リソース(プロジェクト人数、設備、開発費)が把握できないままプロジェクトがスタートすることもある。初めに確保できる工数に関係なく、政治的に日程が決まってしまう???

同じ会社なら助け合うのは当然のはずだが、部署の垣根を越えて工数の調整が行われることは少ないようだ。日程が政治的に決まってしまうのは上の人間の責任であるので協力してしかるべきではないだろうか?

工数の計算は難しい

残業が多くなる原因の1つに工数の計算ができないということがある。
作業者の能力や繰り返し作業することでのなれ、疲労という変動要因はあるが、製造では同じ作業を繰り返し行う傾向にあるので前回の工数から今回の予測を立てることができる。しかし、設計/開発ではまだ世の中にないものを作り出してゆくので、工数の予測が難しい。

また仕事の完成度が明確でないので必要な工数もはっきりきまらない。結局、どんぶり勘定、特定の人間の勘になってしまうということもある。

日程を考える際にマージンを持たない、残業をすることを前提として日程を作ってしまうことが良くある。しかし注意して作業しても失敗して、やりなおしが必要になることがあるであろう。また割り込みは上の人間の都合で発生し、現場の人間ではどうにもコントロールできない。そして開発/設計では途中での仕様変更がどうしても起こる。これらは日程の遅延をもたらす。作業者の個人差(能力のばらつき)などもある。よって必ず日程にマージンは必要だ。マージンを持たないと日程表は「画に描いた餅」になってしまう。

残業時間は、マージンなので日程表を作成する際には必ず残業なしを想定して作り、希望的観測で工数の予測が左右されないよう論理的に考える。どの程度のマージンが必要かは類似したプロジェクトの予定/結果と比較するのが良い。

仕様を早急に決定し、完成度(評価項目)を明確にしておくことも重要だ。

仕事の優先順位が決められないので、割り込みを追加しても日程の遅延は認めない、追加の人員を認めない。とにかく「できること」と「やりたいこと」の分別がついていない。これは「パワハラ」であることを上の人間に自覚させる。

工数を節約する

予定どうりに仕事をすすめるには、工数の節約も必要だ。 工数というのはあればあるだけ使ってしまうので節約するという意識が必要だ。

それには人件費が見えるように数字化する。プロジェクトで消費している人件費(金額)を1週間毎に統計し、それが上の人間に見えるようにする。そしてプロジェクトに必要な人数で制限を掛けるのではなく、人件費(金額)で制限を掛ける。

上の人間が、作業工数を考えないで仕事の丸投げをする件については、割り込みで発生したコストが見えるように数字化する。誰がどのぐらいの金額で無駄使いしたか、どのぐらいプロジェクトの遅延に影響したか可視化する。 残っている工数がどのぐらいか、仕事の優先順位をどうするかを考えてもらう。

助け合いをする

特定の個人、特定の部署のみに残業が多いのは不公平であるので残業時間が平均化するように調整が必要であろう。設計部内で忙しい人と暇な人がいるのであれば、忙しい人の仕事を積極的に手伝うようなしくみを考えれば良い。ただ現実的には、プロジェクト後半になるとみんな忙しいのでプロジェクト内での助け合いは限定的なものとなる。

部署の垣根を越えた助け合い、社内人材流動化が必要であろう。たとえば開発後半では製造部の人間を設計部内で製品評価の仕事を手伝わせる。評価の仕事だけならばほとんど教育なしで手伝わせることができる。開発後半にもなるとメインの開発メンバーは疲弊しているので定時で帰れるようにする。そうすることにより設計部と製造部との残業時間の格差を低減することができる。

また量産開始時には、製造技術の人間だけでうまく製造ラインの構築できないことがある。なぜならば知識の豊富な人間は設計部にとられてしまうことがあるし、製品の技術的なことを良く知っているのはその設計者であるから。設計部の人間が製造ラインの構築を手伝う。そうすることで製造部の不満を低減できるし、次回の開発で製造部の人間に手伝ってもらいやすくなる。

もちろん、開発の後半で短期派遣に入ってもらう方法もある。しかしそれは教育にコストがかかるとか、目に見える金額が発生するので、えらい人の承認を得るのが難しい。

意思決定ができない

残業が多くなる原因の1つに、いつまでも仕様決定ができないので、設計のスタートが遅れるというのがある。無駄な会議が多く、いつまでも結論がでないのはなぜだろうか?

日本では後で責任を取りたくないから全員の合意を会議で取ろうとする傾向にある。だからプロジェクトメンバー以外も呼んでしまい人数が多くなり結論を出すのに時間がかかる。

誰が何を判断するのか? このプロジェクトメンバーは誰と誰か? 当該のプロジェクトで判断することができるのはそのプロジェクトメンバーのみであり、プロジェクトが失敗した際に責任をとるのはそのプロジェクトメンバーであるということを明確にすべきであろう。(技術的なことの最終判断はプロジェクトリーダーが行う)

役割分担があいまいで会議のたびに出席者が変わるといつまで経っても結論が収束せずに発散したままとなる。これがプロジェクト全体として意思決定ができない、フェーズ合わせができない原因。 また日本人は本音で話すのが苦手、感情に流されやすく論理的に話すことができないというのもある。 「役割分担を明確にする」「会議のやり方を工夫する」「本音で論理的に話す」ということが必要であろう。

がんばらなくてすむためには、がんばる

残業時間削減のためには、交渉が必要。 ただし結果が何も出せていないのに残業削減をしてほしいといっても却下されてしまう。場合によっては切られてしまうかもしれない。だからその前に結果を出して会社から必要とされる人間となる必要がある。結果が出せたならば勇気をもって交渉する。 ビジネスでは結果を出すことが重要で、残業するかどうかはどちらでも良い。「プロの仕事は結果が重要」ということをはっきりと言い、それを体言する会社組織にすべきだ。「たくさん残業させることが目的」となってしまっているならば、転職をしたほうが良い。

それから残業禁止にすると言って、自宅への持ち帰り残業を強要するのは禁物だ。 残業禁止にして持ち帰り残業を強要するのは在宅勤務であるので、もしそうするのであれば自宅で仕事をした分も給料が支払われるべきであろう。

もし成果主義を導入するのであれば、絶対に残業を強要してはならない。そしてタイムカードや勤務表も廃止すべきであろう。成果主義というのは時間で管理するのではなく、仕事の結果で評価する(金額を決める)ということだからだ。

⇒仕事と家庭の両立等について、次世代育成支援対策推進法(厚生労働省)

⇒ブラック企業タレコミ